- Acrobat ユーザーガイド
- Acrobat の概要
- ワークスペース
- ワークスペースの基本
- PDF を開いて表示
- オンラインアカウントで操作
- Acrobat および macOS
- Acrobat 通知
- PDF のグリッド、ガイド、ものさし
- PDF での日中韓言語、キリル文字および右から左に表記されるテキスト
- ワークスペースの基本
- PDF の作成
- PDF の編集
- スキャンと OCR
- フォーム
- ファイルの結合
- 共有、レビュー、およびコメント
- PDF の保存と書き出し
- セキュリティ
- 電子サイン
- 印刷中
- アクセシビリティ、タグ、および折り返し
- 検索とインデックスの作成
- マルチメディアと 3D モデル
- 印刷工程ツール(Acrobat Pro)
- プリフライト(Acrobat Pro)
- カラーマネジメント
カラーのオーバープリントのプレビュー(Acrobat Pro)
オーバープリントのプレビューで、色分解された出力のブレンドとオーバープリントを画面上でシミュレートできます。オーバープリントの効果は、コンポジット印刷デバイスに出力してシミュレートすることもできます。いずれの方法を使用しても色分解された文書を校正できます。
カラーマネジメント(Acrobat Pro)
カラーマネジメントを使用した RGB または CMYK 文書を印刷する場合、出力で色の一貫性を保つために、カラーマネジメントオプションを指定することができます。例えば、プリプレス出力用に調整されているプロファイルを含む文書を使用して、デスクトッププリンターでカラー校正を行うとします。印刷の詳細設定ダイアログボックスのカラーマネジメントパネルでは、文書で使用されている色を、一時的にデスクトッププリンターのカラースペースに変換することができます。印刷時には、現在の文書のプロファイルではなく、プリンターのプロファイルが使用されます。さらに、様々な RGB プロファイルを使用して、カラーデータを RGB 値としてプリンターに送信することもできます。
コンポジット印刷について(Acrobat Pro)
カラー PDF の印刷では、ファイルで使用されているすべての色が 1 つの版に印刷されます。この処理をコンポジット印刷と呼びます。印刷の詳細設定ダイアログボックスのカラーパネルで選択できるオプションは、選択したプリンターによって異なります。
商用目的で複数の色を含んでいるアートワークは、各色に 1 つずつ、複数のマスタープレート(分版)でプリントする必要があります。この処理を色分解と呼びます。色分解を作成する前に、カラーまたはグレースケールのコンポジット印刷で校正出力をして仕上がりを確認することができます。
コンポジット印刷する際には、次の項目を考慮に入れてください。
オーバープリントを設定したオブジェクトがある場合、オーバープリントをサポートしているプリンターであれば、オーバープリントが正しく印刷されます。デスクトッププリンターの多くはオーバープリントをサポートしていませんが、印刷の詳細設定ダイアログボックスのカラーパネルにある「オーバープリントをシミュレート」を選択すると、オーバープリントの効果をシミュレートすることができます。「オーバープリントをシミュレート」を選択すると、スポットカラー(特色)は印刷用のプロセスカラーに変換されます。最終出力用のファイルを使用する場合は、このオプションは選択しないでください。
白黒プリンターに印刷する場合、そのページのグレースケールのコンポジットバージョンが出力されます(ただし、印刷のダイアログボックスで「白黒 2 値印刷(図面用)」オプションを選択した場合を除きます。このオプションを選択すると、白以外の色はすべて黒で印刷されます)。文書に色が含まれている場合、使用されている色をシミュレートするために適切なグレーが適用されます。例えば、イエローはブラックよりも視覚的に明るいので、濃度 20% のイエローを疑似的に表現するグレー階調は、濃度 20% のブラックよりも明るくなります。
モニターと同様に、カラープリンターによってカラーの再現品質が異なることに注意してください。印刷・出力会社による校正刷りは、最終出力がどのように印刷されるかを確認するために最も信頼のおける方法です。
カラーコンポジットの印刷(Acrobat Pro)
-
ファイル/印刷を選択し、プリンターを選択します。
-
ページ処理オプションを指定します。
-
「注釈とフォーム」オブションから「文書とスタンプ」を選択し、すべての描画領域を印刷します。
-
「詳細設定」をクリックし、ダイアログボックスの左側にある「カラー」を選択します。
-
色メニューからコンポジットのオプションを選択します。
-
色および出力に関するその他の設定を選択し、「OK」をクリックします。
-
透明の設定を持つオブジェクトが文書に含まれている場合は、透明の分割・統合プリセットメニューからオプションを選択します。
-
(PostScript 印刷専用)PostScript オプションパネルで、オプションを指定します。
色分解について(Acrobat Pro)
高品質な色分解を作成するためには、スクリーン線数、解像度、プロセスカラー、スポットカラーなどの印刷に関する基礎知識が必要です。
印刷会社に色分解の作成を依頼する場合は、各作業の準備段階からその工程全体を通じて、担当者との密接な連携を図ることが必要です。
連続諧調のカラー画像を再現するために、プリンターでは通常、アートワークのシアン(C)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各部分を 4 つの版に分解します。適切なカラーのインキを乗せて、互いに一致させて印刷すると、これらのカラーが組み合わさって元のアートワークが再現されます。画像を複数のカラーに分解する処理を色分解と呼び、刷版の作成元となるフィルムを色版と呼びます。
印刷色分解(Acrobat Pro)
Acrobat では、ホストベースの色分解と In-RIP 色分解がサポートされています。この 2 つの方式の大きな違いは、色分解がホストコンピューター(Acrobat およびプリンタードライバーを使用するシステム)で作成されるか、出力デバイスの RIP で作成されるかという点にあります。
ホストベースの色分解の場合、Acrobat では、文書に必要な色分解ごとに PostScript 情報が作成され、その情報が出力デバイスに送信されます。In-RIP 色分解の場合、ファイルの色分解処理は RIP で行われます。この方法はホストベースの色分解に比べ短時間で処理することができますが、In-RIP 色分解をサポートしている PostScript 3 対応の出力デバイスが必要です。In-RIP 色分解を生成するには、In-RIP 色分解をサポートする PPD ファイルと、任意の PostScript 3 出力デバイスまたは In-RIP 色分解をサポートする RIP が内蔵された PostScript レベル 2 デバイスが必要となります。
色分解出力の準備
色分解を出力する前に、次の操作を行います。
- モニターを補正します。詳しくは、モニターのキャリブレーションおよびプロファイルの作成を参照してください。
- 文書にトラッピング情報が含まれているかどうかを指定します(あらかじめわかっている場合)。詳しくは、トラッピング情報の存在の宣言を参照してください。
- 色分解および透明部分の分割・統合をプレビューします。詳しくは、色分解のプレビューおよびアートワークの統合される領域のプレビューを参照してください。
- 必要な条件を使用してプリフライト検査を実行します。詳しくは、プリフライトプロファイルを参照してください。
印刷会社に色分解の作成を依頼する場合は、各作業の準備段階からその工程全体を通じて、担当者との密接な連携を図ることが必要です。
色分解の印刷
-
ファイル/印刷を選択し、プリンターを選択します。
-
注釈とフォームメニューからオプションを選択します。
-
印刷範囲およびページ処理オプションを選択します。
-
「詳細設定」をクリックします。
-
適切な色分解が定義されたカスタムプリンター設定ファイルが既に存在している場合は、印刷の詳細設定ダイアログボックスの上部にある「印刷プリセット」オプションから設定ファイルを選択します。
-
左側の「カラー」を選択し、色メニューからオプションを選択します。
PPD が In-RIP 色分解をサポートしていない場合は、「色分解」を選択します。
PPD が In-RIP 色分解をサポートしている場合は、「色分解(In-RIP)」を選択します。トラッピングオプションが選択できるようになります。トラッピングメニューから「Adobe In-RIP」または「オフ」を選択します。「Adobe In-RIP」を選択した場合は、「トラッププリセット」ボタンをクリックし、プリセットを選択します。「OK」をクリックします。
-
ハーフトーンスクリーン線数、選択したインキのハーフトーンスクリーンの回転角度の設定内容を指定します。
-
透明の設定を持つオブジェクトが文書に含まれている場合は、透明の分割・統合プリセットメニューからオプションを選択します。
-
「インキ」で、色分解しない色の選択を解除します。
4 つのプロセスカラー(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)は、必ずカラー版の一覧の最上部に表示され、その後に各スポットカラーがアルファベット順に列挙されます。
-
「インキ」ボタンをクリックして、色分解のインキ設定を変更します。
-
左側の「トンボと裁ち落とし」をクリックし、「すべてのマーク」を選択します。
-
左側の「PostScript オプション」をクリックし、必要に応じて設定内容を選択します。「OK」をクリックして詳細設定ダイアログボックスを閉じ、もう一度「OK」をクリックして色分解を出力します。
その他のリソース
ハイエンド PDF 印刷について詳しくは、次を参照してください。
印刷工程ワークフローにおける Adobe PDF (英語):www.adobe.com/studio/print/pdfs/PDF_wp_A9_updates_july08.pdf
トラッピング情報の存在の宣言(Acrobat Pro)
PDF を印刷会社に送信する場合は、文書のプロパティダイアログボックスで、PDF にトラッピング情報を含めるかどうかを指定できます。これにより、矛盾するおそれのあるトラッピングコマンドが印刷会社でファイルに追加されることを防止できます。トラッピング情報は、文書作成アプリケーションから他の PostScript 情報と共に取り込むか、Adobe In-RIP トラッピングでサポートされているトラッピングプリセットを使用して、Acrobat で作成することができます。
-
PDF ファイルを開き、ファイル/プロパティを選択します。
-
「詳細設定」タブをクリックします。
-
トラッピングメニューからオプションを選択し、「OK」をクリックします。
はい
ファイルはトラッピング情報を含みます。
いいえ
ファイルはトラッピング情報を含みません。
不明
トラッピング情報の有無がわからない場合。
PostScript としての分解の保存(Acrobat Pro)
使用できるプリプレスソフトウェアによって、サービスプロバイダーは、出力デバイスの RIP で、トラッピング、面付け、分版、OPI 置換などのプリプレス処理を実行することができます。このため、サービスプロバイダーによっては、事前に色分解された PostScript ファイルではなく、In-RIP 分解のために最適化された文書のコンポジット PostScript ファイルが必要となる場合があります。
ファイルを PostScript 形式で保存すると、色分解設定、PPD 情報、および印刷の詳細設定ダイアログボックスで指定された色変換情報がすべて保存されます。
印刷工程ワークフローで再利用するのに最も適した PostScript を生成するには、印刷ダイアログボックスの「ファイルへ出力」オプションではなく「名前を付けて保存」(Windows)、またはプリントダイアログボックスの「ファイルへ出力」オプションではなく「別名で保存」(Mac OS)を使用します。