Adobe After Effects CS5.5 がリリースされ、現在はすべての機能を 30 日間使用できる体験版を入手することができます。Premiere Pro の新機能については、製品ページでも確認することができます。After Effects CS5.5 の新機能と変更点については、Adobe TV の動画* および Video2Brain の動画*でも確認することができます。
この文書は、After Effects CS5.5 の主な新機能と変更点をまとめたものです。
- ワープスタビライザーエフェクト* を使用し、ショット内のモーションをスタビライズ
- ブラー(カメラレンズ)エフェクトおよびブラーとボケのフィールド深度に関連付けられた新しいカメラレイヤー設定など、フィールド深度ブラーの機能が強化されました*。
- タイムコードエフェクトなど、タイムコードに関連する多くの機能* が強化され、ソースタイムコード* の読み取り、使用、操作が可能になりました。
- 新しいステレオ 3D カメラリグおよび 3D メガネエフェクトの強化などのステレオ 3D 機能
- ディスクキャッシュ* およびデフォルトのメモリ設定が向上し、パフォーマンスが強化されました。
- ライト設定の「フォールオフの距離」オプションにより、距離に応じた光の強度を制御することができます。
- CinemaDNG の読み込みや、RED(R3D)機能(REDcolor2、REDgamma2、REDlogFilm、曲線とレベルの UI 改善)の拡張*をはじめとした CameraRaw 機能の強化
- 「カラー LUT を適用」機能の強化と拡張
- XDCAM EX および XDCAM HD 出力(MXF OP1a)
- Adobe Audition CS5.5 と連携* したオーディオ編集
- After Effects CS5 プロジェクトとして保存* する機能
- 時間の表示形式設定が様々な点から変更されました。タイムコードの「ドロップフレームとノンドロップフレーム」はプロジェクト設定ではなくなりました。プロジェクト内のコンポジションごとにドロップフレーム/ノンドロップフレームのいずれかを設定することができます。
- タイムラインパネルの左上隅に、時間が 2 通り表示されます。上段はタイムコードなどの現在の時間表示で、下段はフレームなどを表示します。また下段には、コンポジションのフレームレートも表示されます。
- レイヤーのコンテキストメニューに「プリコンポーズ」メニューが追加されました。
- 「明確でないメディア NTSC」環境設定により、タイムコードがドロップフレーム/ノンドロップフレームのどちらか不明なファイルをどのように処理するか指定することができます。
- プロジェクトパネル内に、インポイント列とアウトポイント列が追加され、トリムされたフッテージのデュレーションも確認できます。これらはメディア開始、メディア終了、メディアデュレーション、テープ名に追加されたもので、ソースタイムコードのサポート拡張に伴う機能強化です。
- 列名をクリックしてプロジェクトパネル内の項目を昇順/降順で並び替えることができます。
- interpretation rules.txt ファイルが After Effects の環境設定フォルダーに移動されました。このファイルはアプリケーションの起動時に作成されます。
- 体験版の After Effects CS5.5* には製品版と同等のすべてのコーデックが含まれているため、製品版で読み込み可能なファイルはすべて、体験版でも読み込むことができます。
- 選択ツールでコンポジションパネル内をドラッグし、複数のレイヤーを選択できます。(機能デモについては、こちらの動画*で確認できます。)
- Z 軸カメラツールと XY 軸カメラツールの動作の不一致が修正され、ツールパネルから直接アクティブにされた場合と、統合カメラツールでマウスボタンを使用した場合とで生じる、Z 軸カメラツールと XY 軸カメラツールの動作の不一致が修正されました。After Effects CS5 では、目標点とズームによってどうあが異なります。
- アンカーポイントツールで、アンカーポイントを Ctrl(Windows)/Command(Mac OS)+ドラッグすることにより、アンカーポイントをレイヤーのエッジまたは中央にスナップしたり、またレイヤーのエッジから線にスナップすることができます。(機能デモについては、こちらの動画*で確認できます。)
- 一般的なタスクを自動化するための新しいカメラコマンド : 軌道ヌルを作成、フォーカス距離を目標点へリンク、フォーカス距離をレイヤーへリンク、フォーカス距離をレイヤーに設定
- ポイントトラッカー(After Effects CS5 以前でスタビライズに使用されていた機能)は、例えばトラッカーパネルのモーションスタビライズなど、多くの場合ワープスタビライザーエフェクトに置き換えられます。ポイントトラッカーは使用可能ですが、トラッカーパネルのトラックタイプメニューから「スタビライズ」を選択します。
- 単純な数値や文字列ではないプロパティの値(任意のデータやカスタムデータなど)を、エクスプレッションで互いにリンクすることができます。例えば、カーブエフェクトのカーブプロパティなどがそれに該当します。(機能デモについては、こちらの動画*で確認できます。)
- エクスプレッション制御カテゴリに、3D ポイント制御エフェクトが追加されました。
- 時間 t に対応するソースタイムを返す Layer サブオブジェクトメソッド sourceTime(t = time)が追加されました。
- タイムコードに NTSC ドロップフレームを使用している場合に true を返す、Comp および Footage のメソッド ntscDropFrame が追加されました。
- timeToCurrentFormat メソッドの追加引数として ntscDropFrame が追加されました。デフォルト値:ntscDropFrame = thisComp.ntscDropFrame
- レイヤーソースからのタイムコード読み取り強化に加えて、タイムコードエフェクトに「ボックスのカラー」、「不透明度」、「元を合成」などの制御が追加されました。
- アニメーションプリセット/Text/Expression カテゴリに「コンポジション時間の表示」プリセットが追加されました。
- ブラー(バイラテラル)エフェクトのデフォルト値が、半径:25.0、しきい値:3.0、色つき:有効に変更されました。
- (Mac OS のみ)レベルエフェクトのキーボードショートカットが追加されました。
RGB : Control + 0
R : Control + 1
G : Control + 2
B : Control + 3
A : Control + 4 - エフェクトコントロールパネルをアクティブにすると、選択されているエフェクト、または一番上のエフェクトにショートカットが反映されます。
- リシェープエフェクトにおける補間法のデフォルト値が「リニア」から「不連続」に変更されました。
- どのフレームをディスクキャッシュに追加するかを判別するキャッシングシステムが洗練され、ディスクキャッシュのデフォルト値が 20GB に拡大されました。
- RAM とディスクキャッシュのインジケータ(緑と青のバー)がレイヤーごと、およびコンポジション全体で表示されるようになりました。これらのレイヤーキャッシュインジケータはデフォルトで無効になっています。
- メモリ&マルチプロセッサー環境設定* のデフォルト値は、After Effects CS5 のデフォルト値よりも汎用的にパフォーマンスを向上させる設定に変更されました。この設定は、お客様から寄せられたご意見* を参考にした変更です
- Keylight、Color Finesse、mocha-AE は After Effects CS5.5 用にアップデートされています。
- 体験版 After Effects CS5.5 で Keylight を使用できます。
- Color Finesse の専用シリアルは不要になりましたが、登録ダイアログボックスに名前と組織を入力するか、体験版モードで使用する必要があります。
- スクリプトについては大幅な変更が行われています。
- After Effects プロジェクトパネルから、Adobe Media Encoder のエンコードキューにコンポジションをドラッグすることができます。Adobe Media Encoder のその他の変更点については、Adobe Media Encoder CS5.5: What's new and changed* を参照してください。
- 編集メニューに「Adobe Audition で編集」コマンドが追加されました。
- それぞれに単一の出力モジュールを持つ複数のレンダリングアイテムを選択し、出力モジュールテンプレートをいずれか一つに割り当てることによってその他のアイテムにも割り当てられます。この操作は複数の出力モジュールを持つレンダリングアイテムには適用できません。(機能デモについては、こちらの動画*で確認できます。)
- 体験版 After Effects CS5.5* には、製品版と同等のすべてのコーデックが含まれているため、製品版からレンダリングおよび書き出し可能なコーデックを体験版でも使用することができます。
- 「システムのショートカットキーを使用」がデフォルトで有効になっています。この環境設定にマウスカーソルを合わせると、影響を受けるシステムと After Effects の両方のショートカットが表示されます。
- プロジェクト、タイムライン、エフェクト&プリセットの各パネルの検索フィールドに、最近検索した語句が表示されるようになりました。フィールドのの検索アイコンをクリックして、頻繁に使用する語句を保存することができます。また、検索フィールドでは「or」 オペレータとしてカンマ(,)を使用することができます。
- 複数のコンポジションを、Edit this, look at that(ETLAT)環境によって簡単に参照することができます。例えばネスト化した(アップストリーム)コンポジションをタイムラインパネルで変更し、そのコンテナ(ダウンストリーム)コンポジションでの変更の結果をプレビューしたい場合に役立ちます。(詳細についてはこちらの動画*をご覧ください。)
- 起動時の「今日のヒント」ダイアログボックスは、以下の操作から After Effects を起動した場合には表示されません。
プロジェクトファイルをダブルクリック
Adobe Bridge からプロジェクトを開く
Premiere Pro の「オリジナルを編集」コマンドから起動 - (Windows のみ)プログレスダイアログボックスによってアプリケーションが最前面に移動される動作が無効になりました。このことにより、スクリプト化された操作中に他のアプリケーションで作業を行えるようになります。