保護ビューとは、どのようなものですか。
保護ビュー(PV)は、Adobe Acrobat 10.1 と Reader 11.0 の新機能です。これは、セキュリティ上の脆弱性を緩和し防止するために アドビがAdobe が速やかに進めている多層防御セキュリティ戦略を拡張します。PV は、Reader のサンドボックス処理の実装(保護モード)を活用して、悪質なファイルが操作およびアクセスできる対象を制限することによって、アプリケーション、データ、およびマシンを保護します。
このドキュメントでは、保護ビューがサポートしていない機能を示します。サンドボックス処理と保護ビューについて詳しくは、オンラインヘルプを参照するか、その他のリソースを確認してください。
- レジストリ設定とカスタムポリシーの作成に関する FAQ および情報については、Application Security Library で『アプリケーションセキュリティガイド』の「保護ビュー」の章を参照してください。
- 構造レベルの詳細は、http://blogs.adobe.com/asset/ にある ASSET チームのブログで確認できます。
スタンドアロンアプリケーションでの保護ビュー
スタンドアロンアプリケーションのビヘイビアーは、Office 2010 で提供される保護ビューに似ています。Acrobat で信頼できないファイルを開くと、表示中のウィンドウの最上部に警告バーが表示されます。ビューは読み取り専用であり、機能が無効になっているので、悪質なコンテンツによるシステムの改ざんが防止されます。PDF を信頼する場合、「すべての機能を有効にする」を選択して PV を終了させ、すべてのメニュー項目を再度有効にして、ファイルに永続的な信頼を与えます。
一般に保護ビューでは、PDF を変更する機能はすべて使用できません。例えば、PDF に信頼を割り当てるまで、以下の機能がブロックされます。
- 読み取りペインまたはナビゲーションペインへの PDF ファイルのドラッグ
- PDF の印刷と保存
- パンおよびズームツールとルーペツール
- 読み取りモードまたはフルスクリーンビュー
- 信頼できない(したがって安全でない可能性のある)サイトの PDF 作成
- JavaScript の実行とフォーム入力
ブラウザーの保護ビュー
ブラウザーで PDF を開く場合、保護ビューでは、警告バーを使用しない効率的な操作性がもたらされます。代わりに、ブラウザーベースの PDF ファイルは、権限を有効にしているドキュメントに、Reader と同様の操作性をもたらします。つまり、ドキュメントの著者が Acrobat を使用して Reader ユーザーに機能を拡張するときに有効にされる機能だけでなく、すべての Reader 機能が利用できます。これらの機能には、既存のフォームフィールドの署名、新しい署名フィールドの追加、フォームデータの保存などが含まれます。
保護ビューを有効にしているブラウザーでは、PDF ファイルに対し以下の機能が動作しません。
- 詳細印刷
- パンおよびズーム、ルーペツール
- 添付ファイルの追加など、Reader で表示される権限設定 PDF に対して通常使用できない機能。
サポート対象外の構成
保護ビューは、Reader と同じ構成上の制限に従います。「サポートされていない構成」ダイアログ」ダイアログが表示された場合は、「保護モードによるトラブルシューティング | Adobe Reader」を参照してください。
Reader では、保護モードが有効になっている場合のみ、保護ビューがサポートされます。保護ビューが有効な場合、HKCU または HKLM 保護モードレジストリ環境設定は 0(オフ)に設定できません。
既知の問題
以下に、このリリースでの保護ビューに関する既知の問題を示します。
- 読み上げが機能しません。
- 署名された iStatement の署名ステータスボタンに、間違った署名検証ステータスが表示されます。
- 保護ビューが有効になっている場合でも、Lotus Notes での PDF 電子メール添付ファイルは保護ビュー外で開かれます。
- 検索ペインで検索ヒット(結果)を選択しても、検索ヒット位置まで移動しません。
- PDF ファイルへの MSexcel および MSWord リンクは、保護ビュー外で PDF を開きます。
- 記事のリストを表示する方法がありません。
- PDF ドキュメントでの単語の選択で、「選択した単語の検索」オプションが無効になっています。
- PDF ポートフォリオからブラウザー外にドラッグしても機能しません。ただし、右クリックして抽出を選択すれば、これを回避できます。