ビデオから不要なオブジェクトまたは領域を削除するのは、時間のかかる複雑なプロセスになることがあります。コンテンツに応じた塗りつぶし機能を使用すると、いくつかの簡単な手順で、ビデオからマイク、ポール、人物などの不要なオブジェクトを削除できます。Adobe Sensei を利用したこの機能は時間を認識するので、選択範囲を自動的に削除し、時間の経過に沿ってフレームを分析して、欠けているピクセルを他のフレームから取得して塗りつぶすことができます。領域を囲む選択範囲を描画するだけで、その部分を周囲の領域から取得した新しい画像の詳細で即座に置き換えることができます。

このツールにより、画像の残りの部分とシームレスにブレンドして塗りつぶすのに役立つオプションが提供されます。コンテンツに応じた塗りつぶしパネルには、不要なオブジェクトを削除して透明な領域を塗りつぶすのに役立つ様々なオプションが用意されています。このパネルには様々な機能が追加されており、不要な領域を置き換えるために画像のどの部分を使用するかをより細かく制御できます。

コンテンツに応じた塗りつぶしの使用方法

コンテンツに応じた塗りつぶしパネルに含まれている様々な機能を使用することで、ビデオから不要なオブジェクトを正確に削除できます。ただし、これらすべての機能がすべての状況に役立つわけではありません。以下の例を参照して、異なる状況で異なる機能がどのように役立つかを確認してください。

コンテンツに応じた塗りつぶし機能を使用するために実行する必要がある手順の概要を以下に示します。

  1. 置き換えるオブジェクトまたは領域を囲むように選択範囲(マスクなど)を描画します。

  2. ウィンドウ/コンテンツに応じた塗りつぶしを使用して、コンテンツに応じた塗りつぶしパネルを開きます。

  3. マスクを追加したレイヤーを選択し、描画モードドロップダウンを開きます。リストから「減算」を選択します。

  4. コンテンツに応じた塗りつぶしパネルで、「塗りつぶし方式」を選択し、「塗りつぶしレイヤーを生成」をクリックします。塗りつぶしの生成機能により、タイムラインパネルで選択したレイヤーの上に塗りつぶしレイヤーが追加されます。このレイヤーには、塗りつぶしレイヤーを生成するときに After Effects によって分析された画像のシーケンスが含まれています。

この機能の仕組みを理解するために、以下の例を見てみましょう。

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画像から赤い自動車を削除するには、次の手順に従います。

  1. ウィンドウ/マスクとシェイプコマンドを使用して、自動車を囲むマスクを描画します。最良の結果を得るには、After Effects がフレームをうまく分析できるようにするために、ある程度のスペースを残しながらオブジェクトの近くを囲むようにマスクを描画します。

  2. タイムラインパネルでレイヤーを右クリックし、描画モードドロップダウンメニューから「減算」を選択します。After Effects によって、自動車の代わりに透明領域が作成されます。

  3. コンテンツに応じた塗りつぶしパネルを開くには、ウィンドウ/コンテンツに応じた塗りつぶしを選択します。

  4. パネルに複数のオプションが表示されます。パネルオプションの詳細なリストについては、コンテンツに応じた塗りつぶしパネルを参照してください。次の設定を使用します。

    • 塗りつぶし方式」を「オブジェクト」に設定します。
    • 「範囲」を「デュレーション全体」に設定します。
  5. 塗りつぶしレイヤーを生成」をクリックします。After Effects によって各フレームが分析され、透明領域が塗りつぶされ、タイムラインパネルに塗りつぶしレイヤーが追加されます。このレイヤーには、After Effects によって分析された画像のシーケンスが含まれています。レイヤーの名前に、そのシーケンス内の画像の数が表示されます。

「オブジェクト」塗りつぶし方式を使用すると、フッテージからオブジェクトが削除されます。現在のフレームと周囲のフレームから取得したピクセルを使用して透明領域が塗りつぶされ、継ぎ目がないように見えるフレームが出力されます。

コンテンツに応じた塗りつぶしパネル

コンテンツに応じた塗りつぶしパネルを開くには、ウィンドウ/コンテンツに応じた塗りつぶしを選択します。

  • 塗りつぶしターゲット:コンテンツに応じた塗りつぶし機能で分析するアルファマットのサムネール。透明領域は、サムネール内ではコントラストを高めるためにピンク色で囲まれます。
  • アルファ拡張:透明領域のサイズを大きくします。これにより、より良い塗りつぶし結果が得られる場合があります。
  • 塗りつぶし方式:描画する塗りつぶしのタイプを選択します。
    • オブジェクト:フッテージからオブジェクトを削除します。現在のフレームと周囲のフレームから取得したピクセルを合成して透明領域を塗りつぶします。道路を走る自動車のような動きのあるオブジェクトを置き換えるのに最適です。
    • :オブジェクトの表面を置き換えます。ピクセルを合成して透明領域を塗りつぶすという点で「オブジェクト」と似ていますが、表面の動きの推測はおこなわれません。壁の看板のように、静的な表面に最適です。
    • エッジブレンド:周囲のエッジのピクセルをブレンドします。透明領域のエッジのピクセルをサンプリングし、それらをブレンドすることによって、透明領域を塗りつぶします。レンダリングは高速におこなわれます。紙の上の文字のように、テクスチャのない表面上の静的オブジェクトを置き換えるのに最適です。
  • 範囲:塗りつぶしレイヤーを描画する対象を作業領域のみにするか、コンポジションのデュレーション全体にするかを選択します。
  • リファレンスフレームを作成:単一フレームの塗りつぶしレイヤーフレームを作成し、Photoshop で開きます。リファレンスフレームは、コンテンツに応じた塗りつぶし機能に目的の塗りつぶしレイヤーの外観を学習させるのに役立ちます。例えば、コンテンツに応じた塗りつぶしで良い結果が得られない場合は、Photoshop のツール(クローン、パッチなど)を使用してリファレンスフレームでより良い結果を作成した後、新しい塗りつぶしレイヤーを生成します。コンテンツに応じた塗りつぶしにより、リファレンスフレームのピクセルが塗りつぶしレイヤーの新しいフレームに反映されます。ショットによっては、照明やカメラの角度が変わるフレームに複数のリファレンスフレームを作成することもできます。
  • 塗りつぶしレイヤーを生成:新しい塗りつぶしレイヤーを作成します。分析とレンダリングの進行状況がパネルの下部に表示されます。コンテンツに応じた塗りつぶしでは、現在の時間インジケーター(CTI)がある位置のフレームの分析とレンダリングが優先されます。塗りつぶしのレンダリング中に CTI を別のフレームに移動してそのフレームを優先させることができます。これは、塗りつぶしレイヤー全体が生成される前に結果が適切かどうかを判断するのに役立ちます。

コンテンツに応じた塗りつぶしの設定

コンテンツに応じた塗りつぶしの設定ダイアログを開くには、コンテンツに応じた塗りつぶしパネルのタイトルバーにあるメニューアイコン(3 本のバー)をクリックし、「コンテンツに応じた塗りつぶしの設定」を選択します。

  • 出力の色深度:塗りつぶしレイヤーシーケンスファイルの書き込みに使用される色深度。チャンネルあたりのビット数で表されます(8、16 または 32 bpc)。出力の色深度は、デフォルトでプロジェクトの色深度を継承します。
  • 保存先:塗りつぶしレイヤーシーケンスファイルを保存する場所を選択します。デフォルトでは、ファイルはプロジェクトファイルと同じフォルダー内の Fills という名前のフォルダーに保存されます。
  • パスのタイプ:「プロジェクト相対」の場合、ファイルはプロジェクトファイルからの相対位置に保存されます。「絶対」の場合は、フォルダーのフルパスを指定します。
  • パス:フォルダーのパスです。「絶対」の場合、フォルダーのフルパスを指定します。「プロジェクト相対」の場合、プロジェクトファイルからの相対パスを指定します。パス内の単一のドット(.)は、プロジェクトファイルが置かれているフォルダーを表します。2 つのドット(..)は、1 レベル上または下に移動することを表します。
  • Photoshop のリファレンスフレームを作成:リファレンスフレームを PSD ファイルとして保存し、Photoshop で開きます。デフォルトでは有効になっています。無効にした場合、リファレンスフレームは PNG(8 または 16 bpc)または EXR(32 bpc)ファイルとして保存され、それらのファイルタイプのシステムのデフォルトアプリケーションで開かれます。
  • 出力用の Photoshop シーケンスを作成:塗りつぶしレイヤーシーケンスを PSD ファイルとして保存します。デフォルトでは無効になっています。無効にした場合、塗りつぶしレイヤーシーケンスは PNG(8 または 16 bpc)または EXR(32 bpc)ファイルとして保存されます。
  • 未使用の塗りつぶしフッテージを自動管理:新しい塗りつぶしレイヤーが生成されたときに、コンポジションで使用されていない塗りつぶしレイヤーのフッテージを削除するかどうかを尋ねられます。デフォルトでは無効になっています。

未使用の塗りつぶしフッテージを削除

コンポジションで使用されていない塗りつぶしレイヤーのフッテージを手動で削除するには、コンテンツに応じた塗りつぶしパネルのタイトルバーにあるメニューアイコン(3 本のバー)をクリックし、「未使用の塗りつぶしフッテージを削除」を選択します。

コンテンツに応じた塗りつぶしに関する既知の問題

  • macOS では、フレームレンダリング中に CTI を移動しても、CTI がある位置のフレームのレンダリングが優先されません。
  • macOS では、プロジェクトがドライブのルートディレクトリにある場合、塗りつぶしレイヤーのフッテージは生成されません。
  • 塗りつぶしレイヤーを生成しているときに、CPU 使用率が 100%を超えます。
  • 出力パスが「プロジェクト相対」に設定されている場合にプロジェクトをネットワークボリュームに保存すると、塗りつぶしレイヤーの生成は失敗します。
  • Photoshop でリファレンスフレームへの変更を保存しても、それらの変更が After Effects に自動的に表示されません。これに対処するには、プロジェクトパネルのリファレンスフレームを右クリックし、「フッテージを再読み込み」を選択します。

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