お使いのオペレーティングシステムに対応する Git クライアントをダウンロードします。
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この記事では、Dreamweaver で Git を使用してファイルやソースコードを管理する方法を説明します。
Dreamweaver は、ソースコードを管理するためのオープンソース分散バージョン管理システムである Git に対応しています。Git を Dreamweaver に統合することで、どこからでもコードを自由に変更し、後で変更を Git の中央リポジトリにマージすることができます。Git により、ファイル内のすべての変更を追跡し、以前のバージョンに戻ることもできます。
Git リポジトリは、Git で簡単にブランチの作成および管理をすることができるため、グループで作業する場合にも便利です。たとえば、デザイナーがサイトのデザインの変更作業を行う場合などです。同時に、他のチームメンバーが同じサイトの変更要求に対応している場合は、どちらも Git を使用して別々に作業することができます。このような場合、両者とも別々にブランチを作成し、それぞれのローカルリポジトリで変更を行うことができます。ローカルリポジトリには、ソースに対して行ったすべての変更の完全な履歴が保存されます。一時的に作業を中断して変更を中央リポジトリにマージする作業は、いつでも行うことができます。マージすることで、中央リポジトリに、両者の変更が反映された最新のコードが常に保持されます。
詳しくは、以降の Dreamweaver で Git の使用を開始する方法の説明を参照してください。
Git を使った作業の開始(Dreamweaver)
Git の使用が初めての場合、最初に Git クライアントをダウンロードして、Git アカウントを作成する必要があります。Git クライアントは、Dreamweaver 内から Git を使用するために欠かせない操作です。
Git アカウントが既にある場合は、アカウントにログインしてください。Git クライアントをダウンロードします。
Dreamweaver で Git を使い始めるには、次の手順を実行します。
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Git クライアントのアカウントを作成します。
既に Git アカウントを所有している場合は、ログイン資格情報を指定して Git クライアントにログインします。
Git パネル
Git クライアントはデフォルトの設定でインストールすることをお勧めします。その後、Dreamweaver によって、実行ファイルのパスが自動的に選択されます。
これで、Dreamweaver を起動し、サイトを Git リポジトリに関連付けることができます。
Dreamweaver では Git パネル(Windows/Git)を介して Git 操作がサポートされています。このパネルを使用して、コミット、プッシュ、プル、フェッチなどの一般的な Git 操作を行います。
このパネルは、お使いのコンピューターに Git クライアントがダウンロードされている場合のみ表示することができます。
A. コミット B. すべてのリモートを取得し、カウンターを更新します。 C. Git Pull D. Git Push E. リポジトリ履歴を表示します F. ファイル履歴を表示します G. タグを作成 H. Bash/Terminal コンソールを開く I. その他のアクション J. 検索 K. 差分 L. ファイルを元に戻す
Git とサイトの関連付け
Dreamweaver で Git の使用を開始するには、最初に Dreamweaver サイトを Git リポジトリに関連付ける必要があります。Git リポジトリは、ファイルの変更を追跡するために作成するフォルダーのようなものです。コンピューター上に作成できる Git リポジトリの数に制限はありません。システム上の各リポジトリは独立しています。つまり、1つの Git リポジトリに保存される変更が別の Git リポジトリの内容に影響を与えることはありません。
Web サイトをリポジトリに関連付けるには、リポジトリを作成するか、既存のリポジトリを複製します。リポジトリを初期化するか作成すると、現在の作業ディレクトリ内に空の Git リポジトリが作成され、.gitignore ファイルを含むフォルダーが作成されます。
ただし、既存の Git リポジトリを複製した場合は、親リポジトリのすべてのファイルがローカルシステムに複製されます。
詳しくは、Git リポジトリの初期化方法またはリポジトリの複製方法の説明を参照してください。
Git リポジトリの初期化
Dreamweaver で Git の使用を開始するときは、まずリポジトリを作成します。サイト用に新しい Git リポジトリを初期化すると、Dreamweaver サイトに関連付けられているファイルを追加できる新しい Git リポジトリが作成されます。
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Dreamweaver ユーザーは、新しいサイトを使用して作業を開始できます。また、既存のサイトを Git リポジトリと関連付けることもできます。いずれの場合でも、次の手順に従って、Git リポジトリを初期化します。
- 新しい Dreamweaver サイトを関連付けるには、サイト/新規サイトをクリックします。
- 既存の Dreamweaver サイトを関連付けるには、サイト/サイトの管理をクリックします。サイトの管理ダイアログボックスで、Git リポジトリに関連付けるサイトをダブルクリックします。
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新規サイトを作成する場合は、サイトの名前を指定します。
サイトに関連するファイルを含むフォルダーがある場合は、「ローカルサイトフォルダー」フィールドにそのフォルダーを指定します。
新しいサイトを既存の Git リポジトリに関連付けるには、ローカルサイトフォルダーが適切な Git リポジトリを指していることを確認します。
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「このサイトに Git リポジトリを関連付ける」チェックボックスをオンにします。次に、「Git リポジトリとして初期化」オプションを選択します。
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「保存」をクリックします。
ローカルフォルダーのファイルがファイルパネルに表示されるようになります(Git 表示)。これらのファイルは未追跡状態です。つまり、これらのファイルはまだ Git リポジトリにコミットされていません。
ファイルに対して作業を続け、後でファイルをコミットすることができます。それ以外の場合は、Git パネル (Windows/Git) を起動して、ファイルをリポジトリにコミットすることができます。Git にファイルをコミットする方法については、変更の追跡とコミットに関するセクションを参照してください。
既存のリポジトリの複製
Github、Bitbucket または他の一般的なホスティングサービスでホストされている既存の Git リポジトリを既に使用している場合は、次の手順で Dreamweaver 内でリポジトリを複製することができます。既存のリポジトリを複製すると、ターゲットリポジトリのコピーがローカルシステム内に作成されます。
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サイト/新規サイトをクリックします。
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サイト設定ダイアログボックスで、「このサイトに Git リポジトリを関連付ける」チェックボックスをオンにします。次に、「URL を使用して既存の Git リポジトリを複製」を選択します。
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複製するリポジトリの URL を入力します。
入力するターゲットリポジトリの https URL が有効であることを確認します。URL が有効かどうかをテストするには、このダイアログボックスの「テスト」をクリックします。URL が無効な場合、クローン時に、またはアクション(Git の Fetch または Pull など)の実行でエラーが発生します。
注意:現時点では、SSH キーとパスフレーズを使用する URL の複製は Dreamweaver ではサポートされていません。ユーザー名とパスワードのフィールドは無効です。
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入力した資格情報を保存するには、資格情報を保存チェックボックスをオンにします。この操作により、Git Push または Pull などのリモート操作を実行するたびに入力される資格情報が保存されます。
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「保存」をクリックします。
リポジトリを複製すると、元のリポジトリのローカルコピーが作成されます。Dreamweaver 内でローカルファイルを表示して編集することができます。
複製元のリポジトリのスナップショットが、右上隅の Git パネル/オリジンに表示されます。
Git を使用したバージョン管理
Dreamweaver サイトを Git リポジトリと関連付けたので、Git 内のファイルをファイルパネル(Git ビュー)に表示できるようになりました。Git では、ローカルリポジトリ内のファイルは次のように分類されます。
- 未追跡ファイル:Git リポジトリに一度もコミットしたことがないファイル。Git リポジトリを初期化した後、ファイルは、コミットするまで未追跡になります。
- 未変更ファイル:変更されていないファイル
- 変更されたファイル:編集されているファイル
- ステージされたファイル:変更され、コミットする準備ができているファイル
Git を使用して、ファイルに対する変更を追跡することができます。ローカルシステムのファイルを変更すると、変更されたファイルは、ファイルパネルに別の色で表示されます。ファイルをダブルクリックしてコードビューで開くと、変更された行にふち取りマークも表示されます。作業を続けた後、変更されたファイルを Git にコミットして、変更を同期できます。
ファイルをコミットするとき、Git では、コミットごとにログメッセージを入力することができ、差分機能を使用して変更を確認することができます。各ファイルとリポジトリ全体のバージョン履歴を表示することもできます。
Dreamweaver 内での編集の追跡と Git への変更のコミット方法についての説明を参照してください。
Git での編集の追跡
Dreamweaver のファイルパネルに、FTP ビューと Git ビューを切り替えるための Git アイコンがあります。Git ビューに切り替えるには、Git アイコンをクリックします。
Git リポジトリを初期化したが、ファイルをコミットしなかった場合、ファイルは未追跡状態のままです。ただし、リポジトリを初期化した後でファイルをコミットした場合、Git によってこうしたファイルが認識されます。
別のリポジトリのすべてのファイルを複製した場合、ファイルは、再度 Git によって認識されます。
ファイルを変更し、「保存」をクリックすると、変更されたファイルは、ファイルパネルに別の色で表示されます。変更そのものをコードビューに表示するには、変更されたファイルをダブルクリックします。
ふち取りマークによって、変更が行われた行が示されます。緑のふち取りマークは、追加された新しいコードを示します。黄色のふち取りマークは変更されたコードを示し、赤のふち取りマークは削除されたコード行を示します。
黄色のふち取りマークをクリックすると、コードの変更箇所が示されます。削除されたコード行は赤で表示され、新しく追加されたコードは緑色で表示されます。
削除されたコード行の左隅に R シンボルがあります。削除されたコードをファイルに追加し直すには、この R シンボルをクリックします。
ふち取りマークを使用して、変更を Git リポジトリにコミットする前に、差分を表示して変更を見直します。
変更されたファイルの差分の表示
Git パネルを開くと、変更されたファイルのリストが表示されます。このリストのファイルをクリックし、前回のコミット後にファイルに加えられた変更(差分)を確認することができます。ファイルの差分を表示するには、Git パネルで次のいずれかの操作を行います。
- ファイルレベルで編集内容を表示するには、各ファイルをクリックします。赤のハイライトは前のバージョンを示し、緑のハイライトは変更が行われたバージョンを示しています。
- 差分を表示するファイルを選択します。(差分アイコン)をクリックします。Git 差分ダイアログボックスが表示され、変更が赤と緑でハイライト表示されます。
変更のコミット
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Git パネルで、コミットするファイルを選択します(複数可)。
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(コミットアイコン)をクリックします。
「コミット」をクリックすると、Git コミットダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスには、変更されたファイルが表示されます。
ファイルのコミットに進む前に、各ファイルをクリックして変更を表示することができます。
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ファイルをコミットするには、メッセージボックスにコミットメッセージを入力し、「OK」をクリックします。
ファイルをコミットすると、Git パネルからファイルが消去されます。
変更を元に戻す
変更をコミットしたが、前のバージョンのファイルに戻す場合は、次の操作を行います。
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Git パネルで、元に戻すファイルを選択します(複数可)。
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Git パネルでサンドイッチアイコンをクリックし、「前回のコミット以降に行ったすべての変更を元に戻す」を選択します。
前のバージョンのファイルがローカルリポジトリに復元されます。ファイルパネルで復元されたファイルを確認できます。
注意:コミット後にファイルを元に戻すには、ファイルを少なくとも 2 回コミットしている必要があります。
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コミットする前に変更を元に戻すには、次の手順を実行します。
ファイルをコミットする前に最後にコミットしたバージョンのファイルを保持する場合:
- Git パネルで、保持するファイルをクリックし、更新アイコンをクリックします。
- 確認ダイアログボックスで、「OK」をクリックします。
選択したファイルが変更されたファイルのリストからクリアされ、ファイルの前のバージョンが復元されます。
タグの作成
Git に変更をコミットするときは、いつでもタグを作成することができます。タグを使用して、重要なコミットをマークできます例えば、クライアントによってリクエストされた主要な変更のチェックインがあります。タグは、特定のコミットに対するポインターとして機能します。
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タグを作成するには、Git パネルで、(タグ作成アイコン)をクリックします。
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タグを作成ダイアログボックスで、タグの名前を指定します。「OK」をクリックします。
作成したタグはコミットに関連付けられます。
コミットの実行後にタグを作成した場合、タグは自動的に最新のコミットに関連付けられます。
ファイルの履歴を見る
ファイルを Git にコミットするときは、毎回、ファイルの履歴とコミットの詳細を確認できます。この機能は、重要なコミットと、コミットに関連付けられているタグを識別するために役立ちます。
- Git パネルで、次のいずれかの操作を行います。
- 必要なファイルを選択し、(ファイル履歴を表示アイコン)をクリックします。
- ファイルパネルでファイルを右クリックし、「ファイル履歴」を選択します。
選択したファイルの Git ファイル履歴が表示されます。同じダイアログボックスで、このファイルに対するコミットの詳細を確認することもできます。
リポジトリ履歴の表示
Git でファイルの履歴を表示する以外に、リポジトリレベルで行った変更を表示することもできます。リポジトリレベルで行ったすべての変更とコミットを表示できます。リポジトリ履歴を表示するには、次の手順を実行します。
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Git パネルで、リポジトリ履歴を表示アイコンをクリックします。すべてのコミットの詳細を示す Git リポジトリ履歴が表示されます。
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コミットメッセージ、ファイルがコミットされた日時を表示できます。また、コミットに関連付けられたタグと、そのファイルをコミットしたユーザーの詳細情報を表示することもできます。
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通常、リポジトリ履歴は、コミットされたファイルのリストをリポジトリレベルで示します。各ファイルをクリックすることで、ファイルレベルの変更履歴を表示することができます。
Git を使用した共同作業
Git の非常に優れた特徴の 1 つが、ブランチです。大抵のバージョン管理システムとは異なり、Git のブランチは、関連するすべてのファイルまたはコードの独立した行と同一であると見なすことができます。デフォルトで、リポジトリには、「マスター」 という 1 つのブランチがあります。マスターブランチは、主要な、あるいは決定的なブランチです。マスターからブランチを作成して、各ブランチで編集することができます。
別のブランチからブランチを作成することもできます。この場合、親ブランチのコピーが作成されます。同じ Git リポジトリの両方のブランチで、個別に作業することができます。例えば、あるブランチでサイトの新しい機能に関する作業を行っているときに、別のブランチで変更要求に対応することができます。
Git では、現在のブランチをターゲットブランチにマージして、変更を統合することができます。2 つのブランチをマージしても、両方のブランチは独立して存在し続けるので、親ブランチとターゲットブランチで作業を続けることができます。
Dreamweaver では、開発者とデザイナーがサイトの作業を並行して行うときに、各ユーザーがマスターからブランチを作成して、別々に変更することができます。必要に応じて、加えた変更を別のブランチに簡単にマージし、両方のブランチでの作業を続行することができます。
Git でのブランチの作成と管理について詳しくは、以下の各セクションを参照してください。
Git でブランチを作成する
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ファイルパネルで、すべてのブランチを一覧表示するドロップダウンリストを選択します。
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「ブランチを管理」をクリックします。
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ブランチを管理ダイアログボックスで、左下隅にある + 記号をクリックします。
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ブランチを新規作成ダイアログボックスで、コピーの作成元となるオリジンブランチを選択します。
これが作成する最初のブランチである場合、オリジンブランチがマスターブランチになります。
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ブランチ名フィールドに、新しいブランチの名前を指定します。
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「OK」をクリックします。
ブランチのマージ
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ファイルパネルで、すべてのブランチを一覧表示するドロップダウンリストを選択します。
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「ブランチを管理」をクリックします。ブランチを管理ダイアログボックスで、マージするブランチを選択します。
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ダイアログボックスの下部にある (ブランチを結合アイコン)をクリックします。
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ブランチをマージダイアログボックスで、ターゲットブランチを選択します。このブランチが、ブランチのマージに使用するターゲットリポジトリになります。
必要に応じて、このマージに関連付けるメッセージを指定します。
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ブランチをターゲットにマージするには、「OK」をクリックします。
あるコミットされたファイルの変更が別のブランチの変更と競合する場合、マージプロセスは一時停止します。競合メッセージが、競合を引き起こしているファイルとともに表示されます。
Git パネルには、競合のあるファイルも表示されます。競合がないことを示すアイコンもあります。
マージを進めるには、まず、競合を解決する必要があります。「リベース」オプションを使用することもできますが、「早送り」オプションを使用せずにマージを続行することもできます。
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マージの競合が発生した場合は、次のいずれかのオプションを選択します。
- リベースを使用:このリベースオプションを選択すると、ターゲットブランチ内の競合に対して現在の変更が適用されます。リベースを選択して「OK」をクリックした後、Git パネルを開くと、まだコミットしていないファイルが表示されます。この後、リベースをキャンセルするか再開することができます。リベースをキャンセルすると、リベース操作が停止し、ターゲットブランチに変更は適用されません。リベートを再開すると、ターゲットブランチ内の競合に対する変更はスキップされます。
- マージが早送りとして解決された場合でもマージコミットを作成する:ブランチとターゲットブランチの間に競合が見られる場合でも、コミットをマージすることができます。この場合は、マージする変更によって、ターゲットブランチ内の変更が強制的に上書きされます。
Git でのリベースについて詳しくは、Git のリベース(英語)を参照してください。
リモートリポジトリの操作
Git のリモートリポジトリは、別のネットワークでホストされているプロジェクトのバージョンです。リポジトリとの接続を作成することによって、リモートリポジトリにアクセスできます。リモートリポジトリに指定されているアクセス権限に応じて、そのリポジトリに対して読み取り専用アクセスまたは書き込みアクセスを行うことができます。
グループでの作業中、リモートリポジトリを使用して、他のレポジトリとの間でデータのプッシュとプルを行うことができます。Dreamweaver の Git パネルで、リモート接続を作成し、Fetch、Git Push、Git Pull、Remote Refresh などの様々な Git 操作を行うことができます。
リモートリポジトリの作成および管理方法については、以下の手順を参照してください。
リモートリポジトリの追加
リモートリポジトリを追加して、ファイルや作業の進行状況を共有し、別のネットワークでホストされているプロジェクトファイルにアクセスすることができます。リモートリポジトリを追加すると、ターゲットリポジトリとのリモート接続が確立します。Dreamweaver では、Git パネルでリモートリポジトリを作成することができます。
リモートリポジトリを追加する前に、他のリポジトリで公開設定が有効になっていることを確認します。
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Git パネルで、「リモートを作成」をクリックします。
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リモートリポジトリの名前を指定します。
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リモートリポジトリの URL と資格情報を入力します。
リモートリポジトリの追加時に有効な URL を入力したことを確認するには、URL の入力後に「テスト」をクリックします。「テスト」をクリックすると、URL の有効性がテストされます。
このテストは、資格情報を検証するためのものではありません。
警告:有効な URL または資格情報を入力しなかった場合、Git Pull、Git Push、Fetch などを実行したときにエラーが発生します。
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「OK」をクリックします。
リモートリポジトリを追加すると、Git パネルの上部にあるドロップダウンリストにリポジトリが表示されます。Git Push、Git Pull、Fetch remote およびカウンターの更新を実行するためのアイコンも表示できます。
リモートリポジトリの管理
リモートリポジトリを追加し、接続を確立したら、リモートリポジトリからファイルをフェッチし、ローカルリポジトリにプルすることができます。リモートリポジトリにファイルをプッシュすることもできます。ただし、Git Push アクションを初めて実行する前に、リモートリポジトリからファイルをフェッチしておく必要があります。
ファイルをプッシュする前に、ローカルリポジトリ内のすべてのファイルをコミットしておく必要があります。ローカルリポジトリにステージされたファイルがある場合、Git Push は成立しません。
Dreamweaver 内で以下の Git 操作を実行することができます。
すべてフェッチ
すべてのリモート接続からすべてのファイルを取得するには、 をクリックします。Git Push または Git Pull を実行する前に Git Fetch を実行することをお勧めします。この操作はリモートからファイルをフェッチするだけであり、ローカルリポジトリを変更することはありません。
リモートリポジトリからのファイルのプル
1 つのリポジトリまたはリポジトリグループから変更をプルすることができます。Git Pull アイコンをクリックすると、Git Pull ダイアログボックスと様々なオプションが表示されます。
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Git パネルで、変更されたファイルをリモートリポジトリからプルし、変更をローカルリポジトリにマージするには、(Git Pull アイコン)をクリックします。
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Git Pull ダイアログボックスで、追跡するブランチを選択し、変更をプルするブランチ(現在のブランチまたは別のブランチ)を指定した後、プル設定を指定します。
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初期設定では、既定のマージが選択されています。この場合、リモートリポジトリのファイルがローカルリポジトリにプルされ、変更がローカルリポジトリにマージされます。
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次のいずれかのオプションも選択できます。
- 手動マージを回避:ファイルの手動マージを無効にするには、このオプションを選択します。
- コミットなしでマージ:ステージされたファイルをコミットせずにリモートリポジトリへのマージを進めるには、このオプションを選択します。
- リベースを使用:リベースを実行するには、このオプションを選択します。リベースを使用すると、現在のブランチの変更が取得され、ファイルのプル元であるブランチの履歴に適用されます。ブランチの最後にコミットされた履歴が書き換えられます。ファイルは、ファイルのプル元であるターゲットブランチのバージョンと一致するようになりました。リベースはブランチの明確な Git 履歴を作成しますが、「リベースを使用」オプションは慎重に選択する必要があります。
- ソフトリセットを使用:リセットまたはソフトリベースを実行するには、このオプションを選択します。「ソフトリセットを使用」オプションは、リモートリポジトリから初めてファイルをプルする場合に選択することができます。この場合、リモートリポジトリは、ローカルリポジトリがすべての変更を受信する受信元の親リポジトリとして機能します。ただし、ローカルリポジトリの変更は保持されます。ローカルリポジトリに存在してもリモートリポジトリにないファイルは、Git によって認識されません。これらのファイルは、ソフトリセットの実行後に、削除されたファイルとして表示されます。これらのファイルをローカルリポジトリに保持することを選択した場合、リモートリポジトリの変更は失われます。
警告:ソフトリセットを進めた場合、認識されないファイルは削除されます。
リモートリポジトリへのファイルのプッシュ
リモートリポジトリに接続した後、ファイルを変更してコミットすると、変更が Git によって記録されます。Git パネルの Git Push アイコン をクリックすると、変更されているファイルの数がすぐに表示されます。これらのファイルを、リモートリポジトリにプッシュすることができます。
Git Push を実行すると、ローカルリポジトリに対して実行したコミットが、リモートリポジトリにプッシュされます。
Dreamweaver 内からファイルをプッシュするには:
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Git パネルで、Git Push アイコンをクリックします。
Git Push ダイアログボックスが表示されます。指定した現在の追跡ブランチまたは別のブランチにコミットをプッシュすることができます。
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このダイアログボックスで、プッシュ設定を指定することもできます。初期設定では、「既定のプッシュ」オプションが選択されています。
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次のオプションを選択することもできます。
- 強制プッシュ:潜在的な競合に関係なく、変更をリモートリポジトリに強制的にプッシュする場合に選択します。
- リモートブランチを削除:既存のリモートブランチを削除し、ローカルファイルをリモートリポジトリにプッシュする場合に選択します。
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必要に応じて、タグを送信チェックボックスをオンにして、タグをリモートリポジトリにプッシュします。
-
「OK」をクリックします。
ローカルコミットとリモートリポジトリに対して行われたコミット間に競合がある場合は、競合を解決しておくことをお勧めします。その後で、変更をプッシュすることができます。
このためには、最初にリモートリポジトリから変更をプルし、競合を解決した後、競合なしでファイルをプッシュする必要があります。
Git パネルでのファイルの検索
Git パネルの検索バーでは、ファイル名でファイルを検索することができます。この機能は、サイトに関連付けられたファイルの数が多い場合に特に便利です。
ファイルを検索するには、検索バーに目的のファイル名を入力します。検索クエリーを含むファイルがすぐに表示されます。
無視リストへのファイルの追加
Git でファイルが操作されないようにする場合は、.gitignore にファイルを追加することができます。Git でコミット、プッシュ、プルなどの操作が実行されるときに、このフォルダー内のファイルは常に無視されます。リポジトリを複製している他のユーザーも .gitignore フォルダー内のファイルを認識できるように、.gitignore ファイルをリポジトリにコミットする必要があります。
.gitignore にファイルを追加するには、Dreamweaver のファイルパネルに移動します。Git で無視するファイルを選択して右クリックし、Git/.gitignore に追加を選択します。
任意の時点で .gitignore からファイルを削除するには、ファイルパネルでファイルを選択します。右クリックし、Git/.gitignore から削除を選択します。
.gitignore ファイルを変更した場合は、変更後に必ずローカルとリモートのリポジトリにファイルをコミットしてください。
コマンドラインを使用した Git へのアクセス
この記事の前のセクションでは、Git パネル(UI)を使用してサイトへの Git リポジトリの関連付け、リモート接続の作成と管理、ファイルのリポジトリへのプッシュ、ファイルのリポジトリからのプルなどのタスクを実行する方法を説明しました。git コマンドを使用して行える操作はこれだけではありません。
ターミナルを使用して Git 操作を実行するには、次のいずれかの操作を行います。
- ウィンドウ/Git をクリックし、Bash/Terminal コンソールを開くアイコンをクリックします。
- ファイルパネルで、Git ビューに切り替えます。リポジトリドロップダウンリストの横にある Git ターミナルを開くアイコンをクリックします。
一般的な git コマンドを表示するには、Git クイック操作ガイド(英語)を参照してください。
git stash、プッシュ後のコミットの結合などの一部の操作は、現在、コマンドラインからのみ実行できます。
コマンドラインからの Git リポジトリの初期化などの特定の操作を実行した場合、これらの操作も Dreamweaver インターフェイスに反映されます。
ただし、Dreamweaver アプリケーションを閉じたときに、コマンドラインを使用してファイルを変更することもできます。この場合、次の状況で Dreamweaver を起動すると、次のメッセージが表示されます。
Dreamweaver での Git 環境設定の指定
Dreamweaver の Git 環境設定を使用して、Dreamweaver で Git を使用するためのいくつかの設定を定義することができます。環境設定ダイアログボックスを使用して、ターミナルへのパスやタイムアウト設定などの Git 環境設定を指定することができます。
-
編集/環境設定を選択します。
-
環境設定ダイアログボックスで、「Git」を選択します。
-
Git環境設定ダイアログボックスで、次のオプションを設定します。
- Git 実行ファイルへのパス:Git クライアントの .exe ファイル。実行ファイルが別の場所に保存されている場合は、Git の .exe ファイルを保存した場所を参照します。
- 既定の Git 操作のタイムアウト:リモート Git 操作のタイムアウトを秒単位で指定します。
- 端末へのパス:Git ターミナルで開いて使用する実行ファイルのフルパスです。
- コマンドライン引数:Git コマンドのコマンドライン引数があれば、それを指定します。
-
「適用」をクリックして設定を保存します。
更新した環境設定を有効にするには、Dreamweaver を再起動します。