設定
ファイルサイズの縮小、画像の圧縮、フォントの管理、PDF からの要素の削除を行う Adobe Acrobat の設定について学びます。
PDF の最適化により、文書の品質を維持しながらファイルサイズのバランスをとることができます。画像、フォント、オブジェクトの設定を簡単に調整して、web 配信または印刷用の PDF を作成できます。
画像設定
PDF の最適化の画像パネルを使用すると、カラー画像、グレースケール画像、白黒画像の圧縮および画像のダウンサンプルのオプションを設定できます。
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説明 |
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ダウンサンプリング |
元のカラーピクセルを結合して大きいピクセルを生成し、画像の解像度を低くすることによってファイルサイズを縮小します。 |
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圧縮 |
不要なピクセルデータを削除することによってファイルサイズを縮小します。徐々に色が変化する画像の場合は JPEG や JPEG2000 圧縮を使用するとより良い結果が得られます。一方、単色または平坦な色のイラストには ZIP が適しています。 |
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画質 |
JPEG および JPEG2000 形式にのみ適用されます。最適化により、一部のピクセルデータが永久に削除されます。 |
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タイルの大きさ |
JPEG2000 形式にのみ適用されます。画像は指定されたサイズのタイルに分割されます。画像の高さや幅がタイルサイズの倍数にならない場合は、端に部分的なタイルが使用されます。 |
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サイズが縮小される場合のみ画像を最適化 |
結果として得られるファイルサイズが小さくなる場合にのみ、画像を最適化します。設定によってファイルサイズが大きくなる場合、最適化は一時停止されます。 |
フォントの埋め込み解除設定
PDF には、すべてのフォントを埋め込んで、ソース文書と完全に一致させることができます。完全に一致させる必要はなく、ファイルサイズを小さくしたい場合は、欧文テキストや日中韓言語テキスト(繁体中国語、簡体中国語、韓国語および日本語など)のフォントの埋め込みを省きます。元のフォントを持たないシステムで表示すると、これらの言語のテキストは代替フォントに置き換えられます。
透明設定
PDF に透明効果を持つアートワークがある場合は、PDF の最適化の透明パネルのプリセットを使用して、透明効果を統合してファイルサイズを小さくします。PDF の最適化では、他の最適化オプションを適用する前に、透明効果のオプションを文書内のすべてのページに適用します。
「Acrobat 4.0 以降」の互換性設定を選択した場合、透明パネルが有効になり、最適化時にファイル内のすべての透明部分が統合されます。これにより、透明効果をサポートしていない Acrobat 4.0 以前のバージョンとの互換性が維持されます。 分割・統合のプリセットを作成すると、透明パネルにデフォルトのプリセットとともに表示されます。
オブジェクトを破棄設定
オブジェクトを破棄パネルでは、PDF から削除するオブジェクトを指定し、CAD 描画の曲線を簡素化できます。Acrobat およびその他のアプリケーションで作成されたオブジェクトを破棄できます。オブジェクトを選択すると、PDF 内に出現するそのオブジェクトがすべて削除されます。
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設定 |
説明 |
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フォーム送信、取り込み、リセットのアクションをすべて破棄 |
フォームデータの送信または読み込みに関連するすべてのアクションを無効にし、フォームフィールドをリセットします。このオプションでは、アクションがリンクされたフォームオブジェクトは保持されます。 |
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フォームフィールドの統合 |
ルックアンドフィールを変えることなく、フォームフィールドを使用不可にします。フォームデータはページに結合され、ページコンテンツになります。 |
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すべての JavaScript アクションを破棄 |
JavaScript を使用している PDF 内のアクションをすべて削除します。 |
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すべての代替画像を破棄 |
画面表示用の画像を除き、画像のすべてのバージョンを削除できます。 一部の PDF には、低解像度での画面表示や高解像度での印刷などの様々な目的に対応するために、同じ画像の複数のバージョンが含まれています。 |
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埋め込まれたサムネール画像を破棄 |
埋め込まれたサムネール画像を削除できます。 このオプションは、「ページサムネール」ボタンを選択してからサムネールの描画に時間がかかる、サイズの大きい文書で便利です。 |
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文書タグを破棄 |
文書からタグを削除できます。このオプションを選択すると、テキストのアクセシビリティと折り返し機能も削除されます。 |
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曲線のコントロールポイントを減らす |
CAD 描画で曲線の作成に使用されるコントロールポイントの数を削減できます。この結果、PDF ファイルのサイズが小さくなり、画面のレンダリングが高速になります。 |
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画像のフラグメントを検出して結合 |
薄いスライスにフラグメント化された画像またはマスクを探し、それらのスライスを 1 つの画像またはマスクに結合するよう試みることができます。 |
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埋め込まれた印刷設定を破棄 |
文書に埋め込まれた印刷設定(ページの拡大 / 縮小や両面印刷モードなど)を削除します。 |
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埋め込まれた検索用インデックスを破棄 |
埋め込まれた検索用インデックスを削除します。これによってファイルのサイズが小さくなります。 |
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しおりを破棄 |
PDF からすべてのしおりを削除します。 |
ユーザーデータを破棄設定
ユーザーデータを破棄パネルを使用して、配布したり他の人と共有したくない個人情報を削除できます。個人情報が見つからない場合、文書の作成者によって非表示にされている可能性があります。
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設定 |
説明 |
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すべてのコメント、フォーム、マルチメディアを破棄 |
PDF からすべてのコメント、フォーム、フォームフィールド、マルチメディアを削除します。 |
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文書情報とメタデータを破棄 |
文書情報辞書およびすべてのメタデータストリーム内の情報を削除します |
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すべてのオブジェクトデータを破棄 |
PDF からすべてのオブジェクトを削除します。 |
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添付ファイルを破棄 |
コメントとして PDF に追加された添付ファイルを含めて、すべての添付ファイルを削除します |
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外部相互参照を破棄 |
他の文書へのリンクを削除します。 PDF 内の他の場所にジャンプするリンクは削除されません。 |
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他のアプリケーションのプライベートデータを破棄 |
その PDF 文書を作成したアプリケーションでしか使用しない情報を文書から削除できます。 これにより、PDF の機能が影響を受けることなく、ファイルサイズが小さくなります。 |
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非表示レイヤーを破棄し、表示レイヤーを統合 |
ファイルサイズを縮小できます。 最適化された PDF 文書は元の PDF と同じように見えますが、レイヤー情報を含まない文書となります。 |
最適化設定
PDF の最適化ダイアログの最適化パネルのオプションを使用すると、冗長な項目を文書から削除できます。文書の使用目的に合わなくなった古い要素や不要な要素が該当します。 デフォルトでは、機能に影響を与えない要素だけが選択されています。 オプションの削除による影響を十分に理解しているのでない限り、デフォルトの設定を使用してください。
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設定 |
説明 |
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オブジェクト圧縮オプション |
ファイルで Flate 圧縮を適用する方法を指定します。 |
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エンコードされていないストリームに Flate 圧縮を使用 |
エンコードされていないすべてのストリームに Flate 圧縮を適用します。 |
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LZW エンコーディングを使用するストリームで Flate 圧縮を使用 |
LZW エンコーディングを使用するすべてのコンテンツストリームおよび画像に Flate 圧縮を適用します。 |
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無効なしおりを破棄 |
削除された文書内のページをポイントするしおりを削除します。 |
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無効なリンクを破棄 |
宛先が無効なリンクを削除します。 |
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参照していない移動先を破棄 |
PDF 文書内から参照されていない名前付き宛先を削除できます。 このオプションは、他の PDF ファイルや web サイトからのリンクをチェックしないので、一部のワークフローには適さない場合があります。 |
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ページコンテンツを最適化 |
すべての行末文字をスペース文字に変換します。この結果 Flate 圧縮が向上します。 |
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Web 表示用に PDF を最適化 |
PDF 文書を再構築し、web サーバーから 1 ページ単位でダウンロード(バイトサービング)できるようにします。 |
Acrobat で PDF の最適化を使用して PDF を圧縮する方法を学びます。