破損したカタログファイルのトラブルシューティング(Photoshop Lightroom 1.x)



この情報は、米国アドビシステムズ社が提供している情報をもとにローカライズし、作成したものです。

 

日本語環境での動作保証はしておりませんのでご了承ください。

 

内容 (What's Covered)

 

A. 破損したカタログファイルを開いた場合のエラー

B. カタログファイル破損の原因

C. 破損したカタログファイルのトラブルシューティング

 

この文書は、Adobe Photoshop Lightroom 1.0/1.1 の起動時やカタログファイル(*.lrdb、*.lrcat)を選択して開く際、破損したカタログファイルによって表示されるエラーとその対処方法について説明します。

 

 

 注意 : Photoshop Lightroom 1.0 で使用していた「ライブラリ」は、Photoshop Lightroom 1.1 で「カタログ」に変更されました。

 

 A. 破損したカタログファイルを開いた場合のエラー

 

Photoshop Lightroom は、カタログファイルに読み込んだ写真などのデータを保存します。Photoshop Lightroom 1.0 の起動時、または Photoshop Lightroom 1.1 アップデートインストール後に、以下のようなエラーメッセージが表示される場合があります。このようなエラーが発生した場合、カタログファイルの構造が破損し、一部のデータにアクセスできない可能性があります。

  • 「Lightroom にエラーが発生したので、終了する必要があります。Lightroom カタログのいずれかの読み取りで問題が発生しました。」



  • 「申し訳ありませんが Lightroom ライブラリが壊れていて使用できません。」



  • 「カタログ "<カタログファイル名>" は壊れているらしく使用できません。」



  • 「カタログ "<カタログファイル名>" は壊れているらしくアップグレードできません。」



 

Photoshop Lightroom 1.1 のリリース前にデータの破損に関する問題が発見されました。この問題は Photoshop Lightroom に搭載されているサードパーティ製データベースの SQLite によって修正されました。Photoshop Lightroom 1.1 へアップデートすることによって、カタログファイルの破損、およびその他の破損に関する問題の脆弱性を回避することができます。

 

 B. カタログファイル破損の原因

 

カタログファイルの破損は、以下のようなさまざまな原因によって発生します。

 

- Photoshop Lightroom 1.0 で数千枚の写真を一度に読み込み、Photoshop Lightroom がクラッシュした場合

- Photoshop Lightroom を使用中にオペレーティングシステムがクラッシュ、またはコンピュータがシャットダウンした場合

- 外付けハードディスクに保存されているカタログを使用中に外付けハードディスクの電源プラグを抜いた場合

- Windows XP で複数のユーザを切り替えて使用している場合に、Photoshop Lightroom の 2 つのコピーからカタログファイルを開いた場合(Photoshop Lightroom 1.1 ではこの問題を回避することができます。)

- Photoshop Lightroom のカタログに付随する「<カタログファイル名>.lrdb-journal」ファイルを移動せずにカタログファイルを移動し、開いた場合

- 「<カタログファイル名>.lrdb-journal」ファイルを削除し、Photoshop Lightroom でカタログファイルを開いた場合

- RAM またはハードディスクの故障、破損が原因でデータが正しく記録されていない場合

- Photoshop Lightroom 自体の特定のバグが、破損を引き起こす潜在的な原因となる場合

 

SQLite の詳細な技術情報については、以下の SQLite Web サイト(英語情報)を参照してください。

URL : http://www.sqlite.org/lockingv3.html#how_to_corrupt

 

 C. 破損したカタログファイルのトラブルシューティング

 

破損したカタログファイルの使用について

破損したカタログファイルを継続して使用することにで問題が更に深刻化する場合があるため、破損したカタログファイルを継続して使用しないでください。カタログファイルの破損はハードウェアの問題が原因で発生することがあります。可能な場合は異なるコンピュータ、またはハードディスクでカタログファイルのコピーを作成してください。

 

レポートの送信

製品への要望 / 不具合報告 フォームから、この問題についてのレポートを送信してください。

レポートを送信する際には、表示されたデータベースの破損に関するエラーメッセージと、以下のようなカタログファイルが破損する原因となった可能性のあるきっかけや経緯などを記載してください。

- Photoshop Lightroom または、オペレーティングシステムのクラッシュ

- カタログファイルの破損が検出された際にどのような操作を行っていましたか?

- 停電、または強制的にコンピュータを再起動しましたか?

- カタログファイルは、内蔵または外付けハードディスクのどちらに保存していましたか?

- FileVault のようなディスク暗号化を使用するボリュームにカタログファイルを保存していましたか?

 

情報の確認

- ユーザフォーラム、および弊社サポートデータベースで同様の問題が報告されているか確認してください。

- Photoshop Lightroom 製品ページでアップデートについて確認し、最新のアップデータをインストールします。

 

バックアップファイルの使用

Photoshop Lightroom のプレビューキャッシュおよび環境設定にアクセスするために、初期設定の場所に保存されているライブラリ、またはカタログのバックアップファイルを使用します。

以下の操作を行います。

  1. すべてのアプリケーションを終了します。
  2. ライブラリおよびカタログが保存されているフォルダを開きます。Photoshop Lightroom の初期設定では、以下のフォルダに保存されます。



    Windows Vista

    - Users¥<ユーザ名>¥Pictures¥Lightroom

    Windows XP

    - Documents and Settings¥<ユーザ名>¥My Documents¥My Pictures¥Lightroom

    Macintosh

    - Macintosh HD/ユーザ/<ユーザ名>/ピクチャ/Lightroom
  3. 「Lightroom Database.lrdb」ファイル(Photoshop Lightroom 1.0)または「Lightroom Catalog.lrcat」ファイル(Photoshop Lightroom 1.1)をデスクトップなどの別の場所へ移動します。
  4. 以下のフォルダを開きます。



    Windows Vista

    - Users¥<ユーザ名>¥Pictures¥Lightroom¥Backups

    Windows XP

    - Documents and Settings¥<ユーザ名>¥My Documents¥My Pictures¥Lightroom¥Backups

    Macintosh

    - Macintosh HD/ユーザ/<ユーザ名>/ピクチャ/Lightroom/Backups
  5. 使用するバックアップフォルダを開きます。

    ※ バックアップフォルダは、「YYYY-MM-DD HHMM」などの作成された日時がフォルダ名となります。
  6. 「Lightroom Database.lrdb」ファイル(Photoshop Lightroom 1.0)または「Lightroom Catalog.lrcat」ファイル(Photoshop Lightroom 1.1)を、手順 1. で開いた「Lightroom」フォルダにコピーします。
  7. Crtl キー(Windows)/Option キー(Macintosh)を押しながら Photoshop Lightroom を起動します。
  8. [Adobe Photoshop Lightroom - データベースを選択](Photoshop Lightroom 1.0)/[Adobe Photoshop Lightroom - カタログを選択](Photoshop Lightroom 1.1)ダイアログボックスが表示されます。



     注意 : ダイアログボックスが表示されない場合は Photoshop Lightroom を終了し、再度手順 7. の操作を行います。
  9. 表示されているカタログファイルの場所が異なる場合は、[選択] ボタンをクリックして手順 6. でコピーしたカタログファイルを選択します。



  10. ダイアログボックス右下の [選択] ボタンをクリックします。



     注意 : 破損したカタログファイルに関するエラーが表示され Photoshop Lightroom が起動できない場合は、手順 1. ~ 10. の操作を行って別のバックアップファイルを選択してください。

 

Photoshop Lightroom 1.1 でバックアップファイルが開けない場合

Photoshop Lightroom 1.1 で Photoshop Lightroom 1.0 のバックアップファイルが開けない場合、Photoshop Lightroom 1.1 をアンインストールし、Photoshop Lightroom 1.0 をインストールしてバックアップファイルを開きます。Photoshop Lightroom 1.0 から XMP データの書き出しを行い、再度 Photoshop Lightroom 1.1 へアップデートして新規カタログファイルに写真を読み込みます。

以下の操作を行います。

  1. すべてのアプリケーションを終了します。
  2. 以下の弊社技術文書を参照し、Photoshop Lightroom 1.1 をアンインストールします。



    文書番号 230959 アンインストール手順(Photoshop Lightroom 1.x)

    文書番号 230960 アンインストール手順(Photoshop Lightroom 1.x)
  3. 以下の弊社技術文書を参照し、Photoshop Lightroom 1.0 を再インストールします。



    文書番号 230875 インストール手順(Windows 版 Photoshop Lightroom 1.0)

    文書番号 230876 インストール手順(Macintosh 版 Photoshop Lightroom 1.0)
  4. インストール完了後、「バックアップファイルの使用」を参照して Photoshop Lightroom 1.0 のバックアップファイル(「Lightroom Database.lrdb」ファイル)を開きます。
  5. バックアップファイルから起動できた場合は、ライブラリモジュールですべての写真を選択します。
  6. [メタデータ] メニューから [XMP] - [XMP メタデータをファイルに書き出し] を選択します。
  7. Photoshop Lightroom を終了します。
  8. 以下のフォルダに「Lightroom Database.lrdb」ファイルが保存されている場合はファイル名を変更します。(「Lightroom Database.lrdb.old」など)

    Windows XP

    - Documents and Settings¥<ユーザ名>¥My Documents¥My Pictures¥Lightroom

    Macintosh

    - Macintosh HD/ユーザ/<ユーザ名>/ピクチャ/Lightroom
  9. Photoshop Lightroom 1.1 へアップデートします。手順の詳細については、以下の弊社技術文書を参照してください。

    文書番号 231780 アップデートインストール手順(Windows 版 Photoshop Lightroom 1.1)

    文書番号 231781 アップデートインストール手順(Macintosh 版 Photoshop Lightroom 1.1)
  10. Photoshop Lightroom 1.1 を起動し、新規作成されたカタログファイルに写真を読み込みます。

    ※ 写真に付随する XMP ファイルが存在する場合は自動的に読み込まれます。

 

追加情報 (Additional Information)

 

 

Photoshop Lightroom でカタログファイルが破損することは稀ですが、ハードウェアやシステムソフトウェアが正しく動作しない場合などに問題が発生することがあります。カタログファイルのバックアップを定期的に作成し、整合性のテストを行うことを推奨します。計画的なバックアップ作成は、デジタル資産を管理する上で重要な要素です。

 

また、重要な写真については XMP メタデータで書き出しておくことを推奨します。Photoshop Lightroom で使用されるすべてのデータが XMP で表示されるものではありませんが、現像モジュールでの調整、スナップショット(1:1)、レーティング、IPTC メタデータ、キーワードのすべてを XMP 形式で保存し、再読み込み可能な状態でデータを保存しておくことが可能です。

 

ひとつのカタログに保存可能な写真の最大数については、特に制限を設けていませんが、アプリケーションのパフォーマンス最適化のため、10,000 枚程度以内で作業を行なうことをお勧めします。パフォーマンスが低下してきた場合には、カタログを複数に分けて作業を行ってください。