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特色とプロセスカラーについての説明
カラーは、特色またはプロセスカラーとして指定することができます。これらは、商用印刷で使用される 2 つの主要なインキの種類に対応しています。スウォッチパネルでは、カラー名の横にあるアイコンによってカラー形式を識別することができます。
カラーをパスおよびフレームに適用する際は、作成するデータを最終的に使用するメディアを念頭に置き、最適なカラーモードを使用してカラーを適用してください。
デバイス間でドキュメントを転送する必要がある場合、処理工程を通して色を維持および調整するのにカラーマネジメントシステム(CMS)を使用することをお勧めします。
スポットカラーについて
特色(スポットカラー)とは、あらかじめ混合された特殊なインキのことで、プロセスインキの代わりとして、または CMYK プロセスインキに加えて使用します。特色を使用する場合、印刷機には専用のプリントプレート(刷版)が必要です。必要なカラー数が少なく、カラーの精度が重要な場合は、特色を使用します。特色インキでは、プロセスカラーの色域外にあるカラーを正確に再現できます。ただし、プリントされた特色が実際にどのように見えるかは、カラー値の指定やカラーマネジメントに関係なく、使用するインキと紙の色の組み合わせによります。特色の値を指定したときは、使用中の特定のモニターとコンポジットプリンターでのみ再現されるカラーをシミュレートして表現していることになります(最終的なカラーは各デバイスの色域による制約を受けます)。
特色を指定するときには、次の点に注意してください。
高品質なプリントを実現するには、商業印刷機がサポートしているカラーマッチングシステムから、必要な特色を指定します。このソフトウェアにはいくつかのカラーマッチングシステムライブラリが付属しています。
使用する特色の数は最小限にすることをお勧めします。特色を 1 つ使用するごとに、印刷機ではその特色のプリントプレート(刷版)が必要になるので、印刷コストがかさみます。ドキュメントのプリントに 5 色以上の特色が必要な場合は、プロセスカラーの使用を検討することをお勧めします。
特色を使用したオブジェクトを、透明を使用した他のオブジェクトに重ねると、EPS 形式での保存や書き出し、プリントダイアログボックスでの特色からプロセスカラーへの変換または、Illustrator や InDesign 以外のアプリケーションで色分解を行うときに問題が発生することがあります。そのため、印刷を実行する前に Illustrator では分割・統合プレビューを使用し、InDesign では、透明の分割・統合または分版を使用して、透明の分割・統合の効果のソフトプルーフを行うようにしてください。さらに、InDesign では、印刷または書き出しを行う前に、インキ管理を使用して、特色をプロセスカラーに変換することができます。
特色用のプリントプレート(刷版)1 版を、プロセスカラー領域の上刷りに使用することができます。この場合、印刷工程では、合計 5 色のインキを使用することになります。つまり、プロセスインキ 4 色と特色インキによる上刷り 1 色です。
プロセスカラーについて
プロセスカラーは、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラック(CMYK)の 4 色の標準プロセスインキを混合してプリントされます。カラー写真印刷など、多数のカラーが必要なドキュメントを印刷する場合は、個々の特色インキを使用すると高コストで非実用的になるため、一般的にはプロセスカラーを使用して印刷します。
プロセスカラーを指定するときには、次の点に注意してください。
高品質な印刷を実現するには、商業印刷機に付属のカラーチャートなどを参照して、プロセスカラーの CMYK 値を指定します。
プロセスカラーの最終的なカラー値は、CMYK の値になります。このため、InDesign の RGB、HSB または LAB を使用してプロセスカラーを指定しても、色分解の印刷時には CMYK モデルの値に変換されます。この変換結果は、カラーマネジメント設定とドキュメントのプロファイルに応じて変わります。
カラーマネジメントシステムを正しく設定し、モニターのカラープレビューの限界を理解している場合を除き、モニターの表示に基づいてプロセスカラーを指定しないでください。
CMYK カラーの色域は一般的なモニターよりも狭いため、web などのオンライン表示専用のドキュメントの作成にはプロセスカラーは使用しないでください。
Illustrator および InDesign では、グローバルまたは非グローバルのプロセスカラーを指定できます。Illustrator では、グローバルプロセスカラーはスウォッチパネルのスウォッチにリンクされるので、このスウォッチに変更を加えると、そのカラーを使用しているすべてのオブジェクトに変更が適用されます。非グローバルプロセスカラーの場合、そのカラーを編集しても、ドキュメント全体のオブジェクトが自動的に更新されることはありません。プロセスカラーは、初期設定では非グローバルカラーです。InDesign では、スウォッチをオブジェクトに適用する際に、そのスウォッチがグローバルプロセスカラーとして自動的に適用されます。非グローバルスウォッチは名称未設定カラーと呼ばれ、カラーパネルで編集することができます。
グローバルプロセスカラーと非グローバルプロセスカラーは、特定のカラーをオブジェクトに適用する方法のみに影響し、アプリケーション間でカラーを移動した場合の色分解や動作には影響しません。
特色とプロセスカラーの同時使用
同じドキュメントに対して、プロセスインキと特色インキを使い分けた方がよい場合があります。例えば、年次報告書のページの中で使用されている会社のロゴには、1 色の特色インキを使用することで正確な色で印刷し、写真にはプロセスカラーを使用して印刷する場合などがあります。また、特色印刷版を使用して、プロセスカラーで印刷した部分の上にワニス(樹脂コート)を刷ることもできます。どちらの場合も、印刷工程では、合計 5 色のインキを使用することになります(プロセスインキ 4 色と特色インキ 1 色またはワニス)。
InDesign では、プロセスカラーと特色を混ぜ合わせて混合インキカラーを作成することができます。
Adobe InDesign と Adobe Illustrator では、定義済みのカラーを適用する方法が若干異なります。Illustrator ではグローバル、非グローバルのどちらでも定義済みカラーとして指定できるのに対し、InDesign はすべての非グローバルの名称未設定カラーをプロセスカラーとして扱います。
InDesign では、グローバルカラーに対応する機能はスウォッチになります。スウォッチにより、個々のオブジェクトを指定することなく簡単にカラースキームを修正することができます。 この機能は、雑誌などのように、定型で大量に印刷されるドキュメントの作成に便利です。InDesign のカラーは、スウォッチパネル上のスウォッチにリンクされ、スウォッチを変更すると、そのカラーを使用するすべてのオブジェクトのカラーが更新されます。
InDesign では、非グローバルスウォッチのことを名称未設定カラーと呼びます。名称未設定カラーはスウォッチパネルに表示されず、カラーパネルでカラーを編集した場合、同じ色がドキュメント内で使われていても自動的に更新されません。しかし、後でスウォッチパネルに名称未設定カラーを追加することはできます。
スウォッチと名称未設定カラーは、特定の色がドキュメント内でどのように更新されるかに影響するだけで、アプリケーション間を移動するときに色が分版されなかったり、正しく機能しないということではありません。
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