Camera Raw 画像ファイル

デジタル撮影では、カメラのイメージセンサーがとらえた写真が画像ファイルに保存されます。通常、画像ファイルはカメラのメモリカードに格納される前に処理され、圧縮されます。しかし、カメラでは写真を処理や圧縮なしの Raw ファイルとして保存することもできます。Camera Raw ファイルを写真のネガと考えてください。Photoshop Elements で Raw ファイルを開いて処理し、保存できるので、カメラでのファイル処理に頼る必要がありません。Camera Raw ファイルで作業を行うことで、ホワイトバランス、色調範囲、コントラスト、カラーの彩度およびシャープさを適切な値に設定できます。

Raw ファイルを使用するには、カメラのファイル保存形式を Raw 形式に設定します。カメラからファイルをダウンロードするとき、ファイルには NEF、CR2、CRW、または他のファイル形式のファイル名拡張子が付いています。Photoshop Elements では、サポート対象カメラの Raw ファイルのみを開くことができます。

Photoshop Elements では、元の Raw ファイルには変更を保存しません(オリジナルを破壊しない編集)。Camera Raw ダイアログボックスの機能を使用して Raw 画像ファイルを処理した後、処理した Raw ファイルを Photoshop Elements で開くことができます。次に、ファイルを編集し、Photoshop Elements でサポートされる形式で保存することができます。元の Raw ファイルは、まったく変更されません。

プロセスバージョン

プロセスバージョンとは、Raw ファイル形式を解読する方法の 1 つです。初期設定で使用するバージョンはプロセスバージョン 2012 です。Raw ファイル形式解読のこの方法は、Raw ファイル形式の最新かつ向上した機能を利用する各種方法を提供します。Photoshop Elements には、3 つのプロセスバージョンがあります(1 つは現バージョン、2 つは従来のバージョン)。各バージョンは次のとおりです。

  • プロセスバージョン 2012(初期設定、Adobe Photoshop Elements 11 以降で使用)
  • プロセスバージョン 2010(Adobe Photoshop Elements 10 で使用)
  • プロセスバージョン 2003(Adobe Photoshop Elements 9 以前で使用)

Raw 画像に適用されるプロセスバージョンは?

Photoshop Elements の以前のエディションで開いたことのない Raw ファイルを開くと、初期設定のプロセスバージョン 2012 が使用されます。ただし、Raw ファイルを以前のバージョンの Photoshop Elements で開くと、古いプロセスバージョンが使用されます。

Raw 画像に適用されるプロセスバージョンを確認するには、Camera Raw 9.1 ダイアログボックスで、「カメラキャリブレーション」タブをクリックします。「プロセス」フィールドに、使用されている現在のプロセスバージョンが表示されます。

注意:プロセスバージョン 2012 を使用していない場合は、古いバージョンを使用していることを示すアイコンが Raw 画像の下に表示されます。

プロセスバージョンの切り替えは可能か?

はい。Camera Raw 9.1 ダイアログボックスで、「カメラキャリブレーション」タブをクリックし、プロセスドロップダウンリストから使用するプロセスバージョンを選択します。

最適なバージョンは?

プロセスバージョン 2012 では、Raw 形式の最新の機能拡張を利用することができます。ただし、以前のエディションの Photoshop Elements で開いた多数の Raw 画像がある(したがって、古いプロセスバージョンを使用している)場合は、新しい Raw 画像に古いプロセスバージョンを適用することができます。これにより、以前の画像と現在の画像を処理中の一貫性が維持され、古いワークフローを維持しやすくなります。

プロセスバージョン間の違いとは?

  • 「基本」タブプロセスバージョン 2012 では、白とび軽減、補助光、および明度のスライダーは、ハイライト、シャドウ、白色系のスライダーに置き換わりました。
  • 「ディテール」タブ
    • プロセスバージョン 2012 では、カラーのディテールスライダーが導入されました。このスライダーは、カラースライダーが変更されるまでは無効です。
    • プロセスバージョン 2012 では、輝度のディテールと輝度のコントラストが追加されました。これらのスライダーは、輝度が変更されるまでは無効です。

注意:古いプロセスバージョンに切り替えると、最新のプロセスバージョンに対応する新しいスライダーは無効になります。

Camera Raw ダイアログボックス
Camera Raw ダイアログボックス

A. 表示オプション B. 「基本補正」と「ディテール」のタブをクリックしてコントロールを切り替え C. RGB 値 D. ヒストグラム E. 画像の設定 F. 詳細メニュー G. ツール H. ズームレベル I. ビット数オプション 

Camera Raw 画像ファイルを開いて処理

  1. 編集ワークスペースで、ファイル/開くを選択します。
  2. ファイルを参照して 1 つ以上の Camera Raw ファイルを選択し、「開く」をクリックします。

    Camera Raw ダイアログボックス内のヒストグラムは、画像の現在の設定での色調範囲を示します。設定の調整を行うと、ヒストグラムが自動的に更新されます。

  3. (オプション)ズームツールなどのコントロールや、シャドウクリッピングやハイライトクリッピングなどの、プレビュー上でクリッピング領域を確認できるオプションを使用して、画像表示を調整します(Camera Raw のコントロールを参照してください)。

    注意:

    「プレビュー」を選択すると、変更した設定で画像のプレビューが表示されます。「プレビュー」の選択を解除すると、非表示のタブの設定と組み合わされて、現在のタブの変更前の設定での Camera Raw 画像が表示されます。

  4. 画像を反時計回りに 90°または時計回りに 90°回転させるには、画像を回転ボタン をクリックします。
  5. 以前の Camera Raw 画像で使用した設定、またはカメラの初期設定を適用するには、設定メニューからオプションを選択します(設定/前回と同じ設定)。類似した撮影効果の画像をすばやく処理する場合などには、同じオプションを使用すると便利です(カメラのカスタム設定を参照してください)。

  6. (オプション)オプションを設定して、ホワイトバランスを調整します(Camera Raw 用のホワイトバランスコントロールを参照してください)。

    注意:

    Camera Raw ダイアログボックスで調整しながら、画像内のピクセルの RGB 値をモニターできます。ズームツール、手のひらツール、ホワイトバランスツール、切り抜きツールをプレビュー画像の上に置くと、ポインターの下の RGB 値が表示されます。

  7. 露光量、明るさ、コントラスト、および彩度を調整する各スライダーを使用して色調の調整を行います(Camera Raw ファイルの色調補正と画像修正を参照してください)。

    手動の調整を元に戻し、自動的に調整を行うには、「自動補正」を選択します。すべてのオプションを初期設定に戻すには、Alt キー(Mac OS の場合は Option キー)を押しながら「初期化」をクリックします。

  8. 次のいずれかの操作を行います。
    • Photoshop Elements で Camera Raw 画像ファイル(Camera Raw 設定が適用されたもの)のコピーを開くには、「画像を開く」をクリックします。Photoshop Elements で画像を編集し、Photoshop Elements がサポートする各種の形式で保存できます。元の Camera Raw ファイルは、まったく変更されません。
    • 調整をキャンセルし、ダイアログボックスを閉じるには、「キャンセル」をクリックします。

    注意:

    Digital Negative(DNG)形式は、Camera Raw ファイル向けに Adobe が提案する標準形式です。DNG ファイルには、カメラセンサーの生データと画像の外観を指定するデータが含まれているので、Camera Raw 画像を保管するときに便利です。Camera Raw 画像の設定は、サイドカー XMP ファイルや Camera Raw データベースの代わりに、DNG ファイルに保存することもできます。

Camera Raw ファイルのシャープさの調整

シャープスライダーを使用すると、画像のシャープさを調整して、意図したとおりの鮮明なエッジを得ることができます。シャープ調整は、Adobe Photoshop アンシャープマスクフィルターのバリエーションです。この調整では、指定した基準に基づいて周囲のピクセルと異なるピクセルを検索し、そのピクセルのコントラストを指定した量だけ増やします。Camera Raw ファイルを開くと、Camera Raw プラグインで、カメラモデル、ISO、露光量補正を基にして使用するしきい値が計算されます。シャープをすべての画像に適用するか、またはプレビューだけに適用するかを選択できます。

  1. プレビュー画像に 100 %でズームします。
  2. 「ディテール」タブをクリックします。
  3. シャープスライダーを右に移動するとシャープが増加し、左に移動すると減少します。値を 0 にすると、シャープ調整がオフになります。一般に、ノイズの少ない画像の場合、シャープスライダーは低めの値に設定します。

    注意:

    Photoshop Elements で画像を詳細に編集しない場合は、Camera Raw のシャープスライダーを使用します。Photoshop Elements で画像を詳細に編集する場合は、Camera Raw のシャープ調整をオフにします。そして、他の編集やサイズ変更の作業をすべて完了した後、最後の手順として Photoshop Elements のシャープフィルターを使用します。

Camera Raw 画像のノイズの軽減

Camera Raw ダイアログボックスの「ディテール」タブには、画像のノイズや画質を劣化させる斑点を軽減するためのコントロールがあります。画像のノイズには、画像の粒子を粗く見せる輝度(グレースケール)ノイズと、通常は画像内にカラーの斑点として表示される彩度(カラー)ノイズがあります。高めの ISO 感度またはあまり精巧ではないデジタルカメラで撮影した写真には、かなりのノイズが入ることがあります。

輝度スライダーを右に移動するとグレースケールノイズが低減し、カラースライダーを右に動かすと彩度ノイズが低減します。

「輝度をスムーズに」または「偽色の低減」を調整する場合は、画像を 100 %でプレビューするとその効果がよくわかります。

Camera Raw 画像のノイズの軽減
輝度をスムーズにスライダーを右に移動するとグレースケールノイズが低減します。

Camera Raw 画像への変更の保存

Camera Raw ファイルへの変更を保存できます。Camera Raw ダイアログボックスでは、変更した Camera Raw 画像を .dng ファイルに保存します。ファイルを保存しても、Photoshop Elements で自動的に開きません(Camera Raw ファイルを開くには、「開く」コマンドを使用します。その後、ファイルを編集し、他の画像と同じようにファイルを保存できます)。

  1. Camera Raw ダイアログボックスで、1 つ以上の Camera Raw 画像に調整を適用します。
  2. 画像を保存」ボタンをクリックします。

  3. 複数のファイルを保存する場合は、保存オプションダイアログボックスで、ファイルの保存場所と命名方法を指定します。

    その他のオプション:

    • 高速読み込みデータを埋め込み:DNG ファイルに Raw 画像のかなり小さなコピーを埋め込み、Raw 画像プレビューのスピードを上げます。
    • 非可逆圧縮を使用:DNG ファイルのサイズを小さくして、画質の低下を招きます。アーカイブする目的で保存する Raw 画像に対してのみ使用することをお勧めします。プリントや制作(その他の使用)には使用しないでください。
    • 元の Raw ファイルを埋め込み:DNG ファイルに元の Camera Raw 画像データをすべて保存します。
  4. 保存」をクリックします。

編集ワークスペースで Camera Raw 画像を開く

Camera Raw ダイアログボックスで Camera Raw 画像を処理すると、編集ワークスペースでその画像を開いて編集することができます。

  1. Camera Raw ダイアログボックスで、1 つ以上の Camera Raw 画像に調整を適用します。
  2. 「画像を開く」ボタンをクリックします。Camera Raw ダイアログボックスが閉じて、編集ワークスペースで写真が開きます。

設定とコントロール

Camera Raw のコントロール

ズームツール

プレビュー画像のどこかをクリックすると、既定のプレビュー倍率が 1 レベル大きくなります。Alt キー(Mac OS の場合は Option キー)を押しながらクリックするとズームアウトします。プレビュー画像でズームツールをドラッグすると、選択範囲にズームインします。ズーム倍率を 100 %に戻すには、ズームツールをダブルクリックします。

手のひらツール

プレビューウィンドウに画像全体が表示されていない場合に、プレビューウィンドウ内の画像を移動します。別のツールから手のひらツールに切り替えるには、スペースバーを押します。手のひらツールをダブルクリックすると、ウィンドウに合わせてプレビュー画像を調整できます。

ホワイトバランスツール

クリックした領域を中間調のグレーに設定して、不適切な色合いを取り除き、画像全体のカラーを調整します。「色温度」と「色かぶり補正」の値は、カラー調整に伴い変化します。

切り抜きツール

画像の一部を切り抜きます。このツールを使用して、プレビュー画像で残しておきたい部分をドラッグして選択し、Enter キーを押します。

角度補正ツール

角度補正ツールを使用すると、画像を垂直または水平方向に整列し直すことができます。また、角度補正を適用した画像に合わせて、カンバスの切り抜きやサイズ変更を行うこともできます。

赤目修正

フラッシュにより赤く写った人の目や、白または緑に写った動物の目を修正します。

環境設定ダイアログを開く

Camera Raw の環境設定ダイアログを開きます。

回転ボタン

写真を反時計回りまたは時計回りに回転します。

カメラのカスタム設定

Photoshop Elements では、Camera Raw ファイルを開くと、ファイルを作成したカメラのモデルを確認するためにファイル内の情報を読み取り、画像に適切なカメラ設定を適用します。いつも同じような調整を行うのであれば、自分のカメラ用に初期設定を変更することができます。また、カメラの各モデル用の設定を変更することができますが、同じモデルの複数のカメラに対して個別の設定を保持することはできません。

  • 画像を作成したカメラの初期設定として現在の設定を保存するには、 アイコンをクリックし、「新規 Camera Raw 初期設定にする」を選択します。
  • カメラの Photoshop Elements 初期設定を使用するには、 アイコンをクリックし、「Camera Raw 初期設定に戻す」を選択します。
  • 前の設定を消去するには、 アイコンをクリックし、「読み込んだ設定を消去」を選択します。

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