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内部アップデートサーバーのメンテナンス

AUSST を使用して内部アップデートサーバー環境の設定をメンテナンスする方法について説明します。

Adobe Update Server Setup Tool(AUSST)を使用すると、アドビアプリケーションとアップデートをサーバー上の 1 つの場所に一元的にダウンロードすることができます。

AUSST ツール

サーバーの保守

3. 内部アップデートサーバーのメンテナンス

サーバーのセットアップ

一般的な使用例

内部アップデートサーバーをセットアップしたら、定期的なアップデートを行うためにいくつかの同期アクティビティを実行します。内部アップデートサーバーを設定する以外に、AUSST では以下を行うことができます。

  • クライアント構成ファイルを生成します。これは、内部アップデートサーバーを使用するクライアントをセットアップするために使用します。製品グループを作成するには、クライアント構成が必要です。
  • Adobe Update Server から増分アップデートを取得します。
  • ユーザーをグループ化してそれぞれの製品グループから製品とアップデートをダウンロードできるように、製品構成グループを作成します。
  • 古いアップデートを削除して、内部アップデートサーバーのディスク領域を解放します。
 
注意:

fresh(セットアップ)コマンドと incremental(メンテナンス)コマンドを同時に使用することはできません。ただし、以下に説明するその他すべてのコマンドは、これら 2 つのコマンドとともに使用されます。

これらのコマンドの使用について素早く理解するには、一般的な使用例で、一般的に使用される AUSST コマンドを参照してください。

Adobe Update Server との同期

初期設定後、定期的に社内のアップデートサーバーと Adobe Update Server を同期させる必要があります。これにより、すべての最新のアプリとアップデートを確実に入手できます。以下のコマンドを実行します。

AdobeUpdateServerSetupTool --root="/serverroot/updates/Adobe/CC" {--incremental | --fresh}

増分同期

--incremental パラメーターを使用すると、ダウンロードされたすべてのアプリケーションおよびアップデートが検証されますが、ダウンロードされるのは、新しいバージョンが利用可能なものだけです。 

  • 前回の同期以降にアドビの更新サーバーに新しいアプリケーションとアップデートが配信されている場合

   --incremental パラメーターは、新しいアプリケーションのみを取得します。

  • Adobe Update Server に、新しいアプリケーションとアップデートが配信されていない場合

   --incremental パラメーターによって何も取得されません。

通常は、--incremental オプションを使用する必要があります。ただし、何らかの理由で最新のアプリケーションおよびアップデートがエンドユーザーのコンピューターに反映されていない場合は、次に説明する新規同期を実行します。

新規同期

--fresh パラメーターは、Adobe Update Server にあるすべてのアプリケーションおよびアップデートをダウンロードします。

このパラメーターによってルートフォルダーがクリーンアップされ、内部アップデートサーバーに存在するすべてのアプリケーションとアップデートが最初に削除されます。次に、Adobe Update Server にあるすべての最新のアプリケーションおよびアップデートが、サーバーマシンにダウンロードされます。

内部アップデートサーバーが最新の状態になり、エンドユーザーのコンピューターをアップデートできるようになります。

Acrobat のみの同期

--acrobatonly パラメーターは、Adobe Update Server にある Acrobat および Reader アプリケーション、またはアップデートのみをダウンロードします。

フィルターに基づく製品とアップデートのダウンロード

新規同期または増分同期に AUSST を使用するとき、ダウンロードする製品とアップデートを選択することができます。

注意:

filterProducts オプションは Acrobat をサポートしていません。以下は、Acrobat のフィルタリングに使用できません。また、以下のフィルターオプションを使用すると、Acrobat は、フィルターに含めなくても常にダウンロードまたはアップデートされます。Acrobat のダウンロードおよびアップデートだけが必要な場合は、Acrobat のみのパラメーターを使用してサーバーを同期します。

AUSST は、現在のアドビのデスクトップアプリケーションと、各アプリケーションの最新のメジャーバージョンを同期します。AUSST では、提供を終了したアプリのアップデートは同期されません。ダウンロード可能なアプリへのリンクは、ここを参照してください。​​したがって、フィルターを作成する際に、ダウンロードとインストールでサポートされているアプリケーションのバージョンのみを指定する必要があります。

以下の使用例には、SAP コードが含まれています。必要な場合は、SAP コード完全リストを参照してください。

--filterProducts オプションの使用

AdobeUpdateServerSetupTool.exe --root="<ダウンロードフォルダーの絶対パス>" --incremental --filterProducts="<製品 Sap コードをコンマで区切ったリスト>"

セットアップ中にこのオプションを使用する場合は、--incremental--fresh で置き換えます。

例えば、After Effects(SAP コード:AEFT)の場合、以下の手順で特定のバージョンとアップデートをダウンロードできます。

  • すべてのバージョンとアップデートをダウンロードする場合:
    AdobeUpdateServerSetupTool.exe --root="<ダウンロードフォルダーの絶対パス>" --incremental --filterProducts="AEFT"
  • バージョン 16.0 のすべてのアップデートをダウンロードする場合:
    AdobeUpdateServerSetupTool.exe --root="<ダウンロードフォルダーの絶対パス>" --incremental --filterProducts="AEFT#16.0"
  • バージョン 16 のアップデート 16.1.3 をダウンロードする場合:
    AdobeUpdateServerSetupTool.exe --root="<ダウンロードフォルダーの絶対パス>" --incremental --filterProducts="AEFT#16.0#16.1.3"
  • After Effects バージョン 16.0 のアップデート 16.0.1 と Photoshop(SAP コード:PHSP):
    AdobeUpdateServerSetupTool.exe --root="<ダウンロードフォルダーの絶対パス>" --incremental --filterProducts="AEFT#16.0#16.0.1,PHSP"
    注意:複数の製品は、コンマで区切って指定します

--filterFilePath オプションの使用

複数の製品やアップデートを製品フィルターに含める場合は、--filterProducts オプションの使用は面倒である可能性があります。

代わりに、filterConfig.xml ファイルで製品フィルターを定義し、 --filterFilePath を使用することができます。次に、filterConfig.xml ファイルに詳細を含めます。

AdobeUpdateServerSetupTool.exe --root="<ダウンロードフォルダーの絶対パス>" --incremental --filterFilePath="<filterConfig.xml の絶対パス>"

filterConfig.xml:構造の例

上記の例(--filterProducts)と同様にフィルターを作成して After Effects 16.0 のアップデート版となる 16.0.1Photoshop の最新版をダウンロードできます:

<Filters>     

  <Filter>

      <GroupName/>

             <FilterValue>AEFT#16.0#16.0.1,PHSP</FilterValue>

  </Filter>  

</Filters>

SAP コード完全リスト

注意:

製品グループ(後述)を作成しない場合は、空の GroupName ノードを作成する必要があります。GroupName ノードが含まれていない場合、.xml 形式が正しくないため、エラーが発生して同期の原因となります。

デフォルトでは、汎用フィルターコマンド用のワイルドカードグループが作成されます。

製品グループの作成

製品グループを使用すると、特定の製品やアップデートを必要とするユーザー別に、製品やバージョンをグループ化することができます。

  1. それぞれのユーザーグループが必要とする製品やアップデートに基づいて製品グループを定義します。
  2. 製品グループごとに .override ファイルを作成します。
  3. .override ファイルを各ユーザーグループにデプロイします。

各ユーザーグループは、それぞれの製品グループにアクセスすることができます。

1. 製品グループの定義

次の 2 つのオプションのいずれかを使用して製品グループを作成できます。

1.   --FILTERPRODUCTS オプション

2.   --FILTERFILEPATH オプション

1. --filterProducts オプションの使用

AdobeUpdateServerSetupTool.exe --root="<ダウンロードフォルダーの絶対パス>" --incremental --filterProducts="<グループ名>(<製品 Sap コードをコンマで区切ったリスト>)|<グループ名>(<製品 Sap コードをコンマで区切ったリスト>)"

セットアップ中にこのオプションを使用する場合は、--incremental を --fresh で置き換えます。

例として After Effects (Sap コード:AEFT)と Photoshop (Sap コード:PHSP)を使用します。次の製品とアップデートをフィルタリングする g1 と g2 という名前の 2 つのグループを作成します。

 グループ g1

 グループ g2

After Effects の全バージョンおよび Photoshop アップデート 19.1.2

After Effects16.0 のすべてのアップデート、および Photoshop のすべての最新バージョン。

AdobeUpdateServerSetupTool.exe --root="C:¥inetpub¥wwwroot¥DynamicViews" --incremental --filterProducts="g1(AEFT,PHSP#19.0#19.1.2)|g2(AEFT#16.0,PHSP)"

グループはパイプ文字|で区切ります。

SAP コード完全リスト

2. --filterFilePath オプションの使用

複数のグループ、製品、アップデートを製品フィルターに含める場合、--filterProducts オプションを使用するとメンテナンスが面倒で困難になる可能性があります。代わりに、filterConfig.xml ファイルで製品フィルターを定義し、 --filterFilePath を使用することができます。

AdobeUpdateServerSetupTool.exe --root="<ダウンロードフォルダーの絶対パス>" --incremental --filterFilePath="<filterConfig.xml の絶対パス>"

filterConfig.xml:構造の例

上記の例と同様( --filterProducts)g1 g2 の 2 つのグループを含むフィルターを作成します。

グループ g1

グループ g2

最新バージョンの After Effects Photoshop バージョン 19.0 のアップデート 19.1.2

After Effects
バージョン 16.0 とすべての最新バージョンの Photoshop

<Filters>

      <Filter>

            <GroupName>g1</GroupName>

            <FilterValue>AEFT,PHSP#19.0#19.1.2</FilterValue>

      </Filter>

      <Filter>

            <GroupName>g2</GroupName>

             <FilterValue>AEFT#16.0,PHSP</FilterValue>

      </Filter>

</Filters>

SAP コード完全リスト

SAP コードリストには、各アプリケーションの最新バージョンが表示されます。このバージョンを一緒に使用して、フィルタリング用の XML ファイルを作成できます。

2. クライアント構成(override)ファイルの作成

製品ファイルと、オプションで製品グループを定義した後、これらのフィルターとグループのためにクライアント構成ファイルを生成する必要があります。

上記で定義した各グループで AUSST を実行します。

AdobeUpdateServerSetupTool.exe --root="<ルートパス>" --genclientconf="<out folder path>" --url="<サーバー url>" --groupName=g1

AdobeUpdateServerSetupTool.exe --root="<ルートパス>" --genclientconf="<out folder path>" --url="<サーバー url>" --groupName=g2

注意:

製品グループを定義した場合、groupName オプションが必要です。

3. クライアント構成(override)ファイルのデプロイ

次に、作成した製品グループに基づいて、生成したクライアント構成(.overrides)ファイルをクライアントにデプロイします。クライアント構成ファイルの生成およびデプロイについて詳しくは、内部アップデートサーバーを使用するためのクライアントのセットアップを参照してください。

古い製品とアップデートのクリーンアップ

アドビが新製品のアップデートをリリースすると、AUSST を使ってダウンロードした以前のアップデートは無効になります。その結果、内部のアップデートサーバーの不要なディスクスペースを占有することになります。

例えば、Photoshop アップデート版 19.1.0 をダウンロードした後に 19.1.1 をダウンロードした場合、19.1.0 は不要になります。

--incremental オプションの後に --cleanup オプションを使うと、古いアップデート版をすべて含むサーバーをクリーンアップできます。

AdobeUpdateServerSetupTool.exe --root="<ダウンロードフォルダーの絶対位置>" --incremental --filterProducts="<クリーンアップ後に保持する sap コード>"

その後に、以下が続きます。

AdobeUpdateServerSetupTool.exe --root="<ダウンロードフォルダーの絶対パス>" --cleanup

AUSST CLI メニュー

コマンドラインから --root パラメーターのみを指定して AUSST を実行すると、オプションの選択メニューが表示されます。オプションを 1 つ選択して続行します。

CLI メニュー

ヘルプをすばやく簡単に入手

新規ユーザーの場合