通常、クリップ全体をムービーで使用することはほとんどなく、インポイントとアウトポイントを設定して、実際にどのフレームを使用したいのか定義するのが一般的です。インポイントは使用するクリップの最初のフレームで、アウトポイントは使用するクリップの最後のフレームです。
インポイントとアウトポイントを設定しても、ムービーに使用したい部分を区別しているだけで、指定した部分以外のフレームがハードディスクから削除されるわけではありません。インポイントとアウトポイントは、インポイントとアウトポイントで指定された範囲内のフレームだけを表示する窓枠のように機能します。必要に応じてインポイントとアウトポイントを移動させて、トリミングされたフレームを元に戻すことができます。
A. インポイント B. トリミングされたフレーム C. アウトポイント
フレームのトリミングは、クリップの一方の端から行います。クリップの中間からフレームをトリミングするには、まずクリップを分割します(元のクリップが 2 分割されます)。次に、最初のクリップの最後または 2 番目のクリップの先頭から、不要なフレームをトリミングします。
クリップは、プレビューウィンドウ、モニターパネル、クイックビュータイムラインまたはエキスパートビュータイムラインでトリミングできます。ソースクリップ(クイックビュータイムラインまたはエキスパートビュータイムラインにまだ配置されていないクリップ)からフレームを復元するには、プレビューウィンドウを使用します。クイックビュータイムラインまたはエキスパートビュータイムラインのクリップからフレームを復元できます。
ビデオファイルの不要な部分を取り除いて、洗練された高品質なビデオファイルを作成できます。Adobe Premiere Elements 13 では、ビデオファイルのピンぼけや手ぶれなど、品質の低い不要な部分を効率的に処理できます。ビデオファイルをすばやく簡単に編集および微調整することができます。
スマートトリミングにより、ビデオファイルの低品質な部分をトリミングできます。スマートトリミングはマニュアルでも自動でも実行できます。クイックビュータイムラインまたはエキスパートビュータイムラインからクリップをトリミングできます。
スマートトリミングには、マニュアルと自動の 2 つのモードがあります。マニュアルスマートトリミングが初期設定のモードです。このモードでは、トリミングの対象範囲を決定するオプションを指定できます。自動 SmartTrim モードでは、Premiere Elements によってトリミング対象範囲が自動的に決定されます。トリミング対象範囲を削除するか保持するかを選択できます。
マニュアル SmartTrim モードの場合は、モニターパネルの上部に「SmartTrim モード:ハイライトされた範囲をトリミングまたは削除します」というメッセージが表示されます。また、「SmartTrim オプション」ボタンも表示されます。
(オプション)上部にある「SmartTrim オプション」ボタンをクリックします。SmartTrim オプションダイアログで、スライダーを使用して「品質レベル」オプションを指定します。ここで設定した値により、トリミングの対象範囲が決まります。ここでオプションを設定しなかった場合は、初期設定が使用されます。
Premiere Elements により、クリップが分析され、トリミングが必要なクリップの範囲がハイライト表示されます。ハイライト表示される範囲は、「品質レベル」オプションに設定した値によって決まります。トリミングの対象範囲は、ストライプパターンでハイライト表示されます。
(オプション)クリップの SmartTrim 対象範囲にカーソルを合わせて、Adobe Premiere Elements がトリミング範囲に適用した低品質タグを表示します。
1 つのクリップのすべてのトリミング対象範囲を選択するには、エキスパートビュータイムラインでクリップをダブルクリックします。
複数のクリップのすべてのトリミング対象範囲を選択するには、エキスパートビュータイムラインで、選択したクリップを囲むようにドラッグします。Ctrl キーを押しながらトリミング対象範囲をクリックして、「すべてを選択」を選択します。
クイックビュータイムラインまたはエキスパートビュータイムラインの複数のクリップでトリミング対象範囲をすべて選択するには、Ctrl + A キーを押します。任意のセクションを Ctrl キーを押しながらクリックして、「すべて選択」をクリックします。
選択されたトリミング対象範囲がハイライト表示されます。トリミング対象範囲を選択すると、すべてのトリミング対象範囲が青のストライプの領域に変わります。
注意:複数のクリップから特定のトリミング対象範囲を選択するには、まずクリップを選択してから、トリミング対象範囲を選択します。
control キーを押しながらトリミング対象範囲(青のストライプの領域)をクリックします。次のオプションが表示されます。
トリミング
選択しているトリミング対象範囲をトリミングします。
保持
選択しているトリミング対象範囲を保持します。
すべてを選択
選択している項目に含まれるすべてのトリミング対象範囲を選択します。
SmartTrim オプション
SmartTrim のオプションが表示されます。
(オプション)トリミング操作を取り消すには、エキスパートビュータイムラインでクリップを Ctrl キーを押しながらクリックして、「SmartTrim を取り消し」を選択します。
SmartTrim モードを終了するには、「完了」ボタンをクリックします。
(オプション)スライダーを使用して「品質レベル」オプションを指定します。ここで設定した値により、トリミングの対象範囲が決まります。オプションを設定しなかった場合は、初期設定が使用されます。
Premiere Elements により、クリップが分析され、トリミングが必要なクリップの範囲がハイライト表示されます。自動 SmartTrim 確認ダイアログが表示されます。
クリップが選択されていない場合、クリップの SmartTrim 対象範囲がストライプのパターンでハイライト表示されます。
スマートトリミングでは、クリップをトリミングする条件として、明るさ、ブラー、揺れ、コントラストなどの品質に関する要素と、顔、動き、会話などの要素が使用されます。クリップをトリミングする前に、品質レベルを設定できます。
品質レベル
Premiere Elements がトリミング対象範囲を決定するのに使用する品質レベルを指定します。品質に関する要素には、ブラー、揺れ、明るさ、フォーカス、コントラストが含まれます。スライダーを右端へ移動すると、低品質の範囲がすべてトリミング対象範囲としてハイライト表示されされます。スライダーを左に移動するに従って、トリミング対象範囲が減少します。スライダーを左端へ移動すると、低品質の範囲だけがトリミング対象範囲としてハイライト表示されます。
SmartTrim オプションにアクセスするには、SmartTrim を有効にして、次のいずれかの操作を行います。
クイックビュータイムラインではクリップを直接トリミングできます。
トリムインアイコンはクリップの先頭をトリミングします。
トリムアウトアイコンはクリップの最後をトリミングします。
ムービーの先頭と最後の素材を保持し、中間の素材を削除できます。不要な範囲の直前でクリップを分割し、2 つのクリップを作成します。次に、2 番目のクリップの先頭から不要な素材をトリミングします。
クイックビュータイムラインで、元のクリップが 2 つのクリップに分割されます。
2 番目のクリップの先頭(または、最初のクリップを編集した場合は、最初のクリップの最後)から不要な素材が削除され、最初と 2 番目のクリップの間隔が自動的に詰められます。
クイックビュータイムラインの間隔を Ctrl キーを押しながらクリックし、「削除し間隔を詰める」をクリックします。
クリップの開始点と終了点が、モニターパネルのプレビューウィンドウに表示されます。
クリップの先頭のフレームを復元するには、インポイントハンドルを左にドラッグします(先頭のクリップを除く)。
クリップの最後のフレームを復元するには、アウトポイントハンドルを右にドラッグします。
エキスパートビュータイムラインでクリップの端をドラッグすると、クリップの端からフレームをトリミングしたり、トリミングしたフレームを再び使用することができます。インポイントまたはアウトポイントをドラッグすると、変更位置のフレームがモニターパネルに表示され、必要なフレームの位置を確認できます。トリミングしている端のとなりに別のクリップがある場合、モニターパネルには両方のクリップのフレームが横に並んで表示されます。
左側のフレーム(アウトポイント)のほうが先で、右側のフレーム(インポイント)のほうが後になります。クリップの端をドラッグすると、エキスパートビュータイムラインで後ろに続くクリップおよび空白のブロックはドラッグした分だけ移動します。
フレームのトリミング中は、トリミングしているフレーム数がツールヒントに表示されます。クリップの端をムービーの先頭に向かってドラッグすると、このウィンドウには負の値が表示されます。
ムービーの最後に向かってドラッグすると、正の値が表示されます。クリップがトリミングされているかどうかは、エキスパートビュータイムラインのクリップの上端に小さなグレーの三角形が表示されているかどうかで見分けることができます。この三角形は、その端がトリミングされていないことを意味します。
リンククリップ(サウンドトラックの含まれたビデオ)の場合、クリップの一方の端をドラッグすると、両方のトラックのクリップのインポイントまたはアウトポイントが変更されます。スプリット編集(L カット編集または J カット編集とも呼ばれます)を行うために、リンククリップを個別にトリミングしたい場合は、Alt キーを押しながらトリミングすると、ビデオとオーディオのインポイントおよびアウトポイントを別々に設定できます。
トリムインアイコン はクリップの先頭をトリミングします。
トリムアウトアイコン はクリップの最後をトリミングします。
クリップのインポイントは、となりに位置するクリップの左端より左にドラッグすることはできません。
ムービーの先頭または最後の映像を保持し、中間から映像を削除できます。不要な部分の前でクリップを分割し、2 番目のクリップの先頭から不要な部分をトリミングします。
フレームがモニターパネルに表示されます。
選択した位置でクリップが分割されます。
クリップを左に開き、新しいアウトポイントを設定して次の操作を行っても、同様に編集できます。
エキスパートビュータイムラインの間隔を Ctrl キーを押しながらクリックし、「削除し間隔を詰める」をクリックします。
トリムインアイコン はクリップの先頭からフレームを復元します。
トリムアウトアイコン はクリップの最後からフレームを復元します。
リンククリップのビデオまたはオーディオだけのインポイントまたはアウトポイントを変更するには、Alt キーを押しながらドラッグします。ドラッグを始めたら、Alt キーを押し続ける必要はありません。
オーディオをビデオよりも先に開始したり、ビデオが次のクリップに入った後もオーディオを継続して再生させることができます(逆の場合もあります)。リンクされているオーディオとビデオを個別にトリミングする操作は、スプリット編集と呼ばれます。通常、1 つのクリップでスプリット編集を作成する場合は、お互いが重ならないように、隣接するクリップに作成する必要があります。
次の 2 種類のスプリット編集を行うことができます。
J カット編集(オーディオリード)の場合、リンクされているビデオよりも先にオーディオが開始されるか、またはオーディオの後にビデオが継続されます。
L カット編集(ビデオリード)の場合、リンクされているオーディオよりも先にビデオが開始されるか、またはビデオの後にオーディオが継続されます。
クリップの先頭をトリミングする場合は、トリムインアイコン (ドラッグを開始したら Alt キーを放してかまいません)。ビデオクリップは前のクリップに揃えられたままになります。
クリップの最後をトリミングする場合は、トリムアウトアイコン (ドラッグを開始したら Alt キーを放してかまいません)。トラック内の後ろに続くクリップは左へ移動します。
ヒント:Alt キーを押しながらクリップをドラッグすると、クリップのリンクは一時的に解除されます。2 つのクリップを一緒に移動または編集するには、もう一度クリップを選択します。
クリップをプレビューし、新しいインポイントとアウトポイントを設定してから、エキスパートビュータイムラインまたはクイックビュータイムラインにクリップを追加できます。例えば、プレビューして画質を確認したり、不要な部分をトリミングしてからクリップを配置することができます。クリップのプレビューとトリミングは、プレビューウィンドウで行うことができます。
プレビューウィンドウでクリップをトリミングすると、エキスパートビュータイムラインまたはクイックビュータイムラインの後続のすべてのインスタンスに関してインポイントとアウトポイントが設定されます。エキスパートビュータイムラインまたはクイックビュータイムラインに既に挿入されているクリップのインスタンスのインポイントとアウトポイントは変更されません。クリップのすべてのインスタンスで同じインポイントおよびアウトポイントを使用するには、ポイントを設定してから、いずれかのタイムラインにクリップを配置します。
A. ズームコントロール B. クリップのインポイント C. 現在の時間 D. 再生コントロール E. 時間インジケーター F. クリップのアウトポイント G. クリップのデュレーション(長さ)
クリップを再生するには、再生ボタンをクリックします。
1 つ前または 1 つ先のフレームへ移動するには、前のフレームボタンまたは次のフレームボタンをクリックします。
タイムコードをスクラブします。
エキスパートビュータイムラインにクリップを挿入する前に、プレビューウィンドウでトリミングすることができます。プレビューウィンドウでトリミングしても、エキスパートビュータイムラインまたはクイックビュータイムラインに挿入されているクリップのインスタンスには影響はありません。
クリップをムービーに配置してから、プレビューウィンドウで再度開いて、後続のインスタンスのインポイントとアウトポイントを変更できます。以前にトリミングしたフレームを元に戻したり、フレームを追加でトリミングしたりできます。
新しいインポイントを設定するには、インポイントハンドルを目的の位置までドラッグするか、時間インジケーターを目的の位置までドラッグしてインを設定ボタンをクリックします。
新しいアウトポイントを設定するには、アウトポイントハンドルを目的の位置までドラッグするか、時間インジケーターを目的の位置までドラッグしてアウトを設定ボタンをクリックします。
その後エキスパートビュータイムラインにドラッグするクリップインスタンスは、トリミングされたクリップのインポイントとアウトポイントを継承します。
時間インジケーターが現在のインポイントの左右どちらにあっても、クリップの開始フレームとして設定するフレームに時間インジケーターを移動します。インポイントを設定ボタンをクリックします。
時間インジケーターが現在のアウトポイントの左右どちらにあっても、クリップの終了フレームとして設定するフレームに時間インジケーターを移動します。アウトポイントを設定ボタンをクリックします。
インポイントハンドルまたはアウトポイントハンドルを目的のフレームにドラッグします。
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