効果的なテキストプロンプトを記述して、ビジョンに合うビデオクリップを生成する方法について説明します。
「動画を生成(Beta)」で、基本的なテキストおよび画像プロンプトを視覚的に説得力のある動画に変換して、クリエイティブな意図を表現したり、タイムラインのギャップを埋めたり、要素を既存のショットに追加したりできます。Adobe Firefly web サイトで使用可能な「動画を生成(Beta)」を最大限に活用するためのいくつかの提案を以下に示します。
明確、かつ、わかりやすくする
「動画を生成(Beta)」でテキストプロンプトを記述する場合は、照明、映画撮影術、カラーグレーディング、ムードおよび美的スタイルについてできるだけ多くの具体的な単語を使用します。適切に構成された簡潔なプロンプトは、作成したい動画がどのようなタイプであるかを Firefly が理解するのに役立ちます。
シーン、アクション、背景を説明する場合でも、曖昧な表現は避け、Firefly が意図を十分に理解できるシンプルな表現を使用します。 テキストプロンプトの構造は次のとおりです。ショットの種類の説明 + 文字 + アクション + 場所 + 美的
- ショットのタイプの説明:カメラの遠近感は?どう動いているか?例:「スローズームインでのクローズアップショット。」
- キャラクターの説明:キャラクターは誰か?どのような外観か?何を着ているか?どのような感情か? 例:「明るく白い毛をまとった大きなホッキョクグマが物思いにふけっている。」
- アクション:キャラクターはシーンで何をしているか?例:「ホッキョクグマは、張った氷の下で獲物を捕るために以前に氷の中に開いていた穴の方へ、静かに、しかし自信ありげに歩いている。」
- 場所:キャラクターはどこにいるか?どのような天気か?どのような地形か?例:「その場所は不毛で雪が多く、灰色の雲が遠くでゆっくりと動いている。」
- 美観:どのようなタイプのショットか?どのような環境か?どのような被写界深度か?例:「映画風、35 mm フィルム、非常に詳細、浅い被写界深度、ボケ。」
5 つを超える被写体を使用すると Firefly が混乱する可能性があるため、プロンプトを作成するときは、被写体の数を制限することをおすすめします。
視覚的なスタイルの指定
生成したい動画の見た目など、視覚的なトーンとスタイルを明確にすることが重要です。例えば、リアリスティック、シネマティック、アニメーション化、または非現実的であるかなどです。視覚的なスタイルをより具体的に説明するほど、Firefly は目的の結果に近づくことができます。
プロンプトの例 – 「夕暮れ時に山中を駆け巡るスノーモービルの動画をハイコントラストのアニメーションで作成してください」
ビジュアルスタイルには次のようなものがあります。
- シネマティック:ドラマチックな照明、レンズフレア、ハイコントラストを使用します。
- リアリスティック:自然光、明確なディテールで、生き生きとしたキャラクターを目指します。
- アニメーション:アニメ風、3D アニメーション、または 2D アニメーションなどの用語を使用します。
- アーティスティック:印象的、ミニマリスト、抽象的などの形容詞を使用してアートの方向性を示します。
アクションを明確に定義する
1 つ以上のキャラクターの動きやアクションを動画に取り入れる場合は、これらのアクションを特定の動詞と副詞を使用して説明します。そうすることで、Firefly は希望する動作のペース、リズムおよび流れを理解しやすくなります。走る、飛ぶ、泳ぐ、踊るなどの動作を表す動詞を使用したり、ゆっくり、速く、徐々にといったペーシングを含めたりすることをおすすめします。
プロンプトの例 – 「犬が楽しそうに砂浜を走って、空中でボールをキャッチします。」
説明的な形容詞を使用する
効果的なプロンプトを記述するには、動画の雰囲気を正しく説明することが重要です。全体的な雰囲気をどうしたいのか具体的に考えましょう。例えば、落ち着いた、神秘的な、またはエネルギッシュな雰囲気などです。動画で伝えたい気分を説明する、非常にわかりやすい形容詞を使うと、Firefly は最も正確な出力を生成することができます。
プロンプトの例 – 「静かな朝もやが立ちこめるビーチ、ビーチチェアから漏れる柔らかい日差し。」
状況や背景のストーリーを指定する
複雑な動画プロジェクトでは、Firefly に特定のあらすじやキャラクターを取り込むことをおすすめします。背景や状況を指示すれば、Firefly が一貫性のある魅力的なエピソードを作成するのに役立ちます。例えば、Premiere Pro で使用しているクリップから静止フレームを選択し、その静止フレームを使用して既存のキャラクターや演者から新しいアクションを指示することができます。アップロードされた静止フレームまたは静止画を使用すると、複数の生成でキャラクターの連続性が生じて、より長く、より詳細なストーリーを伝えることができます。
カメラのアングルと動きを使用する
多くの場合、Firefly は実際のカメラワークをシミュレートできます。そのため、カメラをどの角度や動きにするかを具体的に説明することで、非常に独特なタッチを表現できるようになります。
以下に、一般的なカメラの指示を示します。
特定のディテールまたは表情を強調するため、クローズアップショットが使用されます。オーディエンスに微妙な表情や感情を伝えることができます。 動物にクローズアップを使用すると、Fireflyでは動物の毛が非常に詳細に表示されます。
例 - 「ゴールデンアワーにひまわり畑にいるゴールデンレトリバーの、シネマティックなクローズアップと繊細なポートレート。照明はシネマティックかつゴージャスでソフト、さらに美しい強いバックライトとレンズフレア。カラーグレーディングは、暖かみのある、強い日差しを浴びた、太陽に照らされているような色合い。犬の毛は細かいテクスチャで非常にリアル。動きは繊細で柔らかい。カメラは動かない。フィルムの粒子とテクスチャは重め。」
ロケーションや広さを表現するために、エスタブリッシングショットを使用すると、オーディエンスはシーンの場所、時間、状況を明確に把握できます。
被写体に動きや焦点を当てたい場合、Firefly に指示すれば独特のカメラの動きを作り出すことができます。
空撮は、ロケーションの全体像を伝えるのに最適な方法です。これにより、オーディエンスは都市や風景などの場所の規模を理解できます。
ローアングルショットは、特定の効果を生み出したり、特定の感情を伝えたりするために使用されます。例えば、ローアングルショットでは、被写体がより大きく、より力強く見えます。このタイプのショットは、ヒーローもののストーリーでよく使用されます。
時間的な要素(時刻、天気)を含める
照明と天候の状態は 1 日を通して変化します。動画の雰囲気に影響を与えるために、ストーリーに重要な要素である場合はこれらの時間的な要素について具体的に説明します。例えば、霧、曇り、雷雨、明るい晴れた日などです。
反復プロンプトを使用する
Firefly は、試行錯誤を繰り返すことで最適に機能します。まずは基本的なプロンプトから始めて、さらに詳細を追加して調整し、繰り返します。
例えば、次のプロンプトをお試しください。
プロンプト - 「フルシーン、目線、ワイドショット、路上の巨大メカ、高品質、非常に詳細。」
プロンプト - 「フルシーン、目線、ワイドショット、巨大メカ、黄色とオレンジ色の鎧、荒れ果てた路上、ワイヤー、LED、サイバーパーツ、高品質、非常に詳細。
」
プロンプト - 「フルシーン、目線、ワイドショット、巨大な白と黄色のメカ、オレンジ色のネオン LED のアクセント、行進、レーザーの発射、見渡す、破壊された街の路上、がれき、火、朽ちた建物、荒涼とした、不吉な、高品質、極めて詳細。
」
プロンプト - 「映画のようなアクションシーン、巨大メカの大群が都市に侵入、威嚇的、黒と黄色の巨大メカ、黄色とオレンジ色のマットな鎧、異様な未来、破壊された都市の路上、瓦礫、火、朽ちた建物、荒涼とした、不吉な、高品質、非常に詳細、ボリューメトリックライティング。」
要素を既存の動画に追加
Firefly は、編集時の創造性を高めるのに役立つ、魅力的なエディトリアルユースケースをいくつか生成することもできます。
その例を次に示します。
- 2 つの異なるクリップ間のトランジションに Premiere Pro で使用できるトランジションマスクを作成します。これらのマスクは、画面のどの部分に後続クリップが表示され、どの部分に先行クリップが表示されるかを制御します。これにより、クロスディゾルブやワイプなどの標準的なトランジションを超える独自のクリエイティブなエフェクトがもたらされます。
- 緑色または黒色の背景にアニメーション、グラフィック、エフェクト、オブジェクトなどの要素を作成して、Premiere Pro または After Effects で合成します。
- 黒色の背景に光のフレア、パーティクルエフェクト、炎などのオーバーレイを作成し、Premiere Pro でフッテージにブレンドできます。
プロンプトに関する追加の考慮事項
プロンプトの長さ
プロンプトの長さや短さに厳しい制限はありませんが、Firefly には 175 語までの単語数の上限があります。長いプロンプトを使用することで、より良い結果が得られるとは限りません。
表現スタイル
鮮明なディテールおよび具体的な表現により、より予測可能な結果が得られます。詩的または抽象的な言い回しを使用すると、意外な結果が得られる可能性があるため、目的に応じて組み合わせるとよいでしょう。経験を積むと、動画プロンプトの構造、長さ、およびスタイルを自由に操ることができるようになります。
追加の記述要素
記述要素をプロンプトにさらに追加して、生成されるビデオコンテンツをより細かく制御することを検討してください。
- 浅い被写界深度、フィルムでの撮影、シネマティックなど、映画撮影術に関する用語。
- ワイド、クローズアップ、俯瞰撮影、あおり撮影など、構成に関する用語。
- バックライト、ソフトライト、ハードライトなど、照明に関する用語。
- 飽和色、高コントラスト、暖色や寒色のトーンなど、カラーグレーディングに関する用語。
- くすんだ、緊張感のある、高揚した、神秘的な、など、ムードまたはトーンに関する用語。
- パン(右または左)、チルト(上または下)、ドリーイン、ドリーアウトなど、カメラの動きに関する用語。