マニュアル キャンセル

テキストのアニメート

テキストアニメーションについて

テキストレイヤーのアニメートは、アニメートされたタイトル、ロアサード、クレジットロール、ダイナミックタイポグラフィーなど、様々な目的で便利です。

After Effects の他のレイヤーと同様に、テキストレイヤー全体もアニメートできます。ただし、テキストレイヤーには、レイヤー内のテキストをアニメートするための追加のアニメーション機能があります。以下の方法のいずれかを使用して、テキストレイヤーをアニメートできます。

注意:

テキストアニメーションのエッジと動きを滑らかにするには、テキストレイヤーのモーションブラーを有効にします。詳しくは、モーションブラーを参照してください。

テキストアニメーションプリセット

他のアニメーションプリセットと同様に、テキストアニメーションプリセットを参照し、適用します。After Effects のエフェクト&プリセットパネルまたは Adobe Bridge を使用して、アニメーションプリセットを参照し、適用できます。プリセットフォルダーを Adobe Bridge で開くには、エフェクト&プリセットパネルメニューまたはアニメーションメニューから「プリセットを参照」を選択します。(エフェクトまたはアニメーションプリセットを適用およびアニメーションプリセットを参照)。

注意:

熟練したユーザーが After Effects をどのように使用しているかを確認するには、アニメーションプリセットを適用して、U または UU と入力します。これにより、アニメーション化または変更されたレイヤープロパティだけが表示されます。アニメーション化または変更されたプロパティを表示すると、アニメーションプリセットのデザイナーがアニメーションプリセットを作成するためにどのような変更を加えたかを確認できます。

テキストアニメーションプリセットに関するヒントと注意事項

テキストアニメーションプリセットは、NTSC DV 720 x 480 コンポジションで作成されており、各テキストレイヤーは 72 ポイント Myriad Pro を使用しています。プリセットアニメーションは、コンポジション上で、コンポジション外で、またはコンポジションを通してテキストを移動します。アニメーションプリセットの位置の値は、720 x 480 より著しく大きいまたは小さいコンポジションでは正しく適用されない場合があります。例えば、フレーム外から始まるはずのアニメーションがフレーム内で始まったりします。テキストが思ったとおりに配置されない、またはテキストが表示されない場合は、タイムラインパネルまたはコンポジションパネルでテキストアニメーターの位置の値を調節します。

3D テキストのアニメーションプリセットを適用した場合は、レイヤーを回転するか、レイヤーの周囲を回転するカメラを追加して、3D アニメーションを確認してください。

パス」カテゴリのテキストアニメーションプリセットは、ソーステキストを自動的にアニメーションプリセット名に置き換え、フォントカラーを白に変更します。これらのアニメーションプリセットでその他の文字のプロパティが変更される場合もあります。

アニメーションプリセットの「塗りと線」カテゴリには、適用するプリセットの塗りのカラーと線のプロパティを変更するプリセットが含まれています。アニメーションプリセットに線や塗りのカラーが必要な場合は、テキストに線や塗りのカラーを適用したときのみアニメーションが機能します。

アニメーションプリセットに関するオンラインリソース

After Effects に付属のアニメーションプリセットのリストについては、アニメーションプリセットのリストを参照してください。

テキストアニメーターを使ってテキストをアニメートする

アニメーターとセレクターを使ってテキストをアニメートする作業は、大きく次の手順に分かれます。

  1. アニメーターを追加して、アニメートするプロパティを指定する。

  2. セレクターを使用して、アニメーターによる文字ごとの影響度を指定する。

  3. アニメータープロパティを調節する。

注意:

アニメーターの設定をレイヤー内のすべての文字に適用する場合は、初期設定のセレクターを削除します。その場合は、他のレイヤーとほとんど同じ方法でテキストレイヤーをアニメートします。

通常は、アニメータープロパティにキーフレームまたはエクスプレッションを設定する必要はありません。セレクターだけにキーフレームまたはエクスプレッションを設定し、アニメータープロパティに終了値を指定するのが一般的です。

  1. タイムラインパネルでテキストレイヤーを選択するか、コンポジションパネルでアニメーション化する特定の文字を選択します。

  2. 次のいずれかの操作を行います。
    • アニメーションテキストのアニメーション化を選択し、メニューからプロパティを選択します。
    注意:

    文字単位の 3D を有効化メニューではアニメーターは追加されません。このメニューは、アニメーターを追加する前にレイヤーと個々の文字に 3D プロパティを追加するためのものです。

    • タイムラインパネルのスイッチモード列にある、アニメーション化メニューからプロパティを選択します。
    アニメーション化メニューからプロパティを選択
    アニメーション化メニューからプロパティを選択

  3. タイムラインパネルで、アニメータープロパティの値を調節します。通常は、アニメーション化するプロパティの終了値を設定してから、その他をすべてセレクターで制御します。

  4. 範囲セレクター」プロパティグループを開き、「開始」と「終了」プロパティのストップウォッチをクリックしてキーフレームを設定します。次のいずれかを行います。

    • タイムラインパネルで、「開始」と「終了」に値を設定します。
    「範囲セレクター」プロパティグループを展開し、「開始」と「終了」のプロパティのキーフレームを設定します。
    「範囲セレクター」プロパティグループを展開し、「開始」または「終了」プロパティのキーフレームを設定します。

    注意:

    範囲セレクターの「開始」と「終了」プロパティを指定するときに、パーセントよりも文字数で計算したほうが簡単な場合があります。これらのプロパティを文字数(空白文字も含む)で表示するには、範囲セレクターの「高度」プロパティグループの「単位のインデックス」を選択します。

    • コンポジションパネルで、セレクターバーをドラッグします。セレクターバーの真中にポインターを置くと、ポインターはセレクターの移動ポインター に変わります。
  5. 選択を絞り込むには、「高度」を展開し、必要に応じてオプションと値を指定します。

例えば、最初の文字から最後の文字に向かって徐々に不透明度をアニメーション化するには、不透明度のアニメーターを追加してから、アニメータープロパティグループの不透明度値を 0 に設定し、次に初期設定のセレクターの「終了」プロパティのキーフレームを 0 秒時に 0%、特定の時間が経過したときに 100%になるように設定します。

不透明度アニメーターと「終了」プロパティを使用して、テキストレイヤーの不透明度をアニメートした例

アニメーターとセレクターを複数併用することで、複雑なテキストのアニメーションを作成できます。

テキストアニメータープロパティ

アニメータープロパティは、設定した値がアニメーターグループのセレクターで選択した文字だけに適用されることを除き、他のレイヤープロパティと同じように機能します。テキストレイヤーに 3D プロパティを追加する場合は、「文字単位の 3D を有効化」を選択します。このコマンドでは、アニメーターグループにプロパティは追加されません。

  • テキストレイヤーにアニメーターグループを追加するには、タイムラインパネルでテキストレイヤーを選択し、アニメーションテキストのアニメーション化メニュー、またはタイムラインパネルのスイッチモード列に表示されるレイヤーのアニメーターメニューからプロパティを選択します。追加した新しいアニメーターグループは、初期設定のセレクターや選択したアニメータープロパティとともに、タイムラインパネルに表示されます。
  • 既存のアニメーターグループに新しいアニメータープロパティを追加するには、タイムラインパネルでアニメーターグループを選択し、メインメニューのアニメーションテキストのアニメータープロパティを追加、またはタイムラインパネルのアニメーターグループに表示される追加ポップアップメニューからプロパティを選択します。追加した新しいアニメータープロパティは、既存のアニメータープロパティグループの中に表示され、同じセレクターを共有します。
  • アニメータープロパティまたはアニメーターグループを削除するには、タイムラインパネルでこれらを選択して Delete キーを押します。
  • テキストレイヤーからアニメーターを削除するには、タイムラインパネルで、アニメーションすべてのテキストアニメーターを削除を選択します。
  • アニメーターグループをコピーするには、タイムラインパネルでアニメーターグループを選択してから、編集コピーを選択します。アニメーターグループをペーストするには、レイヤーを選択してから、編集ペーストを選択します。
  • アニメーターグループの名前を変更するには、アニメーターグループだけが選択されていることを確認して Enter キー(Windows)または Return キー(macOS)を押すか、グループ名を右クリック(Windows)または Control キーを押しながらクリック(macOS)して「名前を変更」を選択します。
  • アニメーターグループを並べ替えるには、タイムラインパネルで目的の位置にドラッグします。

アニメータープロパティ

アニメータープロパティ
アニメータープロパティ

アンカーポイント

文字のアンカーポイント。スケール変更や回転などのトランスフォームを実行する中心となる点です(テキストのアンカーポイントプロパティを参照)。

位置

文字の位置を指定します。このプロパティの値はタイムラインパネルで指定できます。また、タイムラインパネルでこのプロパティを選択してから、コンポジションパネルで選択ツールを使用してレイヤーをドラッグして位置を変更することもできます。選択ツールを文字の上に置くと、移動ツール に変わります。移動ツールでドラッグしても、Z 軸(深度)の位置は変わりません。

スケール

文字の伸縮比率を指定します。スケールはアンカーポイントに対する相対的な比率なので、スケールの Z の値を変更しても、テキストに 0 以外の Z 値を持つアンカーポイントアニメーターが存在しない限り、目に見える変化はありません。

歪曲

文字の傾斜を指定します。「歪曲軸」は、文字を歪曲する際の中心となる軸を指定します。

回転、X 回転、Y 回転、Z 回転

文字単位の 3D プロパティを有効にしている場合は、X、Y、Z 軸で個別に回転を設定できます。これらのプロパティが無効になっている場合は、通常の回転Z 回転と同じ)のみ使用できます。

すべてのトランスフォームプロパティ

すべてのトランスフォームプロパティが一度にアニメーターグループに追加されます。

ラインアンカー

各テキスト行のトラッキングの整列を指定します。値 0%は左に整列、50%は中央に整列、100%は右に整列です。

行間

複数のテキスト行を含むレイヤー内で、行と行の間隔を指定します。

文字のオフセット

選択した文字をオフセットするための Unicode 値の数。例えば、値 5 を指定すると、単語内の文字がアルファベット順で 5 文字分先へ移動します。例えば、単語「offset」は「tkkxjy」になります。

文字コード

選択した文字の新しい Unicode 値。各文字を、この新しい値で表される 1 文字に置き換えます。例えば、値を 65 に設定すると、単語内のすべての文字が 65 番目の Unicode 文字「A」に置き換わります。つまり、単語「value」は「AAAAA」になります。

文字の範囲

文字の制限を指定します。このプロパティは、文字のオフセットプロパティや文字コードプロパティをレイヤーに追加するたびに表示されます。「文字種別」を選択すると、文字がそれぞれのグループに保持されます。グループには、大文字のアルファベット、小文字のアルファベット、数字、記号、日本語のカタカナなどが含まれています。「すべての Unicode」を選択すると、文字の変更に制限がなくなります。

ブラー

文字に追加するブラー(ガウス)の量を指定します。水平および垂直のブラーの値は、別々に指定できます。

テキストセレクター

各アニメーターグループには、初期設定の範囲セレクターが用意されています。この初期設定のセレクターを別のセレクターに置き換えたり、別のセレクターをアニメーターグループに追加したり、グループからセレクターを削除したりできます。

セレクターはマスクのようなもので、テキストのどの部分に設定を適用するか、またどの程度適用するかを指定します。複数のセレクターを使用し、各セレクターのモード設定を指定して、そのセレクターとテキストや同じアニメーターグループの他のセレクターとのインタラクションを定義することができます。1 つのセレクターしかない場合、モードはそのセレクターとテキストのインタラクションを指定します。加算がデフォルトの動作になり、減算は、セレクターの影響を逆に作用させることになります。

注意:

アニメーターグループからすべてのセレクターを削除した場合は、アニメータープロパティの値がそのレイヤー内のすべての文字に適用されます。この手法は、文字パネルで指定したテキストのプロパティもアニメートできるので、便利です(これ以外には、ソーステキストプロパティ自体で停止キーフレームを使用してアニメートする方法もあります)。

ウィグリーセレクターは、選択範囲を指定量以内で時間的に変化させる場合に使用します。エクスプレッションセレクターは、アニメータープロパティをどの程度文字に適用するかを動的に指定するエクスプレッションを使用する場合に使用します。

  • タイムラインパネルを使用してセレクターを追加するには、タイムラインパネルでアニメーターグループを選択し、そのアニメーターグループの追加メニューから「セレクター」を選択するか、メインメニューのアニメーションテキストセレクターを追加を選択します。サブメニューから「範囲」、「ウィグリー」、「エクスプレッション」のいずれかを選択します。
  • コンポジションパネルを使用してセレクターを追加するには、コンポジションパネルで文字の範囲を選択し、テキストを右クリック(Windows)または Control キーを押しながらクリック(macOS)し、コンテキストメニューから「テキストセレクターを追加」を選択します。サブメニューから「範囲」、「ウィグリー」、「エクスプレッション」のいずれかを選択します。
  • セレクターを削除するには、タイムラインパネルでセレクターを選択して Delete キーを押します。
  • セレクターの名前を変更するには、セレクターだけが選択されていることを確認して、Enter キー(Windows)または Return キー(macOS)を押すか、セレクター名を右クリック(Windows)または Control キーを押しながらクリック(macOS)して「名前を変更」を選択します。
  • セレクターをコピーするには、タイムラインパネルでセレクターを選択してから、編集コピーを選択します。セレクターをペーストするには、レイヤーを選択してから、編集ペーストを選択します。
  • セレクターを並べ替えるには、タイムラインパネルで重なり順の新しい位置にセレクターをドラッグします。
アニメーターグループへの新しい範囲セレクターの追加
新しい範囲セレクターをアニメーターグループに追加

セレクターの共通プロパティ

モード

各セレクターを、テキストや上のセレクターとどのように合成するかを指定します。これは、マスクモードを適用するときに複数のマスクを合成する方法を指定するのに似ています。例えば、特定の 1 語だけをウィグラー制御したい場合は、その単語に範囲セレクターを適用し、さらにウィグリーセレクターを追加して、「交差」モードに設定します。

アニメータープロパティによる文字範囲への影響度を指定します。0%では、アニメータープロパティは文字に影響しません。50%では、各プロパティ値の半分が文字に影響します。このオプションは、時間の経過に応じてアニメータープロパティの結果をアニメートする場合に便利です。エクスプレッションセレクターを使うと、このオプションを動的に設定できます。

単位と基準

開始」、「終了」および「オフセット」の単位を指定します。単位には、パーセントかインデックスのいずれかを使用します。選択範囲の基準には、文字、スペースを除いた文字、単語、行のいずれかを選択します。「文字」を選択した場合は、単語間のスペースが考慮され、アニメーションが単語から単語へ移動するタイミングが調整されます。

オリジナル(左)と、範囲セレクターで VEN を選択し、基準を文字、シェイプを三角形、スケールを 40%に設定したイメージ(右)

範囲セレクターのプロパティ

範囲セレクターには、他のセレクターとの共通プロパティ以外に、次のプロパティが含まれています。

開始と終了

選択範囲の初めと終わりを指定します。タイムラインパネルで範囲セレクターを選択しているときは、コンポジションパネルでセレクターバーをドラッグして開始プロパティと終了プロパティを変更できます。

オフセット

開始プロパティと終了プロパティで指定した選択範囲からどれだけオフセットするかを指定します。「開始」または「終了」の値の編集時にコンポジションパネルでオフセットを設定するには、Shift キーを押しながら選択ツールで開始または終了セレクターバーをクリックします。

シェイプ

範囲の開始終了の間で文字を選択する方法を制御します。いずれかのシェイプを選択すると、選択した文字間のトランジションがそのシェイプ(形状)に従って作成され、選択範囲が変化します。例えば、下へ傾斜を使用してテキスト文字の Y 位置の値をアニメートする場合、文字は左下から右上の角度で徐々に移動します。矩形上へ傾斜下へ傾斜三角形円形滑らかのいずれかを指定できます。

異なるシェイプを使用することで、アニメーションの見た目を大幅に変化させることができます。

オリジナル(左)と、単語全体を選択した後、基準を文字に設定し、単語がフレームの一番下にくるように Y 位置の値をアニメートして、シェイプを下へ傾斜に設定したイメージ(右)

シェイプを三角形に設定

滑らかさ

矩形シェイプを使用するときに、文字から文字にアニメーションがトランジションするのにかかる時間の長さを指定します。

イーズ(高く) とイーズ(低く)

選択した値が対象として完全に含まれる状態(高く)から完全に除外される状態(低く)に変化する速度を指定します。例えば、「イーズ(高く)」が 100%の場合、すべて選択から一部選択に変化するにつれて、文字は段階的に(ゆっくりと)変化します。「イーズ(高く)」が -100%の場合、すべて選択から一部選択に変化するにつれて、文字はすばやく変化します。「イーズ(低く)」が 100%の場合、一部選択から選択なしに変化するにつれて、文字は段階的に(ゆっくりと)変化します。「イーズ(低く)」が -100%の場合、一部選択から選択なしに変化するにつれて、文字はすばやく変化します。

順序をランダム化

範囲セレクターで指定した文字にプロパティを適用する際の順序をランダムにします(これに対して、ウィグリーセレクターを使用する場合は、アニメータープロパティの値がランダムになります)。

ランダムシード

順序をランダム化」オプションがオンに設定された場合の、範囲セレクターのランダム化された順序を計算します。「ランダムシード」がゼロのとき、シードはアニメーターグループに基づいて設定されます。アニメーターのグループを複製して、元のアニメーターのグループでの順序と同じ順にランダム化する場合は、「ランダムシード」をゼロ以外の値に設定します。

ウィグリーセレクターのプロパティ

ウィグリーセレクターには、他のセレクターと共通のプロパティ以外に、次のプロパティが含まれています。

最大量と最小量

選択範囲から変化の量を指定します。

ウィグラー/秒

設定した選択範囲から変化の頻度を秒単位で指定します。

相関性

各文字間の変化量の相関性です。100%では、すべての文字が同時に同じ量でウィグルします。0%では、すべての文字がそれぞれ別々にウィグルします。

時間的フェーズと空間的フェーズ(回転 + 角度)

時間単位(時間的フェーズ)または文字単位(空間的フェーズ)のアニメーションのフェーズに基づいて、ウィグラーの変化を指定します。

次元を固定

ウィグルする選択範囲の各次元を同じ値によってスケールします。このオプションは、スケールプロパティをウィグルするときに便利です。

ランダムシード

ランダム度とランダムシードを参照してください。

エクスプレッションセレクターのプロパティ

タイムラインパネルで、エクスプレッションセレクタープロパティグループとプロパティグループを順に展開すると、エクスプレッションフィールドが表示されます。デフォルトでは、プロパティは selectorValue * textIndex/textTotal というエクスプレッションで始まります。

エクスプレッションセレクターを使用すると、個々の文字にセレクター値を適用できます。エクスプレッションは、文字ごとに 1 回、値が計算されます。評値が計算されるたびに、textIndex という入力パラメーターが更新され、文字のインデックスと照合されます。

注意:

テキストバウンス」または「シャクトリムシ」のアニメーションプリセットをテキストレイヤーに適用すると、エクスプレッションセレクターの使用方法を確認できます。レイヤーのすべてのエクスプレッションを表示するには、レイヤーを選択してから E キーを続けて 2 回押します。

他の場所で使用するエクスプレッション要素以外にも、次の属性を自由に使用して選択内容をアニメートできます。

textIndex

文字、単語または行のインデックスを返します。

textTotal

文字、単語または行の総数を返します。

selectorValue

前のセレクターの値を返します。この値は、タイムラインパネル上ですぐ上にあるエクスプレッションセレクターのことを指します。

注意:

textIndextextTotal および selectorValue 属性は、エクスプレッションセレクターでのみ使用できます。他のセレクターで使用すると、構文エラーになります。

エクスプレッションアニメーターを使用すると、塗りのカラーがランダムに変化します。
エクスプレッションアニメーターを使用すると、塗りのカラーがランダムに変化します。

テキストのアンカーポイントプロパティ

テキストアニメーターでは、アンカーポイントを基準として、文字の位置、回転、サイズに関連するプロパティをアニメートします。アンカーポイントのグループ化というテキストプロパティを使用すると、トランスフォームに使用するアンカーポイントが文字、単語、行またはテキストブロック全体のどれを単位としたものかを指定できます。また、アンカーポイントの配置プロパティを使用すると、グループのアンカーポイントを基準にして、文字のアンカーポイントの位置を制御することができます。

元のテキスト(一番左)と、「アンカーポイントの配置」プロパティを使って文字、単語、行のアンカーポイントを基準にテキストを回転した例
元のテキスト(一番左)と、「アンカーポイントの配置」プロパティを使って文字、単語、行のアンカーポイントを基準にテキストを回転した例

  1. タイムラインパネルでテキストレイヤーを展開し、詳細オプションプロパティグループを展開します。

  2. 次のいずれかの操作を行います。
    • アンカーポイントのグループ化ポップアップメニューから、文字のアンカーポイントをグループ化する単位を選択します。
    • 「アンカーポイントの配置」の値を下げると、個々のアンカーポイントが上または左に移動します。
    • 「アンカーポイントの配置」の値を上げると、個々のアンカーポイントが下または右に移動します。
    注意:

    大文字の文字列の中央にアンカーポイントを配置するには、「アンカーポイントの配置」の値を 0%と -50%にしてみてください。小文字の文字列の中央にアンカーポイントを配置する場合、または大文字と小文字を両方使用している場合は、0%と -25%にしてみてください。

テキストアニメーションのタイムラインパネルで特定のプロパティを選択すると、アンカーポイントがコンポジションパネルに表示されます。これらのプロパティとしては、アンカーポイントのグループ化アンカーポイントの配置およびアニメータープロパティのアンカーポイント位置スケール、回転(文字ごとの 3D バージョンである X 回転Y 回転Z 回転を含む)があります。

文字単位の 3D テキストプロパティ

3D アニメータープロパティを使って、個々の文字を 3 次元に移動、スケール変更、回転することができます。これらのプロパティは、レイヤーで文字単位の 3D 化を有効にすると使用できるようになります。位置アンカーポイントおよびスケールに 3 つ目の次元が追加されるほか、回転では、さらに 2 つのプロパティ(X 回転Y 回転)を使用できるようになります。2D レイヤーの回転プロパティは、Z 回転という名前に変わります。

3D テキストレイヤーには、「各文字を個別に方向設定」という自動方向オプションもあります。このオプションを使用すると、それぞれの文字のアンカーポイントを基準に文字の向きを別々に変えて、アクティブなカメラの方向に向けることができます。テキストレイヤーの文字単位の 3D プロパティがまだ有効になっていなければ、「各文字を個別に方向設定」を選択したときに有効になります(自動方向オプションを参照)。

文字単位の 3D 化を有効にすると、テキストレイヤーに含まれる個々の文字がそのレイヤー内で独自の 3D レイヤーのように機能し、コラップストランスフォームが適用されたプリコンポジションのように動作します。文字単位の 3D 化を有効にしたレイヤーは、コラップストランスフォームが適用された 3D プリコンポジションの通常の規則に従って他の 3D レイヤーと交差します(レンダリングの順序とコラップストランスフォームが 3D レイヤーに与える影響を参照)。

文字単位の 3D 化を有効にすると、そのテキストレイヤー自体が自動的に 3D レイヤーになります。したがって、テキストレイヤーは、他のレイヤーから「Y 回転」プロパティをコピー&ペーストしたり、3D テキストのアニメーションプリセットを適用した場合など、文字単位の 3D のプロパティが追加されたときに 3D レイヤーになります。

文字単位で 3D が適用されているレイヤーには、スイッチ列に特別なアイコン が表示されます。

詳細オプションプロパティグループの「文字間の描画モード」と「塗りと線」オプションは、文字単位の 3D 化を有効にしたレイヤーでは使用できません。

文字単位の 3D 化を有効にしたレイヤーを使用すると、レンダリングの処理速度が遅くなることがあります。また、文字単位の 3D 化を有効にしたレイヤーを 2D レイヤーに変換すると、文字単位の 3D 化レイヤー特有のアニメータープロパティと次元が削除されます。再度文字単位の 3D 化を有効にしても、これらのプロパティの値は元に戻りません。

  • テキストレイヤーで文字単位の 3D アニメータープロパティを有効にするには、テキストレイヤーを選択してから、アニメーションテキストのアニメータープロパティを追加メニューまたはタイムラインパネルアニメーターポップアップメニューから「文字単位の 3D 化を使用」を選択します。
  • テキストレイヤーで文字単位の 3D アニメータープロパティを無効にして 2D レイヤーに変換するには、タイムラインパネルで目的のテキストレイヤーのスイッチ列にある文字単位の 3D 化スイッチ をクリックします。
  • テキストレイヤーで文字単位の 3D 化を無効にしても、3D レイヤーとして維持するには、「文字単位の 3D 化を使用」をもう一度選択して、このオプションを選択解除します。

文字単位の 3D テキストアニメーションに関するオンラインリソース

Trish と Chris Meyer が、ProVideo Coalition の web サイトで、文字単位の 3D テキストアニメーションを紹介するビデオを公開しています。

パスに沿ったテキストの作成と アニメート

テキストレイヤー内にマスクを作成すると、マスクをテキストのパスとして設定し、そのパスに沿ってテキストをアニメートしたり、そのパス自体をアニメートすることもできます。オープンマスクやクローズマスクを使用して、テキストのパスを作成できます。作成したパスは、いつでも変更できます。閉じたマスクをテキストパスとして使用するには、マスクモードを「なし」に設定してください。

注意:

テキストレイヤーのパスのオプションプロパティグループを無効にするには、パスのオプションプロパティグループの表示 (目玉)スイッチを選択します。パスのオプションプロパティグループを一時的に無効にすると、テキストの編集や書式設定が容易になります。

マスクのパスに沿ったテキストの配置

  1. テキストレイヤーを作成して、テキストを入力します。
  2. テキストレイヤーを選択した状態で、ペンツールまたはマスクツールを使用し、コンポジションパネル内でマスクを描画します。

  3. タイムラインパネルで、テキストレイヤーのパスのオプションプロパティグループを展開し、パスポップアップメニューからマスクを選択します。テキストは、段落パネルで指定したとおりに自動的に配置されます。

  4. パスのテキストの位置を調整するには、タイムラインパネルの最初のマージン最後のマージンプロパティを使用するか、コンポジションパネルで次のいずれかの操作を行います。

    • 左マージンコントロール 、中央マージンコントロール 、または右マージンコントロール を使ってパスに沿うようにテキストを移動します。
    • Shift キーを押しながらマージンコントロールをドラッグして、マスクの頂点にコントロールをスナップします。
    注意:

    コンポジションパネルでマージンコントロールを表示するには、タイムラインパネルでテキストプロパティグループからプロパティを選択します。テキストの整列具合によって、表示されるコントロールが決まります。

    コンポジションパネル内のパステキストの最後のマージンの変更

テキストパスプロパティ

パスのオプションプロパティを使用して、パスを指定したり、パスと直角、左右に整列、反転パスなど、個々の文字がパス上でどのように表示されるかを設定したりできます。パスのオプションプロパティをアニメートすることで、パスに沿ってテキストが移動するアニメーションを簡単に作成できます。

パスを反転

パスの方向を逆にします。

パスと直角

各文字をパスに対して直角になるように回転させます。

均等整列

パスの始点(または「最初のマージン」で指定した位置)に最初の文字を置き、パスの終点(または「最後のマージン」で指定した位置)に最後の文字を置き、両者の間にその他のすべての文字を均等に配置します。

最初のマージン

最初の文字の位置を、パスの始点から相対的にピクセル単位で指定します。テキストが右揃えになっていて、均等整列オフに設定されている場合は、最初のマージンの値は適用されません。

最後のマージン

最後の文字の位置を、パスの終点から相対的にピクセル単位で指定します。テキストが左揃えになっていて、均等整列オフに設定されている場合は、最後のマージンの値は適用されません。

After Effects をさらに活用する

Adobe After Effects では、驚異的なモーショングラフィック、テキストアニメーション、視覚効果を作成することができます。フィルム、TV、ビデオおよび web をデザインすることができます。

ヘルプをすばやく簡単に入手

新規ユーザーの場合