レイヤー/新規/カメラを選択するか、Ctrl+Alt+Shift+C (Windows) を押すか、またはCommand+Option+Shift+C (macOS) を押します。
- After Effects ユーザガイド
- ベータ版のリリース
- はじめに
- Workspaces
- プロジェクトとコンポジション
- フッテージの読み込み
- テキストとグラフィック
- テキスト
- モーショングラフィック
- 描画、ペイント、パス
- レイヤー、マーカー、カメラ
- アニメーション、キーフレーム、モーショントラッキング、キーイング
- アニメーション
- キーフレーム
- モーショントラッキング
- キーイング
- 透明度と合成
- カラーの調整
- エフェクトおよびアニメーションプリセット
- エクスプレッションと自動化
- イマーシブビデオ、VR、3D
- After Effects での VR 環境の作成
- イマーシブビデオエフェクトの適用
- VR/360 度ビデオの合成ツール
- 高度 3D レンダラー
- 3D モデルを読み込んでコンポジションに追加
- Creative Cloud ライブラリからの 3D モデルの読み込み
- 画像ベースの照明
- 3D モデルからのライトとカメラの抽出およびアニメーション化
- 3D カメラの移動のトラッキング
- シャドウを落とすおよび受ける
- 埋め込まれた 3D モデルアニメーション
- シャドウキャッチャー
- 3D 深度データ抽出
- 3D レイヤーのマテリアルプロパティの変更
- 3D デザインスペースでの作業
- 3D 変形ギズモ
- 3D アニメーションによるその他の操作
- Mercury 3D エンジンを使用した、3D デザインへのリアルタイムのプレビュー変更
- グラフィックへのレスポンシブデザインの追加
- ビューとプレビュー
- レンダリングと書き出し
- その他のアプリケーションの使用
- 共同作業:Frame.io と Team Projects
- メモリ、ストレージおよびパフォーマンス
- ナレッジベース
カメラレイヤーを使用すると、どの角度または距離からでも 3D レイヤーを表示できます。写真を撮る際に、シーン自体を動かしたり回転したりするよりも、カメラをシーンに応じて動かす方が簡単であるのと同じように、カメラレイヤーを設定してコンポジション内で移動し、コンポジションの視点を変化させる方が簡単です。
実際のカメラや、合成するフッテージの記録に使用する設定に合わせてカメラ設定を変更したりアニメートしたりして、カメラを構成することができます。また、カメラ設定を使用して、被写界深度ブラーやパン、ドリーショットなど、実際のカメラのような動作を合成エフェクトやアニメーションに追加することもできます。
カメラは、コンポジションカメラ属性に対応したエフェクトを適用した 3D および 2D レイヤーにのみ影響します。コンポジションカメラ属性があるエフェクトでは、アクティブなコンポジションカメラまたはライトを使用することで、エフェクトを様々な角度から表示したり、ライトを当てたりする高度な 3D エフェクトを再現できます。
アクティブカメラを使用してコンポジションを表示するか、特定の名前のカスタムカメラを使用してコンポジションを表示できます。アクティブカメラは、ビデオスイッチ が選択されているタイムラインパネルで、その時点で一番上にあるカメラです。アクティブカメラビューは、最終出力の作成やコンポジションのネスト化で使用される視点です。カスタムカメラを作成していない場合は、アクティブカメラは初期設定のコンポジションビューと同じです。
すべてのカメラは、コンポジションパネルの下部の3D ビューメニューに表示されます。3D ビューメニューはいつでも使用できます。
カメラは、通常、カスタム 3D ビューを使用しているときに調整を行うのが最も簡単です。カメラを通して見ている場合は、そのカメラ本体を確認して操作できません。
A. 目標点 B. フレーム C. カメラ
カメラレイヤーを作成する
-
注意:
初期設定では、新しいレイヤーは、コンポジションのデュレーションの開始点から始まります。現在の時間から新しいレイヤーを開始する場合は、編集/環境設定/一般設定(Windows)または After Effects/環境設定/一般設定(macOS)を選択して、「レイヤーをコンポジションの開始時間に作成」チェックボックスをオフにします。
カメラ設定を変更する
カメラ設定はいつでも変更できます。
-
タイムラインパネルでカメラレイヤーをダブルクリックするか、カメラレイヤーを選択してからレイヤー/カメラ設定を選択します。
初期設定では、カメラ設定ダイアログボックスの「プレビュー」オプションが選択されています。このオプションが選択されていると、カメラ設定ダイアログボックスの設定内容に従って、コンポジションの表示が変更されます。
カメラレイヤーを選択してプロパティパネルを使用すると、カメラ設定に素早くアクセスして調整したり、レイヤーの変換を操作したりできます。
種類
1 ノードカメラまたは 2 ノードカメラを選択します。1 ノードカメラは自身を中心に回るカメラで、2 ノードカメラは設定された目標点を中心に回るカメラです。カメラを 2 ノードカメラにするということは、カメラの自動方向オプション(レイヤー/トランスフォーム/自動方向)を「目標点に向けて方向を設定」に設定することと同じです。
名前
カメラの名前。初期設定では、コンポジションで最初に作成するカメラに「カメラ 1」という名前が付き、その後作成するカメラに続きの番号が振られます。複数のカメラを使用する場合は、簡単に区別できるように特徴のある名前を付けてください。
プリセット
使用するカメラ設定の種類。プリセットには、焦点距離を表す名前が付きます。各プリセットは、特定の焦点距離のレンズを搭載した 35 mm カメラの動作を設定したものです。1 つのプリセットで、ビューの角度、ズーム、フォーカス距離、焦点距離および絞り値が設定されます。初期設定のプリセットは 50 mm です。設定の値を新たに決めて、カスタムカメラを作成することもできます。
ズーム
レンズからイメージエリアまでの距離。つまり、ズームの距離をおいたレイヤーは最大サイズで表示され、ズームの 2 倍の距離をおいたレイヤーは半分の高さと幅で表示されます。
画角
イメージにキャプチャされるシーンの幅。ビューの角度は、焦点距離、フィルムサイズ、 およびズームの値によって決まります。ビューの角度を大きくする、 広角レンズと同じ効果が得られます。
被写界深度
フォーカス距離、絞り、F-Stop およびブラーレベルの設定にカスタム変数を適用します。これらの変数を使用すると、被写界深度を制御して、より実際のカメラに近いフォーカシング効果を再現できます(被写界深度は、被写体にピントが合う距離範囲です。この距離範囲外のイメージは、ピントがぼけた状態になります)。
フォーカス距離
被写体にピントを完全に合わせるための、カメラから被写体の平面までの距離。
カメラの目標点にピントが合うようにフォーカルプレーンを目標点にロックするには、「フォーカス距離」のプロパティに length(position, pointOfInterest) というエクスプレッションを追加します。
ズームに固定
フォーカス距離をズームの値に合わせます。
タイムラインパネルで「ズーム」オプションまたは「フォーカス距離」オプションの設定を変えると、ズーム値とフォーカス距離の相対関係が解除されます。フォーカス距離とズーム値の相関関係を維持したままこれらの値を変更する場合は、タイムラインパネルではなくカメラ設定ダイアログボックスを使用してください。または、タイムラインパネルで「フォーカス距離」プロパティにエクスプレッションを追加します。これを行うには、「フォーカス距離」プロパティ/アニメーション/エクスプレッションを追加を選択して、エクスプレッションピックウイップを「ズーム」プロパティまでドラッグします。
絞り
レンズの開口部のサイズ。絞り設定は、被写界深度にも影響します。絞りを大きくすると、被写界深度ブラーが増します。絞りを変更すると、それに合うように F-Stop が変更されます。
実際のカメラでは、絞りを増やすと光の量が増え、露出に影響します。3D の合成やアニメーションの多くのアプリケーションと同様、After Effects では絞り値の変更は無視されます
F-Stop
焦点距離と絞りの比率を表します。たいていのカメラでは、F-Stop に基づいて絞りサイズを指定します。 このため、多くの写真家は、絞りサイズを F-Stop 単位で設定することを好みます。 F-Stop を変更すると、それに合うように絞りが変更されます。
ブラーレベル
イメージ内の被写界深度ブラーの量。値を 100%に設定すると、 カメラ設定に従って自然なブラーが作成されます。 値を小さくすると、ブラーが減少します。
フィルムサイズ
フィルムの露光部分のサイズ。このサイズは、コンポジションのサイズに直接影響します。フィルムサイズを変更すると、ズーム値が実際のカメラの遠近に合うように変更されます。
焦点距離
フィルムの表面からカメラレンズまでの距離。After Effects では、カメラの位置がレンズの中心を表します。焦点距離を変更すると、ズーム値が実際のカメラの遠近に合うように変更されます。また、プリセット、画角および絞りの値も変更されます。
単位
カメラの設定値の測定単位。
フィルムサイズ測定
フィルムサイズを表すのに使用する寸法。
カメラコマンド
After Effects には、個別に使用したり、ステレオ 3D リグの作成機能と組み合わせて使用することが可能なカメラコマンドがあります。カメラコマンドを使用するには、レイヤーを選択して、レイヤー/カメラを選択します。
フォーカス距離を目標点へリンク
選択されたカメラレイヤーの「フォーカス距離」プロパティにエクスプレッションを作成して、プロパティの値をカメラと目標点間の距離に設定します。
フォーカス距離をレイヤーへリンク
選択されたカメラレイヤーの「フォーカス距離」プロパティにエクスプレッションを作成して、プロパティの値をカメラの位置と別のレイヤー間の距離に設定します。これにより、フォーカスはほかのレイヤーを自動的に追従するようになります。
フォーカス距離をレイヤーに設定
現在時間の「フォーカス距離」プロパティの値を、現在時間のカメラと選択されたレイヤー間の距離に設定します。
ライトレイヤーは、3D レイヤーのライトの設定やマテリアルオプションプロパティによっては、ライトを当てる 3D レイヤーのカラーに影響する場合があります。各ライトは、初期設定では、目標点を向いています。
ライトを使用して、3D レイヤーに照明を当てたり、シャドウを投影したりできます。ライトは、シーンの照明条件を合成したり、特殊効果を再現したりするときに使用できます。例えば、ライトレイヤーを使用して、ビデオレイヤーがステンドグラスであるかのようにライトを透過させることができます。
「ライトの種類」と「シャドウを落とす」を除き、ライトの設定はすべてアニメートできます。
A. 目標点 B. ライトアイコン
ライトを当てる 3D レイヤーを選択するには、まずライトを調整レイヤーとして指定します。それをタイムラインパネルでライトの投射先となるレイヤーの上に配置します。タイムラインパネルでライト調整レイヤーよりも上にあるレイヤーには、コンポジションパネルでのレイヤーの位置に関係なく、ライトは投射されません。
ライトを作成する
-
レイヤー/新規/ライトを選択するか、Ctrl + Alt + Shift + L キー(Windows)または Command + Option + Shift + L キー(macOS)を押します。
作成するライトには、ライトの種類名が含まれています。例えば、スポットライトを追加すると、「スポットライト 1」という名前になります。
ライトの種類を変更すると、ライトの種類名が自動的に変更されます。名前が変更されず、タイムラインパネルでライトの種類が変更されなかった場合のみ、ライトの名前が変更されます。例えば、「スポットライト 1」をポイントライトに変更すると、ライトの名前が自動的に「ポイントライト 1」に変更されます。
ライト設定を変更する
-
タイムラインパネルでライトレイヤーをダブルクリックするか、レイヤーを選択してからレイヤー/ライト設定を選択します。
注意:ダイアログボックスで設定を変更しながら結果をコンポジションパネルに表示するには、ライト設定ダイアログボックスのプレビューを選択します。
また、ライトレイヤーを選択し、プロパティパネルを使用してライト設定に素早くアクセスして調整したり、レイヤーの変換を操作したりすることもできます。
ライトの種類
平行ライトは、無限に離れた光源から、ある方向に制約なしでライトを照射します。これは、太陽のような光源からの光に似ています。スポットライトは、懐中電灯や、舞台で使用されるスポットライトのように、光源から円錐状のライトを照射します。ポイントライトは、裸電球からの光線のように、制約なく全方向にライトを照射します。アンビエントライトには光源はなく、場面の全体的な明るさを高め、シャドウを投影しません。環境光は、画像ベースの環境マップを使用して、リアルな照明、反射、シャドウを作成します。
アンビエントライトの空間内の位置は、他のレイヤーへの作用に影響しないので、コンポジションパネルにはアイコンがありません。
カラー
ライトのカラー。
強度
ライトの輝度。負の値を指定すると、 無光が作成されます。無光は、レイヤーからカラーを減算します。例えば、既にライトが当たっているレイヤーがあり、 そのレイヤーに投射する負の値の無光を作成すると、そのレイヤー上で無光が当たっている領域が暗くなります。
円錐頂角
光源を中心とする円錐の角度で、投射距離に応じて光線の幅を決定します。このコントロールを使用できるのは、「ライトの種類」が「スポット」の場合だけです。スポットライトの円錐頂角は、コンポジションパネルでライトアイコンの形状で表されます。
After Effects CS6 以降では、選択したスポットライトの円錐を目標点まで延長できます。
円錐ぼかし
スポットライトのエッジの柔らかさ。このコントロールを使用できるのは、「ライトの種類」が「スポット」の場合だけです。
フォールオフ
平行ライト、スポットライト、ポイントライトのフォールオフのタイプ。フォールオフは、距離が離れるに従って光の強さがどのように低下するかを表します。
フォールオフのタイプは次のとおりです。
- 「何もなし」の場合は、レイヤーと照明間の距離が増えるに従ってレイヤーの照度が低下することがありません。
- 「スムーズ」の場合は、「フォールオフの開始」に指定した半径から開始し、「フォールオフの距離」に指定した距離までのスムーズなリニアフォールオフになります。
- 「逆二乗クランプ」の場合は、「フォールオフの開始」に指定した半径から開始し、距離の逆二乗に比例して光強度が低下する、物理的に正確なフォールオフになります。
半径
フォールオフが開始する、ライトからの半径を指定します。この半径の内側では光の強度は一定になり、外側ではフォールオフします。
フォールオフの距離
光強度が 0%になる、ライトからの距離を指定します。
シャドウを落とす
光源でレイヤーにシャドウを投影するかどうかを指定します。シャドウの投影先となるレイヤーで「シャドウを受ける」マテリアルオプションをオンにします(これが初期設定です)。また、シャドウを投影するレイヤーで「シャドウを落とす」マテリアルオプションをオンにします(これは初期設定ではありません)。
選択したレイヤーの「シャドウを落とす」のオン/オフを切り替えるには、Alt + Shift + C キー(Windows)またはOption + Shift + C キー(macOS)を押します。タイムラインパネルでマテリアルオプションプロパティを表示するには、A キーを続けて2 回押します。
シャドウの暗さ
シャドウの暗さを設定します。このコントロールを使用できるのは、「シャドウを落とす」が選択されている場合のみです。
シャドウの拡散
シャドウを投影するレイヤーからの見かけの距離に基づいて、シャドウの柔らかさを設定します。値を大きくすると、シャドウがソフトになります。このコントロールを使用できるのは、「シャドウを落とす」が選択されている場合のみです。
3D ビューの調整、カメラ、ライト、 または目標点の移動
他のプロパティと同様に、タイムラインパネルやプロパティパネルで直接カメラとライトのプロパティを変更することもできます。
選択ツールおよび回転ツールを使用して、 カメラ、ライト、または目標点を移動する
-
カメラレイヤーまたはライトレイヤーを選択します。
-
選択ツールまたは回転ツールを使用し、次のいずれかの操作を行います。
カメラやライト、およびそれらの目標点を移動するには、調節する軸をドラッグします。
目標点を移動せずに、1 つの軸に沿ってカメラやライトを移動するには、Ctrl キー(Windows)または Command キー(macOS)を押しながら軸をドラッグします。
目標点を移動せずにカメラやライトを自由に移動するには、カメラアイコン またはライトアイコンをドラッグします。
目標点を移動するには、目標点アイコン をドラッグします。
カメラツールを使用して、 カメラビューまたは作業用 3D ビューを移動または調節する
コンポジションパネル上でカメラツールを使用して、カメラレイヤーの位置プロパティと目標点プロパティを調節できます。
また、カメラツールを使用して、作業用 3D ビューを調節することもできます。このビューは、カメラレイヤーに関連付けられていない 3D ビューです。3D ビューとは、コンポジションの表示やプレビューに使用できる仮想的なカメラのようなものです。作業用 3D ビューには、カスタムビューと、固定の直交ビュー(フロント、レフト、トップ、バック、ライト、ボトム)が含まれます。作業用 3D ビューは、3D シーン内の要素の配置やプレビューに便利です。カメラツールを使用して作業用 3D ビューを調節しても、レイヤーのプロパティ値は変更されません。
3D ビューの変更後、ビュー/3D ビューをリセットを選択してリセットできます。詳しくは、3D ビューの選択と使用を参照してください。
固定の直交ビューで軌道カメラツールを使用することはできません。
-
コンポジションパネル下部にある 3D ビューメニューで、調節するカメラビューまたは 3D ビューを選択します。
-
カメラツールをアクティブにします。
カメラツールをアクティブにするには、ツールパネルで選択するか、C キーを押してカメラツールを順に切り替えます。様々なカメラツールを切り替える最も簡単な方法は、統合カメラツールを選択し、3 ボタンのマウスのボタンを使用する方法です。
軌道カメラ
目標点を中心に動かしながら、3D ビューまたはカメラを回転させます(統合カメラツールを選択したときに一時的に軌道カメラツールをアクティブにするには、マウスの左ボタンを押したままにします)。
注意:統合カメラツールが選択された状態で Shift キーを押しながらドラッグすると、軌道カメラツールが一時的に有効になり、回転軸が 1 つに制限されます。
XY 軸カメラ
3D ビューまたはカメラを水平方向または垂直方向に調節します(統合カメラツールを選択したときに一時的に XY 軸カメラツールをアクティブにするには、マウスの中央ボタンを押したままにします)。
Z 軸カメラ
目標点に向かっている線に沿って、3D ビューまたはカメラを調整します。直交ビューを使用している場合は、このツールでビューのスケールが調整されます(統合カメラツールを選択したときに一時的に Z 軸カメラツールをアクティブにするには、マウスの右ボタンを押したままにします)。
-
コンポジションパネルでドラッグします。パネル内でドラッグし始めたら、そのままパネルの外側にまでドラックし続けてもかまいません。
3D ビューの変更後、ビュー/3D ビューをリセットを選択してリセットできます。
レイヤーが全体的に表示されるようにカメラまたは作業用 3D ビューを移動または調節する
選択したレイヤーまたはすべてのレイヤーが全体的に表示されるように、カメラを移動するか、3D ビューを調節することもできます。After Effects では、選択したレイヤーが表示されるように、視点や見る方向を変えることができます。
- 選択したレイヤーが全体的に表示されるように 3D ビューを調節するか、カメラを移動するには、ビュー/選択したレイヤーを全体表示を選択します。
- すべてのレイヤーが全体的に表示されるように 3D ビューを調節するか、カメラを移動するには、ビュー/すべてのレイヤーを全体表示を選択します。
これらのコマンドのキーボードショートカットについては、 3D レイヤーのキーボードショートカットを参照してください。
マテリアルオプションプロパティ
3D レイヤーがライトやシャドウとどのように作用するかを指定できるマテリアルオプションプロパティが備わっています。
シャドウを落とす
選択しているレイヤーが他のレイヤーにシャドウを投影するかどうかを指定します。シャドウの方向と角度は、光源の方向と角度によって決まります。レイヤーを非表示にしてシャドウを投影する場合は、「シャドウを落とす」を「シャドウのみ」に設定します。
非表示レイヤーのカラーを他のレイヤーに投影する場合は、「シャドウのみ」に設定し、「ライト透過」をゼロ以外の値に設定します。
ライト透過
レイヤーを透過するライトの量(%)。レイヤーのカラーを他のレイヤーにシャドウとして投影します。0%を指定すると、ライトはレイヤーを透過せず、黒いシャドウを投影します。100%を指定すると、シャドウを投影するレイヤーのカラーがそのまま相手のレイヤーに投影されます。
部分的にライトを透過するように設定すると、ステンドグラスの窓を透過したようなライト効果が得られます。
シャドウを受ける
他のレイヤーから投影されたシャドウをレイヤーに表示するかどうかを指定します。レイヤーにシャドウのみをレンダリングする場合のために、「シャドウを受ける」に「単独」オプションがあります。
ライトを受ける
レイヤーに達するライトがレイヤーの色に影響するかどうかを指定します。この設定は、シャドウには影響しません。
アンビエント
レイヤーのアンビエント(無方向)反射率。100%を指定すると、反射率が最大になります。0%を指定すると、アンビエント反射率は適用されません。
拡散
レイヤーの拡散(全方向)反射率。レイヤーに拡散反射率を適用すると、光沢のないビニールシートをかぶせたような効果が得られます。このレイヤーに当たったライトは、全方向に均等に反射します。100%を指定すると、反射率は最大になります。0%を指定すると、拡散反射率は適用されません。
鏡面強度
レイヤーの鏡面(方向)反射率。レイヤーが鏡であるかのようにライトを反射します。100%を指定すると、反射率は最大になります。0%を指定すると、鏡面反射率は適用されません。
鏡面光沢
ハイライトのサイズを指定します。この値が適用されるのは、「鏡面」の値がゼロより大きい場合のみです。100%を指定すると、小さなハイライトで反射します。0%を指定すると、大きなハイライトで反射します。
金属
レイヤーのカラーがハイライトのカラーに与える影響。100%を指定すると、ハイライトのカラーはレイヤーのカラーと同じになります。例えば、金属値を 100%に設定すると、金の指輪が金色の光を反射するイメージになります。0%を指定すると、光源のカラーがハイライトのカラーになります。例えば、金属値を 0%に設定したレイヤーに白いライトを当てると、白いハイライトになります。
シャドウのレンダリングに使用する解像度を指定する
交差する 3D レイヤーを含むコンポジションをレンダリングするには、高度 3D レンダラーを使用します。高度 3D レンダラーは、シャドウマップを使用してシャドウをレンダリングします。シャドウマップは、各光源に基づいてレンダリングされた画像です。通常、シャドウの解像度は、コンポジションの解像度や画質設定に基づいて自動的に計算されます。標準の解像度で十分な画質が得られない場合や、レンダリング速度が遅い場合、シャドウマップの解像度を調整できます。例えば、シャドウがぼやけて表示されていて、マテリアルオプションのシャドウの拡散が 0 に設定されている場合、シャドウマップ解像度を高くします。シャドウのレンダリングが遅い場合は、シャドウマップ解像度を低くします。
シャドウを投影するレイヤーが別のレイヤーと交差する場合、シャドウが投影される交差点の後ろに狭い隙間ができることがあります。この隙間を小さくするには、シャドウマップ解像度を大きくします。
ステレオ 3D
Adobe After Effects を使用して、ステレオ 3D ビデオを作成できます。
ステレオ 3D カメラリグ
After Effects には、ステレオ 3D リグの作成メニューコマンドがあり、これを使用して 3D コンポジションをステレオ 3D コンポジションに変換することができます。ステレオ 3D リグにより、3D メガネエフェクトを含む必要なすべての要素が作成されます。
ステレオ 3D カメラリグを作成するには、まず 3D 要素が含まれたコンポジションを作成します。3D コラップスプリコンポジションなどのアイテムが含まれたコンポジション、またはコンポジション自体に 3D 要素が含まれたものを使用できます。既に使用しているカメラがある場合は、ステレオ 3D カメラリグを作成するときにそれを選択することができます。カメラが選択されていない場合は、新しいカメラが作成されます。レイヤー/カメラ/ステレオ 3D リグの作成を選択します。リグは、2 ノードカメラでのみ機能します。
リグは、プライマリカメラを作成するか、コンポジション内の選択されている既存のカメラを使用して作成されます。左眼 [左眼と比較] と右眼 [右眼と比較] コンポジションがあります。各コンポジションには、プライマリカメラにリンクされているカメラ、それらにネストされている元のコンポジション、出力ステレオ 3D コンポジション [ステレオ 3D と比較] があります。出力ステレオ 3D コンポジションには、両方の眼のコンポジションがネストされていて、ステレオ 3D コントロールというレイヤーが含まれています。このレイヤーには、リグを制御するためのステレオ 3D コントロールエフェクトと、左眼と右眼のコンポジションをステレオイメージに組み合わせる 3D メガネエフェクトが含まれています。
ステレオ 3D コントロールエフェクトは、ステレオ 3D リグの一部として作成されたエフェクトで、エフェクト&プリセットパネルにはありません。
ステレオ 3D コントロールエフェクトには、カメラのセパレーションとコンバージェンス用の次の設定があります。
構成
「中央」に設定すると、マスターカメラの両側に左カメラと右カメラが配置されます。「左の対象 」に設定すると、左カメラがプライマリカメラと同じ位置に配置され、右カメラが右に配置されます。「右の対象」に設定すると、右カメラがプライマリカメラと同じ位置に配置され、左カメラが左に配置されます。
立体シーンの深度
カメラ間の軸間分離を、コンポジションの幅の割合で制御します。この方法により、コンポジションのサイズが変更された場合も、軸間距離が一定に保たれます。初期設定は 3%という低い値になっていて、エフェクトがわずかに適用されるようになっています。一般的な 3D フッテージの場合、この値を 14 ~ 30%以上にする必要はありませんが、シーンのコンテンツ(オブジェクトが非常に接近している場合など)やカメラの視界などによっては大きくすることもできます。
この値を変更すると、ステレオ 3D がシーンに入るときと、シーンから出るときの深度に影響します。この値が高すぎると、目への負担が大きくなることがあります。
カメラのコンバージェンス
オフの場合、カメラはプライマリカメラに対して平行に保たれますが、いずれかの側にオフセットされます。オンの場合、位置はオフセットされた状態に保たれますが、左カメラと右カメラの「目標点」は次の 2 つのプロパティに基づいて特定の位置に収束します。
コンバージェンス先、Z オフセット
3D メガネを通して見た場合に、画面が表示される位置となる、カメラからの Z 距離を指定します。Z 空間よりも奥にあるすべての要素は奥まって表示され、手前にあるすべての要素は画面から飛び出すように表示されます。「カメラのコンバージェンス」をオフにした場合、カメラは平行になり、シーンコンバージェンスを変更すると Z オフセットを変更した場合と同じ結果になります。そのような場合に、シーンの異なる要素を画面空間に設定するには、差モードを使用します詳しくは、3Dメガネエフェクトを参照してください。
ステレオ 3D を使用する場合、3D テレビは必ずしも必要ではありません。例えば、立体(赤青)3D メガネを使用すれば、3D ステレオフッテージをそのままコンポジションパネルで見ることができます。ただし、3D テレビとアクティブシャッターメガネを使用すれば、ライブ編集を行うこともできます。そのワークフローには以下のものが必要です。
- ステレオ 3D 表示に対応したモニターまたはテレビ。
- ステレオ 3D テレビ用のメガネ。
このワークフローでは、エミッターデバイスが必要なアクティブシャッターメガネを使用します。テレビの製造元が推奨しているメガネを使用してください。
ステレオフッテージまたは 3D コンポジション。
これらを用意したら、次の手順に従います。
-
HDMI ケーブル(HDMI を使用できない場合は DVI でも可)を使用して、 3D テレビをコンピューターに接続します。
-
After Effects で 3D コンポジションを作成します。コンポジションのサイズが出力モニターの 現在の解像度と一致していることを確認します。
-
ステレオ 3D コンポジション用の新しいコンポジションパネルを作成します。コンポジションをロックして、それを 3D テレビモニターにドラッグします。
-
コンポジションパネルが 100%に設定されていることを確認します。
-
Control キーを押しながら ¥(バックスラッシュ)を 2 回入力して、コンポジションを 3D テレビのフルスクリーンに設定します。コンポジションと 3D テレビを同じサイズに設定します。
-
3D メガネエフェクトの 3D ビューを次のいずれかに切り替えます。
ステレオペア
オーバーアンダー
インターレース
-
3D テレビの 3D モードをオンにして、3D メガネエフェクトの 3D ビューに設定した形式と同じ形式にします(ステレオペアとオーバーアンダーは、ほとんどの 3D テレビでサポートされています)。
-
3D メガネをかけて、実際のステレオ 3D でコンポジションを編集します。
ステレオ 3D のヒント
コンポジションパネルで 3D ステレオフッテージの作業を行う場合で、3D テレビがない場合は、アナグリフ方式を使用できます。このステレオ 3D ワークフローには、通常の赤と青の立体 3D メガネが最適です。
3D 環境の奥行きを変更するには、「立体シーンの深度」を増減させます。
オブジェクトを画面の奥および手前へ移動するには、「カメラのコンバージェンス」をオンにして、「Z オフセット」を変更します。Z オフセットよりもカメラに近いオブジェクトは画面の手前に表示され、Z オフセットよりも遠くにあるオブジェクトは画面の奥に表示されます。
次のいずれかの手順に従って、コンポジションの被写界深度をステレオカメラのコンバージェンスと同じにすることができます。
プライマリカメラで「フォーカス距離を目標点へリンク」を使用して、リグのカメラのコンバージェンスを使用すると、被写界深度とステレオ 3D コンバージェンスが同じになります。
時間の経過とともに被写界深度が変わるようにするには、プライマリカメラのフォーカス距離をアニメートします。次に、コンバージェンスポイントを「カメラ位置」から収束するように設定して、Z オフセットをプライマリカメラの「フォーカス距離」にリンクするエクスプレッションを設定します。