このページでは、Premiere Pro のエッセンシャルサウンドパネルについて説明します。

エッセンシャルサウンドは、ミキシング操作および修復オプションの広範なツールセットを提供するオールインワンのパネルです。この機能は、よく使用するオーディオミキシングタスクに役立ちます。このパネルは、音量レベルの統一、サウンドの修復、明瞭度の向上および特殊効果の追加をおこなうためのシンプルなコントロールを提供します。これらのコントロールを利用すれば、プロのオーディオエンジニアがミキシングしたようなビデオプロジェクトを容易に作成できます。適用した調整をプリセットとして保存して再利用できるので、オーディオをさらに微調整する際に役立ちます。 

Premiere Pro では、オーディオクリップをボイス、ミュージック、効果音または環境音として分類できます。また、プリセットを設定して、同じタイプまたは複数のクリップに属している一連のクリップに適用することもできます。

ボイスオーバークリップに対してオーディオタイプ(ボイスなど)を選択すると、エッセンシャルサウンドパネルの「ボイス」タブにいくつかのパラメーターグループが表示されます。これらのグループを使用して、様々な録音を一般的なラウドネスに統一したり、バックグラウンドノイズを軽減したり、コンプレッションや EQ を追加するといった、ボイスに関連付けられた一般的なタスクを実行できます。エッセンシャルサウンドパネルのオーディオタイプは、相互に排他的です。つまり、あるクリップに 1 つのオーディオタイプを選択すると、別のオーディオタイプを使用してそのクリップに対しておこなった以前の変更が取り消されます。

エッセンシャルサウンドパネルコントロールを使用しておこなうすべての変更は、より高度なクリップ設定に反映されます。リストアや明瞭度などのエフェクトに関して、オーディオエフェクトは、クリップラックに挿入されます。上級ユーザーの場合、エッセンシャルサウンドパネルのプライマリ編集から始めて、次に高度な内部エフェクト設定に進み、最後の仕上げを適用できます。 

エッセンシャルサウンドパネルを起動するには、ウィンドウ/エッセンシャルサウンドを選択します。

Premiere Pro のエッセンシャルサウンドパネルの使用

Premiere Pro のエッセンシャルサウンドパネルの使用
Premiere Pro でエッセンシャルサウンドパネルを使用する方法について詳しくは、このビデオをご覧ください(2 分)

オーディオのラウドネスの統一

  1. エッセンシャルサウンドパネルで、クリップタイプに「ボイス」、「ミュージック」、「SFX」または「環境音」を選択します。

  2. ラウドネスレベルをクリップ全体で均等にするには、「ラウドネスを統一」を展開し、「自動一致」をクリックします。Premiere Pro によってクリップに自動的に統一して適用されるラウドネスレベル(LUFS)が、「自動一致」ボタンの下に表示されます。

ラウドネスの統一
ラウドネスの統一

ボイストラックの修復

クリップにボイスのオーディオデータが含まれている場合は、エッセンシャルサウンドパネルの「ボイス」タブの下にあるオプションを使用してノイズ、雑音、ハムおよび歯擦音を軽減することで、サウンドを修復できます。

  1. マルチトラックセッションでトラックにオーディオクリップを追加します。

  2. オーディオクリップを選択し、エッセンシャルサウンドパネルで、クリップタイプに「ボイス」を選択します。

  3. 修復」チェックボックスをオンにして、セクションを展開します。

  4. 変更するプロパティのチェックボックスをオンにします。次に、スライダーを使用して、以下のプロパティのレベルを 0 ~ 10 の間で調整します。

    • ノイズを軽減:スタジオ内の床の音や、マイクのバックグラウンドノイズ、クリック音など背景の不要なノイズのレベルを軽減します。ノイズをどの程度軽減するかは、バックグラウンドノイズのタイプと、品質の低下をどの程度まで許容できるかによって異なります。
    • 雑音を削減:雑音を削減します。ここでいう雑音とは、80 Hz 帯域より下の帯域の超低周波ノイズで、ターンテーブルモーターやアクションカメラなどが発するものです。
    • ハムノイズ音を除去:ハムノイズ音を軽減または除去します。ハムノイズ音とは、50 Hz 帯域(ヨーロッパ、アジアおよびアフリカで一般的)または 60 Hz 帯域(北米と南米で一般的)の単一周波数で構成されるノイズです。例えば、オーディオケーブルと電源コードの位置が近すぎることで発生する電気的干渉には、このようなノイズを使用できます。ハムノイズレベルはクリップに応じて選択できます。
    • 歯擦音を除去:不快な高周波数の歯擦音を軽減します。例えば、マイクの前でのボーカルの呼吸や空気の振動によって発生する歯擦音がボーカル録音に含まれることがあります。
    • リバーブを低減:録音からリバーブを減らすか、削除します。このオプションにより、各種ソースのオリジナルの録音を使用して、同じ環境で録音されたかのような響きにすることができます。
    サウンドの修復
    サウンドの修復

ボイストラックの明瞭度の向上

シーケンスのボイストラックの明瞭度の向上は、様々な要因に依存しています。これは、50 Hz ~ 2 KHz の範囲の人間の声と、それに付随する他のトラックのコンテンツのボリュームおよび周波数が多種多様であるからです。会話のオーディオの明瞭度を向上させるために使用されるいくつかの一般的な手法には、録音のダイナミックレンジの圧縮または伸長、録音の周波数応答の調整および男性と女性の声の強調などがあります。

  1. マルチトラックセッションで空のトラックにオーディオクリップを追加します。

  2. クリップを選択し、エッセンシャルサウンドパネルで、クリップタイプに「ボイス」を選択します。

  3. 明瞭さを向上」チェックボックスをオンにして、セクションを展開します。

  4. 変更するプロパティのチェックボックスをオンにします。次に、スライダーを使用して、以下のプロパティのレベルを 0 ~ 10 の間で調整します。

    ダイナミック:録音のダイナミックレンジを圧縮または伸長して、録音のインパクトを変更します。レベルをナチュラルから集中まで変更できます。

    EQ:選択された周波数を録音内で減少またはブーストします。オーディオで使用できる EQ プリセットを一覧から選択し、スライダーを使用して値を調整できます。EQ プリセットの設定を変更するには、エフェクト/オーディオエフェクト/グラフィックイコライザを選択して、再生中に調整できるグラフィックイコライザを表示し、変更内容を保存します。

    スピーチを強調:処理するボイスを男性または女性として選択し、適切な周波数で強調します。

    明瞭度の向上
    明瞭度の向上

サウンドエフェクトクリップの操作

Premiere Pro では、オーディオ用の人工的なサウンドエフェクトを作成できます。効果音を使用すると、ステレオフィールドでの特定の位置から発生する音楽や、反射音やリバーブが適切に効いた部屋やフィールドの環境音など効果的なサウンドを作成できます。 

オーディオに効果音を追加するには

  1. マルチトラックセッションで空のトラックにオーディオクリップを追加します。

  2. オーディオクリップを選択し、ウィンドウ/エッセンシャルサウンド/SFX を選択します。

  3. リバーブエフェクトを設定するには、クリエイティブの下の「リバーブ」チェックボックスを選択します。

  4. プリセット」ボックスで、ニーズに最適なリバーブプリセットを選択します。

    リバーブプリセットの選択
    リバーブプリセットの選択

自動ドッキング

自動ダッキングにより、フォアグラウンドサウンドに対するバックグラウンドサウンドの音量を下げるキーフレームの自動計算が可能になります。

  1. オーディオクリップを含むマルチトラックセッションを開くか、新規作成します。

  2. 特定の種類のコンテンツのタグ付けには、エッセンシャルサウンドパネルを使用します。音楽および環境音としてタグ付けされたクリップをダッキングできます。

  3. タイムラインのバックグラウンド(ミュージックなど)クリップを選択し、それにミュージックオーディオタイプをエッセンシャルサウンドパネルで割り当てます。

  4. ダッキング」の横にあるチェックボックスをクリックし、自動ダッキングを有効にします。

    自動ダッキングの有効化
    自動ダッキングの有効化

    ダッキングを有効にすると、Premiere Pro では増幅エフェクトがクリップに追加されます。自動ダッキングアルゴリズムによって計算されるキーフレームは、このエフェクトのゲインパラメーターに追加されます。これにより、その他のサウンドデザインに影響を与えずに、キーフレームを容易に変更または削除できるようになります。

    注意:

    どのトラックを使用してダッキングを進めるかを Premiere Pro に指示するために、その他のオーディオトラックにオーディオタイプを割り当ててください。 

  5. 次の自動ダッキングオプションを設定します。

    • ダッキング対象:ボイス、ミュージック、サウンドエフェクト、環境音、タグ付けされていないクリップなど、ダッキング対象となるオーディオコンテンツタイプのアイコンを選択します。
    • 感度:このパラメーターは、ダッキングがトリガーされるしきい値を調整します。感度を高くまたは低く設定すると、調整はほとんどおこなわれません。低音量または高音量のミュージックトラックが保持されます。感度を中程度に設定すると、より多くの調整がおこなわれます。スピーチの音量を検知して、ミュージックがすばやくフェードイン/アウトします。
    • 削減値:このパラメーターは、ミュージッククリップの音量をどれだけ下げるかを選択します。この設定を右に調整すると音量がより大幅に下げられ、左に調整すると音量調整が小幅になります。
    • フェード:このパラメーターはトリガー時の音量調整の速度を制御します。速い音楽と速いスピーチを組み合わせる場合は速いフェードが理想的ですが、ボイスオーバートラックの裏でバックグラウンドミュージックをダッキングする場合は遅いフェードが適しています。
  6. キーフレームの生成」をクリックして、クリップに追加された増幅エフェクトのキーフレームを計算し、設定します。

    注意:

    キーフレームは生成後に手動で変更できますが、「キーフレームの生成」ボタンを再度クリックすると、キーフレームに手動で加えた変更はすべて上書きされます。

Premiere Pro では、キーフレームとダッキング調整がエフェクトのラバーバンドに自動的に追加されます。タイムラインクリップのオーディオキーフレーム表示も自動的に切り替わり、増幅エフェクトのキーフレームが表示されます。

プリセットの作成

プロフェッショナルユーザーは、同様のオーディオアセットを利用して作業するユーザーやプロジェクトに有効なプリセットを作成できます。これにより、ユーザーやプロジェクト間で一貫性を維持できる共に、時間も節約できます。 

プリセットを作成するには

  1. ボイス用のプリセットを作成するには、エッセンシャルサウンドパネルを選択し、パネルメニューをクリックします。

  2. 既にボイスに使用可能なプリセットがここに一覧表示されます。 

    ボイスに使用可能なプリセット
    ボイスに使用可能なプリセット
  3. 追加のプリセットをカスタマイズして作成する場合は、必要な設定を選択できます。必要な設定を選択したら、プリセットドロップダウンの横にある設定をプリセットとして保存ボタンをクリックします。

    新しいプリセットの設定の保存
    新しいプリセットの設定の保存

その他の機能

  • 異なるオーディオタイプのクリップが選択されていない場合は、エッセンシャルサウンドパネルで使用可能なオーディオタイプセレクターが、特定のオーディオタイプのクリップをすべて選択するためのクイック選択ツールの役割を果たします。
  • 特定のクリップに対してオーディオタイプが選択されていない場合、プリセットセレクターはネストされたメニューの役割を果たすので、1 クリックでオーディオタイプとプリセットを直接割り当てることができます。
  • オーディオエフェクトプラグインの基になるエフェクト設定がエッセンシャルサウンドパネルの設定と異なる場合(ユーザーが手動でエフェクト設定を変更した場合)は常に、エッセンシャルサウンドパネルのコントロールの横に警告記号が表示されます。異なる設定で複数選択がおこなわれている場合にも、エッセンシャルサウンドパネルに警告記号が表示されます。
プリセットのカスタマイズと保存
プリセットのカスタマイズと保存

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