必要に応じて次の操作をおこないます。
ページ上のテキストの外観は、組版と呼ばれる処理の複雑な相互作用に左右されます。InDesign では、単語間隔、文字間隔、グリフ幅拡大 / 縮小およびハイフンのオプションの設定を使用して、そのパラメーターに最も適した方法で組版が処理されます。
InDesign には、Adobe 欧文段落コンポーザー(デフォルト)と Adobe 欧文単数行コンポーザーの 2 種類の組版方式があります(いずれもコントロールパネルメニューから選択可能)。段落パネルメニュー、ジャスティフィケーションダイアログボックス、またはコントロールパネルメニューから、使用するコンポーザーを選択できます。
InDesign には、Adobe 日本語単数行コンポーザー、Adobe 日本語段落コンポーザー、Adobe 欧文段落コンポーザー、Adobe 欧文単数行コンポーザーの 4 種類の組版方式があります。各コンポーザーは、日本語や欧文テキスト内の可能な改行分割点の候補を評価し、段落に指定されたハイフンや行揃えのオプションに最も適した分割点を選択します。デフォルトでは、Adobe 日本語段落コンポーザーが選択されています。各コンポーザーについて詳しくは、InDesign ヘルプを参照してください。
組版の問題の修正については、InDesign Magazine の Mind the Gaps(英語)の記事を参照してください。
InDesign には、Adobe 欧文段落コンポーザー(デフォルト)と Adobe 欧文単数行コンポーザーの 2 種類の組版方式があります。いずれの組版方式でも、段落に設定されたハイフネーションおよびジャスティフィケーションオプションの値に基づいて、可能な改行位置の中から最適な改行位置が割り出されます。
Adobe 欧文段落コンポーザー
1 つの段落単位で、行内の文字の分割点の配置を検討し、後で特に不要な分割を排除できるように、段落の前の方の行を最適化します。段落が、少ないハイフンで間隔がより均等になります。
段落コンポーザーでは、文字間隔、単語間隔、ハイフネーションの均一性に基づいて、文字の分割点を識別して検討し、ハイフネーションの領域を割り当てます。
ハイフネーション設定ダイアログボックスを使用して、「ハイフンを多く」と「ハイフンを少なく」を設定できます(詳しくは、テキストのハイフネーションを参照してください)。
Adobe 欧文単数行コンポーザー
従来の方法で、1行単位で行の文字組みの分割点を検討します。この方式は、編集の最終段階で改行方法を手動で制御する場合などに適しています。
必要に応じて次の操作をおこないます。
段落パネルメニューで、「Adobe 欧文段落コンポーザー」(デフォルト)か「Adobe 欧文単数行コンポーザー」を選択します。
段落パネルメニューまたはコントロールパネルメニューから「ジャスティフィケーション」を選択し、使用するコンポーザーを「コンポーザー」から選択します。
組版エンジンのパラメーターをカスタマイズできるインターフェイスを使用して、他社の組版エンジンプラグインを利用することもできます。
編集/環境設定/組版(Windows)または InDesign /環境設定/組版(Mac OS)を選択します。
組版に関する問題をハイライト表示するには、「H&J 違反保持」と「H&J 違反」を選択します(ハイフネーションとジャスティフィケーション)。
テキストをオブジェクトに均等に回り込ませるには、「オブジェクトの次へテキストを均等配置」を選択します。
「文字組み互換モード」で、必要に応じて、「縦組み中の欧文に垂直・水平比率を適用する方向を切り替える」または「CID ベースの文字組みを使用」を選択します。
「OK」をクリックします。
ハイフネーションとジャスティフィケーションを設定すると、行の水平方向の間隔を調整でき、ページ上に文字を美しく配置することができます。ハイフン処理のオプションでは、欧文単語がハイフンで分割できるかどうか、分割が可能な場合はどのように分割できるかを設定できます。
ジャスティフィケーションは、字幅を調整したかどうかにかかわらず、選択されている行揃えオプションと、単語や文字の指定されている間隔によって制御されます。全体的にジャスティフィケーションされているテキストで段の幅が狭い場合に特定の単語のみジャスティフィケーションすることもできます。
組版の問題を回避する方法については、Eda Warren による Mind the Gaps(英語)の記事を参照してください。
欧文単語のハイフン処理は、手動、自動、またはその両方でおこなうことができます。ハイフン処理を手動でおこなう最適な方法は、任意ハイフンを挿入することです。任意ハイフンは、単語が行の最後で分割されない場合は表示されません。任意ハイフンは、行末でその単語を分割する必要がある場合にだけハイフンが追加され、それ以外の場合は表示されません。
書式/特殊文字の挿入/ハイフンおよびダッシュ/任意ハイフンを選択します。
Ctrl+Shift+- キー(Windows)または Command+Shift+- キー(Mac OS)を押して、任意ハイフンを入力します。
単語に任意ハイフンを挿入しても、必ずしもハイフン処理がおこなわれるわけではありません。任意ハイフンを挿入した位置で単語が分割されるかどうかは、他のハイフン処理および組版設定に左右されます。ただし、任意ハイフンの位置以外で単語が分割されることはありません。
ハイフン処理は、コンピューターの個別のユーザー辞書ファイルまたはドキュメントに格納されている単語リストに基づいています。特に、ドキュメントを印刷・出力会社に持っていく場合やグループで作業している場合など、ハイフン処理の統一性を保つために、参照する単語リストを指定することがあります。
自動ハイフン処理オプションでは、より少ないハイフンにすることと、均等な間隔にすることのバランスを取ることができます。大文字の単語や段落の最後の文字がハイフン処理されないようにすることもできます。
単語の最小文字数
ハイフネーションされる単語の最小文字数を指定します。
先頭の後、最後の前
ハイフンで区切ることが可能な単語の先頭または最後の最小文字数を指定します。例えば、値にそれぞれ 3 を指定すると、aromatic という英単語は aro‑ matic のようにハイフネーションがおこなわれます。ar‑ omatic や aromat‑ ic にはなりません。
最大のハイフン数 _ ハイフン
連続行上に表示可能なハイフンの最大数を指定します。「0」は無制限でハイフン処理されます。
ハイフネーション領域
ジャスティフィケーションされていないテキストで、行末からどれぐらいの距離にある単語がハイフン処理されるかを指定します。このオプションは、ジャスティフィケーションされていないテキストで、単数行コンポーザーを使用している場合にだけ適用されます。
「ハイフンを多く」/「ハイフンを少なく」
このスライダーで、ハイフン数の適切なバランスを調整します。
大文字の単語をハイフンで区切る
大文字の単語がハイフン処理されないようにするには、このオプションの選択を解除します。
段落末尾の単語をハイフンで区切る
段落の最後の単語がハイフン処理されないようにするには、このオプションの選択を解除します。
段間、フレームにわたる単語をハイフンで区切る
段、フレーム、ページを通して単語がハイフン処理されないようにするには、このオプションの選択を解除します。
分散禁止ハイフンを使用すると、分割すると誤読されやすい固有名詞や単語(例えば「women」や「prayer」など)が、行末で分割しないようにすることができます。また、分散禁止スペースを使用すると、複数のイニシャルと姓名(例えば「P.T.Barnum」)など、複数の単語が分割しないようにすることもできます。
単語の先頭に任意ハイフンを置いても、単語の分割を回避することができます。Ctrl+Shift+- キー(Windows)または Command+Shift+- キー(Mac OS)を押して、任意ハイフンを入力します。
分散禁止スペースの幅は、コンテキストに応じて異なりますが、分散禁止スペース(固定幅)文字の幅は、コンテキストに関係なく、同じ幅が維持されます。
単語間隔、文字間隔、グリフ幅の拡大 / 縮小を詳細に制御するには、ジャスティフィケーションパネルを使用します。間隔の調整は、両端揃えしたテキストに効果的です。両端揃えしていないテキストにも適用できます。
単語間隔、文字間隔、およびグリフ幅の拡大や縮小のジャスティフィケーション設定は、日本語テキストでは無視されます。日本語テキストでの文字間隔については、文字組みアキ量ダイアログボックスで設定します。
単語間隔
スペースバーを押したときに挿入される単語間の間隔です。「単語間隔」値は、0 ~ 1000 %の間で指定します。100 %では、単語間に余分なアキは挿入されません。
文字間隔
カーニング値またはトラッキング(字送り)値も含めた文字間の距離です。「文字間隔」には、-100 ~ 500 %の範囲で値を設定できます。0 %に設定すると文字間にアキは挿入されず、100 %に設定すると文字間に文字と同じ幅のアキが挿入されます。
グリフ幅拡大 / 縮小
文字幅です(グリフ(字形)とはフォントの任意の 1 文字のことです)。グリフ幅の値は 50% から 200% の範囲内で指定します。
間隔オプションは、段落全体に適用されます。段落内の特定の文字間隔を調整するには、「トラッキング(字送り)」オプションを使用します。
段落の幅が狭い場合、1 行が 1 つの単語だけになってしまうことがあります。また、ジャスティフィケーションが最大に設定されている場合は、単語の文字間隔が空きすぎてしまいます。このような場合、単語を中央に配置したり、左右のマージンに揃えたりすることができます。
グリフ幅の調整は、テキストの均等配置の手助けになります。ただし、デフォルト値の 100 %から 3 %以上値を変更すると、字形が歪んでしまう場合があります。特別な効果を試そうとしていないのであれば、グリフ幅拡大 / 縮小値に 97-100-103 など、あまり目立たない値を設定します。
フラッシュスペース文字を使用すると、両端揃えされた段落の最終行にある最後の単語と、ストーリーの最終文字(装飾フォントなど)との間に、不定量のスペースが追加されます。ジャスティフィケーションされていないテキストで使用した場合、フラッシュスペースは通常の単語スペースと同じです。しかし、テキストがジャスティフィケーションされると、フラッシュスペースはその行で使用できる全スペースを使用して広がります。フラッシュスペースを使用すると、段落コンポーザーが段落全体をフォーマットする方法が大きく変化します。
段落に「両端揃え」を適用しないと、フラッシュスペースの効果は現れません。
行の構成には、単語や文字の間隔の他にも多数の要素(ハイフンの設定など)が影響するので、設定した単語や文字の間隔が常に適用されるわけではありません。テキストの行に関する構成上の問題がある箇所を黄色で、最も問題のある箇所を、一番濃い黄色でハイライト表示することができます。
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