Adobe Audition でディストーション、ドップラー、ボーカル強調などのスペシャルエフェクトを使用して、オーディオを変換する方法について説明します。
- Adobe Audition 26.3 以降では、一部の CD オーサリング機能がサポートされなくなりました。CD からのオーディオの抽出には影響はありません。オーディオ CD を書き込むには、トラックを WAV ファイルとして書き出し、オペレーティングシステムのビルトインディスクツールを使用します。詳しくは、CD オーサリング機能の削除を参照してください。
- スペシャルエフェクトにはモノラルまたはステレオのオーディオが必要です。5.1 サラウンドはサポートされていません。
スペシャル/Distortion エフェクトを使用して、カーオーディオの音割れ、覆いのかかったマイク、アンプの過大入力などのエフェクトをシミュレートします。
- 正と負のグラフ:正と負それぞれのサンプル値のディストーションカーブを指定します。 水平ルーラ(x 軸)は入力レベルのデシベル値を表し、垂直ルーラ(y 軸)は出力レベルを表します。 デフォルトの斜線は、入力値がそのまま出力値となる無加工の信号を表しています。 グラフ上の線をクリックしてポイントを作成し、ドラッグして調整します。 ポイントを削除するには、ポイントをグラフの外までドラッグします。
グラフを別のグラフにコピーするには、グラフの間の矢印ボタンを選択します。
- リセット:グラフを歪みがないデフォルトの状態に戻します。
- カーブスムージング:コントロールポイント間に曲線のトランジションを作成します。デフォルトのリニアトランジションより自然な歪みが得られる可能性があります。
- タイムスムージング:歪みが入力レベルの変更に反応するまでの時間を指定します。 レベルの測定は低周波数の要素に基づいており、よりソフトで音楽的な歪みが作成されます。
- dB 範囲:グラフの振幅範囲を変更し、指定した範囲に歪みを限定します。
- リニアスケールグラフの振幅スケールを、対数のデシベルからノーマライズ値に変更します。
- ポストフィルター DC オフセット:歪み処理によるサンプルのオフセットを補正します。 このようなオフセットにより、ポップノイズやクリックノイズがオーディオ編集時に発生する場合があります。
スペシャル/ドップラーシフター(プロセス)エフェクトを使用すると、対象物が近づいてから去っていくように感じるピッチの増減(通り過ぎるパトカーのサイレンなど)を作成できます。 自動車がこちらに向かってくるときは、自動車の前進によって音の波が圧縮されるので、耳に届く音の周波数は実際よりも高くなります。 逆に車が通りすぎるときは反対の現象が生じるので、波形が引き伸ばされてピッチの低い音になります。
Adobe Audition のエフェクトで使用される多くのグラフとは異なり、ドップラーシフターグラフはインタラクティブではないので、直接操作することはできません。 このグラフは、エフェクトのパラメーターを調整するとそれに従って変化します。
- パスのタイプ:音源がたどるパスを定義します。パスのタイプによって、使用できるオプションは異なります。
- 直線のオプション
- 開始距離でエフェクトの仮想的な開始点をメートル単位で設定します。
- 速度でエフェクトの仮想的な移動速度をメートル/秒単位で定義します。
- 進入角度でエフェクトの出現位置の方向を度単位で設定します。
- 前側通過位置でエフェクトがリスナーの前を通過しているような効果を作る場合のリスナーとの距離をメートル単位で指定します。
- 右側通過位置でエフェクトがリスナーの右を通過しているような効果を作る場合のリスナーとの距離をメートル単位で指定します。
- 円のオプション
- 半径でエフェクトの円のサイズをメートル単位で設定します。
- 速度でエフェクトの仮想的な移動速度をメートル/秒単位で定義します。
- 開始角度でエフェクトの仮想的な開始アングルを度単位で設定します。
- 前側中心位置で音源の中心をリスナーの前方どれくらいの距離に置くかをメートル単位で指定します。
- 右側中心位置で音源の中心をリスナーの右方どれくらいの距離に置くかをメートル単位で指定します。
- 距離または方向に基づいてボリュームを調整:指定した値に基づいて、エフェクトのボリュームが自動的に調整されます。
- 品質:処理品質を 6 段階で指定します。品質レベルが低いほど処理時間は短くなりますが、高い方が一般に品質の良い結果が得られます。
スペシャル/ギタースイートエフェクトを使用すると、ギタートラックのサウンドを最適化および改変する一連のプロセッサを適用できます。 コンプレッサーステージでは、ダイナミックレンジを縮小し、より強いインパクトのあるタイトなサウンドを生成します。 フィルター、ディストーションおよびボックスモデラーの各ステージでは、ギタリストが表現力豊かでアーティスティックな演奏をするためによく使用するエフェクトをシミュレートします。
ギタースイートをボーカル、ドラム、その他のオーディオに適用すると、テクスチャエフェクトを作成できます。
- コンプレッサー:ダイナミックレンジを縮小して振幅を一定に保ち、ギタートラックがミックス内で引き立つようにします。
- フィルター:リゾネータからトークボックスまで、様々なギターフィルターをシミュレートします。 このメニューからオプションを選択し、以下のオプションを設定します。
- 種類:フィルターする周波数を指定します。 高周波数をフィルターするには「ローパス」を、低周波数をフィルターするには「ハイパス」を、センター周波数の上下をフィルターするには「バンドパス」を指定します。
- 周波数:ローパスおよびハイパスフィルターの場合はカットオフ周波数、バンドパスフィルターの場合はセンター周波数を指定します。
- レゾナンス:カットオフ周波数付近の周波数をフィードバックします。低い設定で使用すると明瞭さが加わり、高い設定で使用すると笛のような倍音が加わります。
- 歪み:ギターソロでよく使用される鋭い表現をサウンドに加えます。ディストーションの特性を変更するには、種類メニューからオプションを選択します。
- アンプ:ギタリストが独自のトーンを作成するために使用する、アンプとスピーカーの様々な組み合わせをシミュレートします。
- ミックス:処理済みのオーディオとオリジナルのオーディオの比率を制御します。
マスタリング(Mastering)とは、ラジオ、ビデオ、CD、Web などの特定のメディア用にオーディオファイルを最適化する処理全体を意味します。 Adobe Audition では、スペシャル/ミキシングエフェクトを使用してオーディオのミキシングをすばやく実行できます。
オーディオをミキシングする前には、最終的なメディアの必要条件を検討してください。 例えば、最終的なメディアが web である場合、ファイルは低音の再現性の低いコンピューターのスピーカーで再生される可能性が高くなります。 これを補うために、ミキシング処理のイコライゼーションの工程で、低周波域を重視して調整することができます。
- イコライザー:全体的な音調バランスを調整します。
- グラフ:周波数を水平ルーラー(x 軸)に、振幅を垂直ルーラー(y 軸)にして、特定の周波数での振幅の変化を表すカーブを表示します。 グラフ内の周波数は最低周波数から最高周波数へと対数形式(オクターブごとに均等な間隔)で表示されます。
グラフ上のコントロールポイントをドラッグして、次の設定を視覚的に調整します。
- ローシェルビングとハイシェルビングを有効にする:周波数スペクトルのいずれかの端でシェルビングフィルターをアクティブにします。
- ピーキングを有効にする:周波数スペクトルの中央でピーキングフィルターを有効にします。
- Hz:各周波数バンドのセンター周波数を指定します。
- dB:各周波数バンドのレベルを指定します。
- Q:影響を受ける周波数バンドの幅を制御します。 Q に 3 以下の小さい値を指定すると、より広範囲の周波数に影響するので、全体的なオーディオ品質を向上する場合に最適です。 Q に 6 ~ 12 の大きい値を指定すると、非常に狭いバンドにのみ影響するので、60 Hz のハムノイズなど、問題のある特定の周波数を削除する場合に最適です。
- リバーブ:残響効果を追加します。適用量スライダーをドラッグして、元のサウンドとリバーブサウンドの比率を変更します。
- エキサイタ:高周波数の倍音が誇張され、明瞭度と透明度が向上します。 モードオプションには、軽いディストーション向けのレトロ、明るいトーン向けのテープ、およびダイナミックですばやい応答向けのチューブなどがあります。 適用量スライダーをドラッグし、処理のレベルを調整します。
- ステレオ幅:ステレオイメージを調整します(モノラルオーディオの場合は無効)。 幅スライダーを左にドラッグすると、イメージは狭くなり、中央にフォーカスが集まります。 スライダーを右にドラッグすると、イメージは拡張され、個々のサウンドの空間的な広がりが強調されます。
- リミッタ:ダイナミックレンジを縮小するリミッタを適用し、知覚上のレベルをブーストします。 0 %の設定が元のレベルに相当し、100 %に設定するとリミッタの強さが最大になります。
- 出力ゲイン : 処理後の出力レベルを指定します。 例えば、EQ 調整による全体的なレベル低下を補うには出力ゲインをブーストします。
Audition のラウドネスメーターは、業界標準の LUFS とトゥルーピーク値を使用してオーディオラウドネスを測定し、オーディオを変更することなくコンテンツが放送およびストリーミングのラウドネス要件を満たしていることを確認できます。
設定
- ターゲットラウドネス:ターゲットラウドネス値を定義します
- 以下を下回る低レベル:瞬間のラウドネスリングの緑色と青色の間のシフトを設定します。これは、レベルがノイズフロアレベルより下の可能性があることを示します。
- 最小のトゥルーピーク:トゥルーピークレベルの最大値を設定します。この値を超える場合、ピークインジケーターがアクティベートされます。
- スケール:EBU 標準に従って、ラウドネス範囲をメーターに視覚的に表示する方法を設定します。
- EBU +9:ターゲットラウドネス周辺の狭い範囲内でオーディオレベルを表示します。
- EBU +18:ターゲットラウドネス周辺のより広い範囲内でオーディオレベルを表示します。
- 単位:レーダーに表示するラウドネスの単位を設定します。
- LUFS:ヨーロッパ放送連合(EBU)によって指定されたラウドネスの単位。
- LKFS:国際電気通信連合(ITU)によって指定されたラウドネスの単位。
- LU/LUFS:相対変化にはラウドネス単位(LU)を、絶対ラウドネスにはLUFSを表示します。
- LU/LKFS:相対的な変化にはラウドネス単位(LU)を、絶対的なラウドネスには LKFS を表示します。
LU は、EBU および ITU に準拠したターゲットに関連するラウドネスの単位です。
ラウドネスレーダーメーターエフェクトプラグインは、ピーク、平均、範囲レベルについての情報を提供します。ラウドネス履歴、瞬間的なラウドネス、トゥルーピークレベル、柔軟な記述子を組み合わせて、ラウドネスの概要を 1 つのビューで表示します。時間の経過に伴うラウドネスの変化がわかりやすく表示されるレーダースイープビューも利用できます。 エフェクト/スペシャル/ラウドネスレーダーメーターを選択します。
Adobe Audition で TC Electronic の ITU ラウドネスレーダーパネルを使用して、放送オーディオのラウドネスを監視および補正します。
- ターゲットラウドネス:ターゲットラウドネス値を定義します
- レーダー速度:各レーダースイープの時間を制御します
- レーダー解像度:レーダービューで各同心円間のラウドネスの差異を設定します。
- 瞬間の範囲:瞬間の範囲を設定します。EBU +9 は通常のブロードキャストに使用する狭いラウドネスの範囲を示します。EBU +18 はドラマや音楽に使用される広いラウドネスです。
- 以下を下回る低レベル:瞬間のラウドネスリングの緑色と青色の間のシフトを設定します。これは、レベルがノイズフロアレベルより下の可能性があることを示します。
- ラウドネス単位:レーダーに表示するラウドネスの単位を設定します。
- LKFS:国際電気通信連合(ITU)によって指定されたラウドネスの単位。
- LUFS:ヨーロッパ放送連合(EBU)によって指定されたラウドネスの単位。
- LU:EBU および ITU に準拠したターゲットに関連するラウドネスの単位。
- ラウドネス標準:ラウドネス標準を指定します。
- BS.1770-3:この ITU 標準はブロードキャストラウドネスおよびトゥルーピークレベルの測定に関するものです。この標準ではラウドネスの測定に Leq(K) を使用します。
- Leq(K):ラウドネスは K-weighting を採用している Leq 測定に基づきます。K-weighting は Communications Research Center(カナダのオタワ州にある連邦研究施設)で開発された特定の周波数に対する重み付けです。
- ピークインジケーター:トゥルーピークレベルの最大値を設定します。この値を超える場合、ピークインジケーターがアクティベートされます。
スペシャル/ボーカル強調エフェクトを使用すると、ボイスオーバー録音の品質を簡単に向上できます。 利用可能なモードでは、低音域のうなり音などのマイクハンドリングノイズに加え、歯擦音や破裂音も自動的に低減されます。また、これらのモードはマイクモデリングや圧縮も適用することで、ボーカルを特徴あるラジオ風のサウンドに加工できます。 「音楽」モードでは、ボイスオーバー向きにサウンドトラックを最適化します。
- 男性:男声用にオーディオを最適化します。
- 女性:女声用にオーディオを最適化します。
- 音楽:楽曲やバックグラウンドオーディオに圧縮とイコライゼーションを適用します。