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グレインエフェクトの使用
実世界からキャプチャされたほとんどのデジタル 画像には、記録、エンコード、スキャン、複製などの処理や、 画像の作成時に使用される機器が原因で発生した粒子や ビジュアルノイズが含まれています。例えば、アナログビデオのわずかな摩擦、デジタル カメラの圧縮処理、スキャンした写真のハーフトーンのパターン、デジタル画像 センサーの CCD ノイズ、銀塩写真特有の斑点状のパターン (フィルム粒子)などが挙げられます。
ノイズ自体は 必ずしも悪いものではなく、雰囲気を作ったり、要素を合成したりする目的で 画像に追加される場合が数多くあります。コンピューターで生成したオブジェクトに フィルム粒子を追加して、撮影した風景に合成するような場合がその例です。ただし、美的な理由で ノイズが不要になる場合もあります。アーカイブ用のフッテージや高速撮影で 望ましくない粒子が発生する場合、デジタル圧縮による不具合や ハーフトーンパターンによって画像が損なわれる場合、ノイズがブルースクリーンレイヤー などの処理技法に干渉する場合などが、この例です。
技術的な 理由でノイズを抑制する場合もあります。例えば、通常、ノイズが少ないファイルは、 圧縮した場合にサイズがより小さくなります。そのため、 DVD を作成するときやビデオをストリーミングするときは、ノイズの除去は 重要な前処理です。
グレイン(追加)、 グレイン(マッチ)、およびグレイン(除去)エフェクトは、 画像全体にほぼ均等に現れる粒子を処理するエフェクトです。ダスト、 ソルトアンドペッパーノイズまたはアナログビデオのドロップアウトなど、 数ピクセルだけに関わる問題を解決することはできません。
グレイン(追加) エフェクトでは、新しい粒子が一から生成され、既存の粒子から サンプルを抽出することはありません。代わりに、様々なフィルムの複数の パラメーターとプリセットを合成して、別の粒子を作成することが できます。
グレイン(除去)およびグレイン(マッチ) エフェクトは画像のエッジ、シャープネスおよびハイライトに影響を与えずに、 2 段階の処理で粒子を操作します。まず、粒子のサンプルを手動 または自動で抽出します。次に、粒子が分析され数値モデルで表されます。 エフェクトはこの数値モデルを使用して、粒子の追加、削除および マッチを行います。
グレインエフェクトの適用
各グレインエフェクトは初期設定で適用され、 プレビュー表示モードで表示されます。プレビュー表示モードでは、 画像の中央にプレビュー範囲が白い枠で表示されます。プレビュー 範囲には、すばやく比較できるように、画像の一部分にグレイン エフェクトを適用した結果が表示されます。グレインエフェクトは、 ほぼ自動的に適用できますが、正確な結果を得るためのコントロールも 多数あります。また、各エフェクトの元の画像とブレンド機能を使用して、 グレインエフェクトを画像の選択した部分だけに適用することもできます。
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レイヤーを選択してから、エフェクト/ノイズ &グレイン/[エフェクト]を選択します。
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エフェクトコントロールパネルの「表示モード」コントロール から表示方法を選択します。
プレビュー
現在の設定でエフェクトを適用した状態を 200 x 200 ピクセルの 範囲で表示します。
描画マット
「元の画像とブレンド」コントロールグループの現在の設定に従って、 現在のカラーマットかマスク、または両方の組み合わせを表示します。
最終出力
エフェクトの現在の設定を使用して、アクティブフレーム全体を レンダリングします。
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エフェクトコントロールパネルでエフェクトのコントロールを 調整します。
コンポジションパネルのプレビューエリアには、変更が反映されます。
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「表示モード」コントロールから「最終出力」を選択します。
選択した領域へのグレインエフェクト の適用
「元の画像とブレンド」コントロールグループを使用 すると、対象のエリアにマスクおよびマットを適用することによって、画像の特定のエリアに グレインエフェクトを正確に適用することができます。2 種類の選択方法から 選ぶことも、両方を組み合わせて使用することもできます。
カラーマッチ
画像のエリアのうち、選択したカラーに一致するエリアを除外します。「マッチを反転」 を選択すると、選択したカラーに一致するエリアを処理することもできます。
マスクレイヤー
現在のコンポジションのレイヤーをマスクとして使用し、現在の レイヤーまたはトラックのエリアを処理範囲に選択したり除外したりします。
グレイン エフェクトを最初に適用したときは、「元の画像とブレンド」 コントロールグループの「量」の値は 0%に設定されています。 この値によって、元の画像と処理済みのバージョンをブレンド(合成)する割合が 決まります。0%では、ブレンドは発生せず、選択したエフェクトは最大量で 画像全体に適用されます。100%では、描画マットの白いエリアは 元の画像から変更されません。
どの マスクやマットも同じように機能します。マスクまたはマットの白いピクセルは 元の画像の白いピクセルをグレインエフェクトの処理対象から除外します。 黒いピクセルは通常に処理されます。「量」を 100%にすると、白いエリアが 元の画像と完全にブレンドされます。そのため、白いエリアは完全に 処理から除外されます。これは、一致する部分を反転した場合にも 当てはまります。量の値とは無関係に、マットまたはマスクの黒いエリアは常に 処理の対象になります。量スライダーはマットまたは マスクの白のピクセルの下のエリアだけに影響します。各グレイン エフェクトでマットまたはマスクの白いエリアが処理される方法だけに 影響します。
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画像にいずれかのグレインエフェクトを適用します。
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エフェクトコントロールパネルで、次のいずれかの操作を行います。
グレインエフェクトを適用するエリア、適用から 除外するエリアを囲むマットを作成するには、「元の画像とブレンド」 コントロールグループの「カラーマッチ」コントロールを使用します。
現在のレイヤーを他のレイヤーまたはトラックで マスクするには、「マスクレイヤー」コントロールを使用します。
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マットをソフトにして画像の影響範囲から影響範囲外に 緩やかなトランジションを作成するには、「ブラーマット」の値を 調整します。
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カラーマットとレイヤーマスクの両方を使用する場合は、 マッチとマスクを合成するモードポップアップニューから次のいずれかのコマンドを 選択します。
スクリーン
マスクとカラーマッチのいずれかが白い場合に、マットを 白くします。
乗算
マスクとカラーマッチの両方が白の場合、マットを白にします。
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グレインを通して表示される元の画像の量を多くする場合は、 「量」の値を減らします。
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「表示モード」コントロールから「最終出力」を選択します。
カラーマッチマットの生成
グレインエフェクトを最初に適用したときには、 中間調のグレーを使用して初期設定のカラーマッチマットが生成されるので、 ほとんどの画像で表示されたマットを確認することができます。「カラーマッチ」 コントロールグループはカラーマッチを使用して、マットを正確に定義します。 マットは、グレインエフェクトを使用するレイヤーが入力とブレンド されている部分を画像から分離します。
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画像にいずれかのグレインエフェクトを適用します。
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エフェクトから除外する色、エフェクトを排他的に 使用する色を選択するには、「元の画像とブレンド」および「カラーマッチ」 コントロールグループの「マッチングカラー」コントロールで次のいずれかの調整を行います。
カラーサンプルをクリックし、カラーピッカーで色を 選択します。
スポイト をクリックしてから、 スクリーン上の色をクリックします。
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次のいずれかの操作を行います。
選択した色に対してグレインエフェクトを適用 しないようにするには、「マッチを反転」の選択を解除します。
選択した色にのみグレインエフェクトの適用を 制限して、画像の残りの部分に影響がないようにするには、「マッチを反転」を選択します。
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マッチングカラーに近い色を除外するには、 カラーマッチングのしきい値となる、「マッチングの許容量」の値を 増やします。この値を大きくするほど、マット含まれるカラーのピクセルと マッチングカラーの違いも 大きくなります。
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マッチングカラーに近い色かどうかを決定するときに使用される 基準の初期設定(RGB)を変更するには、「マッチングの適用」 コントロールからオプションを選択します。
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完全一致ピクセルと完全不一致ピクセルの間のトランジションの 幅や、影響を受ける領域と元の画像をブレンドする際の滑らかさの度合いを 決定するには、「マッチングの柔軟度」コントロールを調整します。
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マットを反転して、白い領域を黒くし、黒い領域を白くする には、「マッチを反転」を選択します (マッチングカラーはマット内の黒になり、量の設定とは関係なく グレインエフェクトの処理の対象になります。他の設定には 影響しません)。
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カラーマットとレイヤーマスクの両方を使用する場合は、 マッチとマスクを合成するモードポップアップニューから次のいずれかのコマンドを 選択します。
スクリーン
マスクとカラーマッチのいずれかが白い場合に、マットを 白くします。
乗算
マスクとカラーマッチの両方が白の場合、マットを白にします。
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「表示モード」コントロールから「最終出力」を選択します。
レイヤーマットの生成
グレインエフェクトを使用するレイヤーのマスク として、別のレイヤーやトラックを使用する場合があります。 別のレイヤーやトラックを使用すれば、画像の変更する部分やその度合いを 正確に設定することができます。
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画像にいずれかのグレインエフェクトを適用します。
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エフェクトコントロールパネルで、「元の画像とブレンド」の 「マスクレイヤー」コントロールグループの「マスクレイヤー」コントロールから、 マスクとして使用するレイヤーを選択します。
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マスクモードポップアップメニューから、マスクモードを 選択します。
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マスクレイヤーのサイズが現在のレイヤーと異なる場合、 「マスクレイヤー」コントロールのマスクサイズが異なる場合ポップアップ メニューで、次のいずれかを選択します。
中央に揃える
現在のレイヤーとマスクレイヤーの中心を合わせます。
サイズに合わせて伸縮
マスクレイヤーを、現在のレイヤーのサイズに合わせて伸縮します。
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カラーマットとレイヤーマスクの両方を使用する場合は、 マッチとマスクを合成するモードポップアップニューから次のいずれかのコマンドを 選択します。
スクリーン
マスクとカラーマッチのいずれかが白い場合に、マットを 白くします。
乗算
マスクとカラーマッチの両方が白の場合、マットを白にします。
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「表示モード」コントロールから「最終出力」を選択します。
プレビュー範囲の変更
グレインエフェクトのプレビュー範囲の位置やサイズを 変更するには、「プレビュー範囲」コントロールグループを調整します。
粒子を追加または削除するとディテールのシャープネスに 影響することがあるので、人の顔や文字など、細部が重要になる領域を プレビューすることをお勧めします。グレイン(除去)エフェクトを使用して粒子を削除 するときには、単色の広い領域など、粒子がはっきりと見えている領域や 最も好ましくない状態の領域をプレビューするのが効率的です。
エフェクトコントロールパネルの各コントロールを 少しずつ増減しながら適用し、適用のたびにコンポジションパネルで 結果を確認すると最良の結果が得られます。
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グレインエフェクトの適用後、エフェクトコントロール パネルで 「プレビュー範囲」コントロールグループの中心ボタン をクリックします。
コンポジションパネルの中心は十字型で示されます。
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画像内で、プレビュー範囲の中心に指定する場所をクリック します。
プレビュー範囲が、新しい位置を中心として再描画されます。
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プレビュー範囲のサイズを変更するには、エフェクトコントロール パネルの「幅」と「高さ」に希望のサイズをピクセル単位で 指定します(プレビュー範囲が大きいと、レンダリング時間が長く なる場合があります)。
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プレビュー範囲のアウトラインをカラー表示するには、「ボックスを表示」 を選択します。アウトラインの色を変更するには、「ボックスのカラー」の横で 次のいずれかの操作を行います。
カラーサンプルをクリックし、カラーピッカーで色を 選択します。
スポイトボタンをクリックしてから、スクリーン上の色を クリックします。
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結果を表示します。
ノイズ構造の細部を表示するには、プレビュー範囲を拡大表示します。
各チャンネルのノイズを個別に調べるには、コンポジションパネルで対応するカラーチャンネルのアイコンをクリックします。
処理速度とプレビューのデュレーションを増やすには、コンポジションパネルの「目標範囲」を使用し、処理対象の範囲を制限します(目標範囲を参照)。
現在のフレームのイメージを現状のまま保持するには、コンポジションパネルのスナップショットボタン をクリックします。スナップショットを表示ボタン をクリックすると、アクティブなコンポジションの代わりに最新のスナップショットが表示され、プレビュー範囲を現在の状態と前の状態とで切り替えることができます。この機能は、微妙な調整結果を確認する場合に役立ちます(スナップショットを参照)。
プレビュー範囲にグレインエフェクトを適用した状態と適用していない状態を比較するには、エフェクトコントロールパネルでグレインエフェクト名の横にあるエフェクトスイッチ をクリックし、エフェクトを一時的に無効にします。次に、コンポジションパネルのスナップショットボタン をクリックし、エフェクトスイッチをもう一度クリックしてエフェクトを有効に戻します。スナップショットを表示ボタン を押したままにして、エフェクトを適用していない状態の画像を表示します。
グレインエフェクトでのノイズの サンプルリング
ノイズサンプリングは、画像からノイズを削除する 場合や、ある画像のノイズを別の画像のノイズとマッチングする場合に、 最初に行う最も重要な手順です。この処理は通常、すべて自動的に実行されます。 細かく設定するには、手動モードに切り替えて、エフェクトコントロールパネルの 「サンプリング」コントロールグループを使用して、手動でサンプルを調整します。
ノイズ サンプルは、画像内に存在するノイズパターンを明確に表示する、 単色の平面ブロックである必要があります。アルゴリズムが 誤って粒子だと識別してしまうような画像特性を含まない、 純粋なノイズのサンプルを抽出することが大切です。例えば、空の一部分、 背景の壁面、肌の色などからサンプルを抽出します。 サンプルはすべて、通常のフィルム、DV またはビデオストックから 選択する必要があります。露光不足または露光過剰によって情報が不足している 領域は避けてください(特にピクセル値が純粋な黒または白にクリップ されている領域)。通常の露光範囲内で、様々な RGB 値とカラーの サンプルを選択することをお勧めします。例えば、明るい領域から 1 つ、 暗い領域から 1 つ、ミッドトーンの領域から 1 つというように サンプルを選択します。
自動モードでサンプルの数を多くすると、特定の 画像から良質のサンプルを取得することが難しい場合でも、 アルゴリズムが使用するのに十分な、良質のノイズデータを取得することができます。 さらに、自動モードでは、エフェクトで十分な量の良質なサンプルを検出できない場合、 ユーザーが指定したサンプルの数が上書きされることがあります。サンプルサイズは、 自動モードでも手動モードでも変更できます。ただし、サンプルサイズを 増やしても、特に処理結果のサンプルで RGB 値が大きく変化している 場合、良い結果が得られるとは限りません。 カラー値が一定した十分な大きさの領域が対象の画像内に 含まれていない場合、サンプルサイズを減らす必要があります。逆に、 特徴のない領域が画像内に多く含まれている場合、サンプルサイズを増やすと 良い結果が得られることがあります。
ノイズをサンプリングする場所を手動で指定する
粒子やサンプルを自動選択してもグレイン(マッチ) およびグレイン(除去)エフェクトで満足な処理結果は得られますが、 各サンプルの配置やサイズを手動で変更したり、サンプルの数を変更 したりすることもできます。例えば、自動サンプリングで選択された均一な 領域が露光不足や露光過剰で、粒子の構造に関する情報が不足していると、 サンプルを再配置した方が良い場合があります。
グレイン (マッチ)およびグレイン(除去)エフェクトのノイズサンプルは、 ソースレイヤーに適用されているエフェクトやマスクを無視して抽出され、 これによって正確なサンプリングが可能になります。 既存のエフェクトもサンプリングしたい場合は、 そのエフェクトを適用したソースレイヤーをプリコンポーズまたは プリレンダリングしてから、グレインエフェクトを適用します。
シャープな エッジ、カラーグラデーション、ハイライト、芝生や水面の波紋などのテクスチャ、毛髪や木の葉などの 細かい部分、露光不足や露光過剰によって情報が不足している 領域をサンプリングすることは避けてください。
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エフェクトコントロールパネルで、表示モードポップアップメニュー から「ノイズサンプル」を選択します。
ソース画像に重なった小さな四角形(24 x 24 ピクセル) の枠にサンプルが表示されます。
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「サンプリング」コントロールグループで、サンプルの選択 ポップアップメニューから「手動」を選択します。
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画像から好ましくないサンプルを削除するには、 「サンプルの数」を減らしてください。
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ノイズサンプルを移動するには、次のいずれかの操作を行います。
「ノイズサンプルポイント」コントロールグループで、ノイズサンプルのポイントパラメーター をクリックします。コンポジションパネルで、対象のサンプルの中心に十字型が表示されます。サンプルを配置するコンポジションパネル内の位置をクリックします。
選択ツール を使用して、コンポジションパネル内のサンプルポイントを目的の位置にドラッグします。
エフェクトコントロールパネルで、目的の位置の水平および垂直座標を入力します。
注意:有効なサンプルポイントの数は、「サンプル数」で指定した値に対応しています。
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移動したいサンプルポイントすべてに対して、前述の手順を繰り返します。
サンプリングソースフレームの変更
「グレイン(除去)」および「グレイン(マッチ)」 エフェクトは、初期設定ではレイヤーの最初のフレームから ノイズサンプルを取得しますが、別のフレームからノイズをサンプリングすることもできます。フレームの 変更は、レイヤー内のフレーム間で照明や露出が様々に 異なる場合に便利です。
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サンプル対象のフレームを決定します。プロジェクト 設定の表示形式が「フレーム」に設定され、開始フレーム 番号が 0 であることを確認してください。現在のフレームの番号がタイムラインパネルの左上隅に青色で 表示されます。「サンプリング」 コントロールグループのソースフレームの値として、このフレームの番号を入力します。
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表示モードポップアップメニューから「ノイズサンプル」を選択します。
選択したフレームがコンポジションパネルに表示され、自動サンプルが 画像上に表示されます。
ノイズサンプルボックスの色の変更
「グレイン(除去)」または「グレイン(マッチ)」 エフェクトの表示モードを「ノイズサンプル」に変更すると、エフェクトによって サンプリングされた領域を表示することができます。サンプリングされた領域は、白い枠で自動的に囲まれます。 これらのノイズサンプルボックスの色は変更することができます。
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「サンプリング」コントロールグループの「サンプルボックスのカラー」 で、次のいずれかの調整を行います。
カラーサンプルをクリックし、カラーピッカーで 色を選択します。
スポイトをクリックし、アプリケーションウィンドウの 任意の場所で色をクリックします。
追加またはマッチングした粒子の操作
グレイン(追加)エフェクトは、新しい粒子を一から 作成したり、プリセットの粒子のプロパティを基準にすることによって、 画像内に新しい粒子やノイズを作成します。グレイン(マッチ)エフェクトも画像内に 新しい粒子を作成しますが、別の画像に含まれる粒子とマッチングする点が異なります。 この 2 つのエフェクトにはエフェクトコントロールパネルに共通のコントロールがあり、 それらのコントロールを使用して、粒子のカラー、色調範囲、描画モードおよび アニメーションのプロパティを設定します。
追加またはマッチングした粒子のトーンの調整
フィルムの フレームに表示される粒子のパターンはフレーム全体で均一 ではなく、各ピクセルに含まれる色調の値によって異なります。 銀塩フィルム粒子を例にとると、銀塩結晶のサイズは 露光レベルによって変化します。
グレイン (追加)およびグレイン(マッチ)エフェクトでは、「効果」 コントロールグループの「シャドウ」、「中間色」、「ハイライト」 および「中間点」コントロールを使用することによって、粒子のパターン におけるこのような微妙な変化を画像の領域全体で再現することができます。これらのコントロールによって、各色調範囲や 画像内の各チャンネルに追加する粒子の量を定義することができます。 例えば、青チャンネルの露出オーバーの領域に粒子を追加して、 空の画像に質感を与えることもできます。
グレイン (追加)またはグレイン(マッチ)エフェクトの「効果」 コントロールグループを使用すると、次の操作を行うことができます。
画像の各色調範囲に 追加される粒子の量を定義するには、「シャドウ」、「ミッドトーン」 および「ハイライト」の値を調整します。
粒子を適用する目的で画像の色調範囲の中間点を定義するには、 中間点スライダーを調整します。初期設定では、 スライダーは中央の 0.5 に設定されており、ピクセル値の範囲の中心、 8 bpc 画像の 127、16 bpc 画像の 16384 を示します。
さらに細かく設定するには、「チャンネルバランス」コントロール を使用して、シャドウ、中間色およびハイライトの領域に含まれる粒子を チャンネルごとに調整します。
追加またはマッチングした粒子のアニメート
初期設定では、 グレイン(追加)およびグレイン(マッチ)エフェクトによって生成された 粒子またはノイズは、ソースマテリアルと同じ速度で移動し、リアルなノイズを正確に シミュレートします。ノイズの動きを減速する操作は、美的な効果を 得るのに便利です。また、追加したノイズが目障りで、ノイズ自体に 注目を集めてしまうのを防ぎます。これらのエフェクトには、フレーム間でノイズピクセル の位置を変更する内部ランダマイザが用意されています。同じ フレーム上のレイヤー間でその他すべてのパラメーター値を一定に保ちながら、 ノイズの外観を変更することもできます。
グレイン (追加)またはグレイン(マッチ)エフェクトの「アニメーション」 コントロールグループを使用すると、次の操作を行うことができます。
追加した粒子の フレームレートを対象フレームレートの倍数で指定するには、エフェクト コントロールパネルで「アニメーション」コントロールグループの 「アニメーションの速度」の値を調整します。「アニメーションの速度」の値が大きいほど、 粒子の寿命が短くなります。初期設定値の 1 では、 粒子はフレームと同じレートで移動します。値を小さくするほど、 粒子はゆっくりと変化し、フィルムの粒子を再現することができます。 0 では、粒子は時間が経過しても静止した状態です。
生成したノイズフレーム間で補間を行ってスムーズなトランジションを作成するには、 「滑らかなアニメーション」を選択します。この設定が 影響するのは、「アニメーションの速度」が 1 より小さい場合のみです。
同じフレーム上のレイヤー間でノイズの外観を変更するには、 「ランダムシード」の値を調整します。ランダムシードの値は、 使用可能な 100 種類の外観のうちのいずれかにあたります。この値を変更しても、 生成される結果のランダムの度合いは変化しません。
追加またはマッチングした粒子のカラーのブレンドおよび 調整
グレイン(追加)またはグレイン(マッチ) エフェクトによって生成された粒子のカラー、彩度およびブレンドの 作用を調整することができます。
これらのエフェクトが生成する粒子の外観色に 影響を与える要素としては、次のようなものがあります。
ソース画像内の元のピクセルのカラー値
ノイズの彩度値
「色合いのカラー」および「色合いの量」の値(初期設定から 変更している場合)
「アプリケーション」コントロールグループの「描画モード」の値
「チャンネルの強度」コントロールグループを使用して各チャンネルに対して 個別に適用したノイズの量(存在する場合)
エフェクト コントロールパネルで、「カラー」コントロールグループを使用して、 次のいずれかの調整を行います。
モノクロ
追加したノイズに単一の色合いを与えます。初期設定ではトーンは 白黒ですが、色合いのカラーを変更すると、トーンを任意のカラーの グラデーションにすることができます(「モノクロ」を選択した場合、「彩度」および 「チャンネルの強度」コントロールは使用できません)。
色合いの量
カラーシフトの深度および強度を設定します。
色合いのカラー
追加したノイズがシフトする方向のカラーを設定します。
彩度
カラーの量および鮮明度を設定します。
「効果」 コントロールグループの「描画モード」は、生成されるノイズのカラー値と 元のソースレイヤーのカラー値が各ピクセルで合成される方法を決定します。
フィルム
生成される粒子を画像内に埋め込んで表示します。この モードは、フィルム粒子がネガに現れるのと同様に、明るい色よりも 暗い色に影響します。
乗算
ノイズとソースのカラー値を乗算します。 ただし、ノイズに対して正または負のどちらかの値が設定されるので、 処理結果は元の画像よりも明るくなるか暗くなるかのどちらかです。
加算
ソースに含まれるノイズのカラー値をノイズと加算します。 ただし、グレインエフェクトによって作成されたノイズに対して 正または負のどちらかの値が設定されるので、処理結果は元の画像よりも 明るくなるとは限りません。
スクリーン
ノイズとソースの明るさを反転して乗算します。 このエフェクトでは、ネガを複数の露光でプリント したような効果が得られます。この処理結果では常に、元の画像よりも明るくなります。
オーバーレイ
「フィルム」と「乗算」の作用を組み合わせたものです。 シャドウとハイライトでは粒子が少なくなりますが、ミッドトーンには 粒子が十分適用されます。
グレイン(追加)エフェクト
グレイン(追加)エフェクトは新しいノイズを一から生成し、 既存のノイズからサンプルを抽出することはありません。代わりに、様々な フィルムの複数のパラメーターとプリセットを合成して、 様々なタイプのノイズまたは粒子を作成することができます。ノイズの特性は実質的に すべて変更することができ、カラーを設定して、複数の方法で画像に 適用することができます。ノイズをアニメートしたり、画像の一部 だけに適用することもできます。
このエフェクトは、8 bpc および 16 bpc カラーで使用できます。
追加されたノイズをカラーチャンネルに配置すると、結果画像の カラー全体に影響を与えます。背景が暗い場合、 ノイズは画像に対して視覚的に加算される傾向があり、赤い 色合いや赤チャンネルにノイズが多いと、画像の色相は赤っぽくなります。背景が 明るい場合、ノイズは画像から視覚的に減算される傾向があり、 赤い色合いや赤チャンネルにノイズが多いと、シアンに見えます。 この処理結果は、「効果」コントロールグループの「描画モード」 コントロールによっても異なります。
画像に実際に表示される粒子は、露出やスキャン時の解像度などの 要素により、フィルムのプリセットとは異なる場合があります。
グレイン(追加)エフェクトを使用すると、次の操作を行うことができます。
特定のフィルムや写真のストックに含まれる粒子を再現するには、 エフェクトコントロールパネルで、グレイン(追加)エフェクトのプリセット ポップアップメニューからフィルムの種類を選択します。
適用した粒子の強度およびサイズを調整してブラーを発生させるには、 エフェクトコントロールパネルで、グレイン(追加)エフェクトの「調整」 コントロールグループを調整します。
追加されたノイズのカラーを変更するには、「カラー」コントロールを 調整します。
生成されるノイズのカラー値と元の対象レイヤーのカラー値を 各ピクセルで合成する方法を決定するには、「効果」コントロールグループの 「描画モード」を選択します。
画像と中間点の各色調範囲に追加される粒子の量を決定するには、 「効果」コントロールグループの「シャドウ」、「ミッドトーン」、 「ハイライト」および「中間点」の値を調整します。
追加した粒子をアニメートするには、「アニメーション」 コントロールグループでプロパティを調整します。
エフェクトを画像全体に適用するには、表示モードポップアップ メニューから「最終出力」を選択します。
調整コントロール、グレインエフェクト
グレイン (マッチ)およびグレイン(追加)エフェクトには、共通する「調整」 コントロールグループがあります。これらのコントロールを使用して、ノイズの強度やサイズを変更し、 ブラーを発生させることができます。これらの操作はすべて、 3 つのチャンネル全体または各チャンネルに個別に実行することができます。適用した粒子の縦横比を 変更することもできます。
「調整」コントロールの 値は、ソースレイヤーでサンプリングされたノイズを基準とします。 値 1.0 ではソースノイズで該当するプロパティは変更されず、これより 高い値や低い値では、適用したノイズに変化が生じます。
「調整」 コントロールグループで、次のいずれかを調整します。
強度
生成されたノイズのピクセル間の明るさおよびカラー強度の 変化の量を設定します。これにより、ノイズの表示が決まります。 値を大きくしても各粒子の位置やサイズは 変化しませんが、粒子がより浮き出すように見えます。値を小さくすると、 より繊細な抑えた感じの外観になります。
チャンネルの強度
生成されたノイズでピクセル間のコントラストを チャンネルごとに設定します。例えば、青チャンネルに粒子を追加して、 フィルムを模倣することができます。
サイズ
生成された粒子のサイズをピクセル単位で調整します。
チャンネルのサイズ
生成された粒子のサイズをピクセル単位でチャンネルごとに調整します。
柔らかさ
粒子の柔らかさの度合いを設定します。
縦横比
生成された粒子の幅の比率を、通常の高さを 1 として設定します (この設定は、アナモルフィックレンズのエフェクトをエミュレート する場合や美的な効果を生み出したい場合に便利です)。値を 1 よりも 大きくすると粒子は水平方向に伸び、1 よりも小さくすると 水平方向に縮みます。
ダスト&スクラッチエフェクト
一定の半径内のピクセルのうち、異質なピクセルを他のピクセルと よく似たものに変更することにより、ノイズや傷などを修整します。 半径としきい値のバランスを調整して、 画像の鮮明さを大きく損なわずに 不具合が隠れる設定を見つけます。
このエフェクトは、8 bpc および 16 bpc カラーで使用できます。
半径
異なるピクセルを調べる領域の半径。 値を高くしすぎると、画像がぼやけます。ゴミを除去できる最小値に設定してください。
しきい値
他のピクセルとどの程度異なると変更するかを指定します。 ノイズや傷を除去できる最高値に設定してください。
フラクタルノイズエフェクト
「フラクタルノイズ」エフェクトは、パーリンノイズを使用して、背景やディスプレイスメントマップ、テクスチャを自然の材質のように見せるグレースケールノイズを作成したり、雲、炎、溶岩、水蒸気、水の流れ、蒸気などをシミュレートしたりします。
このエフェクトは、8 bpc、16 bpc および 32 bpc カラーで使用できます。
「展開」オプションで、フラクタルノイズの形が微妙に変わるようにします。これらの設定をアニメートすることにより、ノイズが時間の経過とともに滑らかに変化し、流れる雲や水などのエフェクトを作成できます。
Stu Maschwitz が、彼自身の ProLost ブログで、フラクタルノイズエフェクトを使用して太陽のコロナを作成するサンプルプロジェクトを公開しています。
「タービュレントノイズ」エフェクトは、「フラクタルノイズ」エフェクトの改良版でパフォーマンスが向上されています。「タービュレントノイズ」エフェクトでは、レンダリング時間が短くて済み、スムーズなアニメーションを簡単に作成できます。また、「タービュレントノイズ」エフェクトでは、タービュレントシステムがより正確にモデル化され、小さなノイズオブジェクトが大きなノイズオブジェクトよりもすばやく動きます。ただし、「タービュレントノイズ」エフェクトにはサイクル設定がないため、ループアニメーションを作成する場合は、「タービュレントノイズ」エフェクトの代わりに「フラクタルノイズ」エフェクトを使用します。
これら 2 つのエフェクトのコントロールはほぼ同じであるため、 フラクタルノイズエフェクトに関するほとんどの説明とチュートリアルは、 タービュレントノイズエフェクトにも該当します (タービュレント ノイズエフェクトを参照)。
コントロール
フラクタルの種類
フラクタルノイズは、ノイズレイヤーごとに、乱数のグリッドを生成 することにより作成されます。ノイズレイヤーの数は「複雑度」で指定します。 この設定で、このグリッドの種類を決めます。
ノイズの種類
ノイズのグリッドの乱数を補間する方法。
反転
ノイズを反転します。黒い領域は白に、白い領域は黒になります。
コントラスト
初期設定値は 100%です。値を大きくすると、ノイズ中で白黒の はっきりした領域が増し、ディテールが荒くなります。 値を小さくすると、グレー領域が増し、 ノイズが軽減されます。
オーバーフロー
次のオプションのいずれかを使用して、0 ~ 1.0 の範囲外の カラー値を再マッピングします。
クリップ
1.0 を超える値を純粋な白、 0 未満の値を純粋な黒に再マッピングします。コントラスト の値で、範囲外になる広さが決まります。 値を大きくすると、白と黒の部分が多くなり、グレーの部分が 少なくなります。そのため、より強いコントラスト設定では、細部が粗く見えます。 ルミナンスマットとして使用すると、レイヤーの透明部分が よりシャープになります。
ソフトクランプ
値を無制限のカーブにリマップするので、すべての値が範囲内に入ります。 コントラストが下がるので、グレーの部分が多くなり、白と黒の 部分が少なくなります。ルミナンスマット として使用すると、レイヤーの透明部分は不明瞭になります。
ラップバック
1.0 を超える値と 0 未満の値を両端で折り返して再マッピングし、 範囲内に収めます。このオプションの値を 100 より大きい値に 設定すると、より微細なディテールを表示します。ルミナンスマットとして使用すると、レイヤーの 透明部分のテクスチャが微細になります。
HDR 効果を使用
再マッピングは行われません。0 ~ 1.0 の範囲外の値が そのまま残ります。
トランスフォーム
ノイズレイヤーを回転、伸縮、配置するための設定。 「遠近オフセット」を選択すると、レイヤーに遠近感が付きます。
複雑度
フラクタルノイズを作成するために、「サブ設定」に従って合成するノイズレイヤーの数。この数を大きくすると、奥行きが深く見え、微細な部分まではっきり描かれます。
「複雑度」の値を大きくすると、レンダリングにかかる時間が長くなります。場合によっては、「複雑度」を増す代わりにサイズを小さくし、短いレンダリング時間で同様の結果を得ることもできます。レンダリングに時間をかけずに、複雑なノイズに見えるようにするには、コントラストか明るさを負の値か非常に高い値に設定し、「オーバーフロー」で「ラップバック」を選択します。
サブ設定
フラクタルノイズは、ノイズのレイヤーを合成することによって生成されます。 「サブ設定」で、レイヤーをどのように合成するかと、レイヤーごとに プロパティをどのようにずらせていくかを決めます。レイヤーを 順々にスケールダウンしていくと、細部がきれいに見えます。
サブ影響
各連続レイヤーが、結合されたノイズにどの程度影響するかを指定します。 100%に設定すると、すべての反復が同じ影響を持ちます。50% にすると、各反復の影響が前の反復の半分になります。 0%は、「複雑度」を 1 にするのとまったく同じです。
サブスケール、回転、オフセット
1 つのノイズレイヤーの前のレイヤーに対するスケーリングの 比率、角度、位置。
サブスケールを中心
どのノイズレイヤーも、前のレイヤーと同じ場所から計算します。 この設定を使用すると、レイヤーが互いに重なり合っているように 見えます。
展開
一回ごとに画像が変化し続けるプログレッシブな循環。 これは、360°ごとに ダイアル上の同じ設定が繰り返される通常の循環とは異なります。 展開の場合、 0°におけるアピアランスは 1 周目の表示とは異なり、2 周目の循環の表示は さらにまた異なるといったように変化します。 「展開」の設定を元の状態に戻すには(シームレスなループの作成時など)、 「サイクル展開」オプションを使用します。
「展開」 をアニメートした場合に、一定の時間にノイズをどの程度変化させるかを 指定できます。一定時間内のサイクルが多いほど、ノイズが急速に 変化します。短時間内に展開値を 大きく変更すると、フラッシュが発生する場合があります。
シームレスな ループを作成するには、「サイクル展開」オプションを使用し、 展開キーフレームを 0 度のフル循環で設定します。部分的な循環では、 ループが中断される場合があります。
展開のオプション
展開のオプション。
「展開」 サイクルの「ランダムシード」値を変更するだけで、新しい フラクタルノイズアニメーションを簡単に作成できます。 「ランダムシード」に別の値を入力すると、展開のアニメーションを乱さずに ノイズのパターンが変わります。
コンポジション全体で展開をアニメートする代わりに、1 つの短い展開サイクルをプリレンダリングして、必要なデュレーションだけループさせると、レンダリングにかかる時間が短くなります。
サイクル展開
設定した時間でループする展開のサイクルを作成します。 展開の状態を開始点に戻し、滑らかに進行する サイクル、1 回きりのサイクル、またはループセグメントを作成します。
サイクルが完全に循環するようにするため、 「展開」に設定した循環回数と同じ値、または循環回数で割り切れる値を 選択します。
サイクル(周期)
フラクタルノイズが開始時点に戻る前に繰り返す循環の回数。展開のキーフレーム間の時間によって、展開サイクルの速度が決まります。このオプションは、フラクタルの展開だけに影響し、トランスフォームなどの他の設定には影響しません。例えば、状態が同じフラクタルでも、サイズやオフセットの設定が異なる場合は、同じに見えません。
「サイクル」は、「サイクル展開」を選択した場合だけ使用できます。
ランダムシード
ノイズを生成するためのランダム値を設定します。ランダムシードプロパティを アニメートすると、同じフラクタルタイプ内で 1 つのノイズのセットから 他のノイズのセットへと点滅するように切り替わります。これは通常、 目的とする結果ではありません。ノイズをスムーズにアニメートさせるには、 「展開」プロパティをアニメートします。
不透明度
ノイズの不透明度。
描画モード
フラクタルノイズと元の画像の合成操作。 これらの描画モードは、タイムラインパネルのモード列にあるものと ほぼ同じですが、次の点が異なります。
なし
フラクタルノイズだけをレンダリングし、元のレイヤーと合成しません。
色相
フラクタルノイズをグレースケールではなく色相の値としてレンダリングします。 元のレイヤーの「彩度」と「明度」は保持されます。 元のレイヤーがグレースケールの場合、何も起こりません。
彩度
フラクタルノイズを、グレースケールではなく彩度の値として レンダリングします。元のレイヤーの「色相」と「明度」は保持されます。 元のレイヤーがグレースケールの場合、何も起こりません。
フラクタルノイズを使ったシームレスな ループの作成
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タイムラインパネルでレイヤーを選択し、 エフェクト/ノイズ&グレイン/フラクタルノイズを選択します。
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「展開」のキーフレームを 2 つ設定します。
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ノイズのアニメーションに満足いくまで、キーフレーム間の時間、および展開の循環回数を 調整します。
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「展開のオプション」の「サイクル展開」をオンにします。
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「サイクル(周期)」の値を設定します。
展開キーフレームで指定した時間内に、ここで指定した回数だけ 展開が循環します。 サイクルを繰り返す前に、このサイクルをどの程度 レンダリングする必要があるかを考慮して、サイクル値を決定します。レンダリングに 時間がかからないようにするには、プロジェクトに合う範囲でできるだけ短くします。
最初は、サイクルの最後のフレームが最初の フレームと同一です。シームレスなループを作成するには、サイクルの 最後のフレームの前に、レイヤーのアウトポイントに 1 フレームを 設定することで、最後のフレームをスキップします。
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現在の時間インジケーターを、サイクルが終わる場所に動かします。 例えば、「サイクル(周期)」が 2 の場合は、 「展開」の値が 2 のフレームを見つけます。注意:
他のフラクタルノイズ設定のキーフレームを設定する場合は、 それらを初期設定に戻します。この初期設定値では、サイクルが タイムライン上で繰り返しを開始するか、設定がループしないかのいずれかです。
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現在の時間インジケーターを、1 フレーム分戻します。
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このフレームでレイヤーのアウトポイントをトリムします。
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このレイヤーをプリレンダリングし、プロジェクトに読み込みます。
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プロジェクトパネルで読み込んだフッテージアイテムを選択し、 ファイル/フッテージを変換を選択します。「ループ」に、プロジェクトの レイヤーのデュレーション内でループする回数を設定します。
グレイン(マッチ)エフェクト
グレイン(マッチ)エフェクトは、2 つの画像間でノイズを マッチングします。このエフェクトは、コンポジション(合成)や ブルースクリーン/グリーンスクリーンの作業を行う場合に便利です。グレイン(マッチ)エフェクトはノイズを 追加するだけで、削除することはできません。そのため、マッチングする対象のノイズが ソースより多い場合は、正確にマッチングできません。このような場合は、 グレイン(除去)エフェクトを使用して、マッチングする対象を クリーンアップしてから、その結果にグレイン(マッチ)エフェクトを 適用すると、完全にマッチングすることができます。
グレイン(マッチ)エフェクトは、最初にノイズのサンプリングを行います。 基本的に、新しいノイズのフレーム全体がノイズサンプルとマッチするように 合成されます。ノイズを新しい画像に適用する前に、様々な方法で ノイズを変更することができます。例えば、画像のノイズを複製し、 そのノイズを大きくしたり、赤くしたりしてから別の画像に適用 します。
グレイン(マッチ)エフェクトには、グレイン(追加)エフェクト と同じコントロールがいくつかあります(グレイン(追加) エフェクトを参照)。
グレイン(マッチ)エフェクトは、マッチングする対象レイヤーの 最初のフレームに該当する、ソースレイヤー内のフレーム上のノイズを サンプリングします。該当するフレームにソースレイヤーが存在しない場合や、 ノイズサンプルに透明部分が含まれている場合は、ノイズのサンプリングや 適用は行われません。
このエフェクトは、8 bpc および 16 bpc カラーで使用できます。
イメージのノイズまたは粒子のマッチング
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ソースと対象のレイヤーが同じコンポジション にあることを確認します。
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粒子を追加する対象のレイヤーを選択します。
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エフェクト/ノイズ&グレイン/グレイン(マッチ)を選択します。
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エフェクトコントロールパネルの「ノイズソースレイヤー」ポップアップ メニューで、粒子をサンプリングするソースレイヤーを指定します (「ノイズソースレイヤー」で表示されるのは、 タイムラインパネル内に配置されているレイヤーだけです)。
粒子は自動的にサンプリングされ、対象レイヤーのプレビュー範囲に 適用されます。自動マッチを行う必要がある場合、 残りの手順は省略することができます。
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対象のレイヤーに既に大量のノイズがあり、粒子の不一致を 起こす場合は、既存ノイズを補正スライダーを使用して粒子が 増加するのを防ぎます。
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次のいずれかの操作を行います。
適用された粒子の強度およびサイズを調整し、 ブラーを発生させるには、「調整」コントロールを調整します。
追加されたノイズのカラーを変更するには、 「カラー」コントロールを調整します。
生成されるノイズのカラー値と元の対象レイヤーの カラー値を各ピクセルで合成する方法を決定するには、「効果」 コントロールグループの「描画モード」を選択します。
画像と中間点の各色調範囲に追加される粒子の 量を決定するには、「効果」コントロールグループの「シャドウ」、 「ミッドトーン」、「ハイライト」および「中間点」の値を調整します。
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エフェクトの表示を変更する場合は、エフェクトコントロール パネルの「表示モード」から次のいずれかを選択します。
ノイズサンプル
現在のノイズモデルを抽出するためにサンプリングされている領域を 表示します。ソースレイヤーを選択すると、ノイズサンプルの 四角い枠が表示された状態で、コンポジションパネルに表示されます。
補正サンプル
対象の画像から自動的に抽出されたノイズサンプルを表示します。
プレビュー
現在の設定でエフェクトを適用した状態を 200 x 200 pixel の 範囲で表示します。
描画マット
「元の画像とブレンド」コントロールグループの現在の設定に従って、 現在のカラーマットかマスク、または両方の組み合わせを表示します。
最終出力
エフェクトの現在の設定を使用して、アクティブフレーム全体を レンダリングします。
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必要に応じて、追加された粒子をアニメートします。
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「表示モード」コントロールから「最終出力」を選択します。
ノイズをマッチングするときに既存のノイズを 補正する
グレイン(マッチ)エフェクトを使用して 画像間の粒子をマッチする場合に、対象レイヤーに粒子が既に 表示されていると、粒子の不一致が起こったり粒子が増加する可能性があります。 この問題を防ぐために、「既存ノイズを補正」コントロールは、 ソースおよび対象の両方からノイズモデルを抽出し、対象に既に 存在するノイズに合わせてソースのノイズを修正してから対象に適用します。
この 補正が自動的に行われるようにするには、既存ノイズを補正スライダー を 100%に設定します。設定後に、表示モードポップアップメニューから 「補正サンプル」を選択すると、対象レイヤーのノイズサンプルを 表示することができます。サンプルの選択を「手動」に設定すると、対象画像内の サンプルを再配置することもできます。これにより、補正サンプルポイントを 手動で再配置することが可能になります。
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グレイン(マッチ)エフェクトを対象レイヤーに 適用します。
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必要に応じて、エフェクトコントロールパネルで、「グレイン(マッチ)」 エフェクトの「既存ノイズを補正」の値を調整します。ソース レイヤー内のノイズおよび対象レイヤー内のノイズがサンプリングされ、 両者の差異が計算されます。これにより、ソースレイヤーにマッチング するのに十分なノイズだけが、対象レイヤーに適用されます。
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ノイズサンプルを変更するには、表示モードポップアップメニューから 「ノイズサンプル」を選択し、「サンプリング」の「サンプルの選択」を 「手動」に設定してから、「ノイズサンプルポイント」を開きます。 「サンプル数」の現在の値によって、使用可能なポイントの数が決まります。
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各サンプルポイントを再配置するには、次のいずれかの操作を行います。
コンポジションパネルで、各サンプルポイントを 新しい位置にドラッグします。
エフェクトコントロールパネルの「ノイズサンプルポイント」 コントロールで、サンプルポイントに隣接する新しい XY 座標を 入力します。
エフェクトコントロールパネルで、 「ノイズサンプルポイント」のポイントパラメーター をクリックしてから、 ポイントを移動するコンポジションパネル内の位置をクリックします。
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「表示モード」コントロールから「最終出力」を選択します。
ミディアンエフェクト
ピクセルの値を、指定した半径内にある隣接するピクセルの カラー値の中央値に置き換えます。 半径を小さくした場合に、ノイズの種類によっては除去できる ものがあります。半径を大きくすると、絵の具を塗ったように見えます。
このエフェクトは、8 bpc および 16 bpc カラーで使用できます。
ノイズエフェクト
ノイズエフェクトは、画像全体のピクセル値を不規則に変更します。
このエフェクトは、8 bpc、16 bpc および 32 bpc カラーで使用できます。
ノイズ量
追加するノイズの量。
ノイズの種類
「カラーノイズを使用」は、赤、緑、青のチャンネルに別々の 乱数の値を追加します。このオプションを選択しないと、各ピクセルの 全チャンネルに同じ値が追加されます。
クリッピング
カラーチャンネルの値をクリップします。このオプションの選択を解除すると、 ノイズが目立つようになります。このオプションは、32 bpc カラーでは使用できません。
ノイズアルファエフェクト
アルファチャンネルにノイズを追加します。
このエフェクトは、8 bpc カラーで使用できます。
ノイズ
ノイズの種類。「均一ランダム」は同量の黒と白のノイズを 作成します。「矩形ランダム」はハイコントラストのノイズを 作成します。「均一アニメーション」はアニメートされたノイズを、「矩形アニメーション」は、 アニメートされた高いコントラストのノイズを作成します。
量
ノイズの強度。
オリジナルアルファ
アルファチャンネルにノイズを追加する方法。
加算
クリップの透明および不透明部分に同量のノイズを作成します。
クランプ
不透明部分のみにノイズを作成します。
スケール
不透明度に比例したノイズ量を追加し、100%透明な部分には ノイズを作成しません。
エッジ
アルファチェンネルのエッジなど、透明部分にのみノイズを 作成します。
オーバーフロー
0~255 の範囲外にあるグレースケールの値をマップし直す方法。
クリップ
255 を超える値を 255 にマップします。0 未満の値を 0 にマッピングします。
ラップバック
255 を超える値と 0 未満の値を両端で折り返して 0~255 の値に割り当てます。 例えば、258(255+3)は 252(255-3)、‑3 は 3 になります。
ラップ
255 を超える値と 0 未満の値を循環式で 0~255 の値に割り当てます。 例えば、258 は 2 に、256 は 0 に、‑3 は 253 に なります。
ランダムシード
ノイズの乱数生成用に入力する値。このオプションは、「均一ランダム」または「矩形ランダム」を選択した場合にのみ使用可能です。
フラッシングノイズを作成するには、「ランダムシード」をアニメートします。滑らかにアニメートするノイズを作成するには、ノイズフレーズ値をアニメートします。
ノイズフェーズ
ノイズの配置を指定します。このオプションは、 「均一アニメーション」または「矩形アニメーション」を選択した場合だけ使用できます。
ノイズオプション(アニメート)
ノイズをアニメートする方法。
ノイズフェーズのサイクルの速度を調整するには、ノイズフェーズキーフレームのタイミングを変更します。
「ノイズフェーズ」値のアニメート時間を短縮するには、「サイクルノイズ」オプションを使用して、シームレスなノイズループを作成します。次に、レイヤーをレンダリングし、それを新しいソースフッテージアイテムとして読み込みます。
サイクルノイズ
指定した時間内に一度だけ実行されるノイズサイクルを作成します。
サイクル
ノイズフェーズを繰り返す前に実行する、ノイズフェーズの 循環回数を指定します(「サイクルノイズ」が選択されている場合のみ 使用可能)。
ノイズ HLS エフェクトおよびノイズ HLS オートエフェクト
ノイズ HLS エフェクトとノイズ HLS オートエフェクトは、 画像の色相、明度、彩度にノイズを追加します。ノイズ HLS オートエフェクトでは、ノイズが自動的にアニメートされるので、 アニメーションの速度を選択します。「ノイズ HLS」 エフェクトをアニメートするには、キーフレームかエクスプレッションを使用します。この 2 つのエフェクトの コントロールは、アニメーション用の「ノイズフェーズ」と「ノイズアニメーションの速度」を除き、 すべて同じです。
これらのエフェクトは、8 bpc カラーで調整できます。
ノイズ
ノイズの種類。「均一」は均一に分布するノイズを作成します.「矩形」は ハイコントラストノイズを作成します。「粒状」は、フィルムの粒子のようなノイズを 作成します。
色相
色相の値に追加するノイズの量。
明度
明度の値に追加するノイズの量。
彩度
彩度の値に追加するノイズの量。
粒のサイズ
ノイズの種類を「粒状」にした場合だけ選択できます。
ノイズフェーズ(ノイズ HLS のみ)
ノイズの乱数生成用に入力する値。 「ノイズフェーズ」にキーフレームを設定すると、エフェクトはフェーズ間でノイズをサイクルして、 アニメートされたノイズを作成します。キーフレーム間の差の値が大きいと、ノイズ アニメーションの速度が上がります。
ノイズアニメーションの速度(ノイズ HLS オートのみ)
ノイズのアニメーションの速度。このプロパティをアニメートして、 ノイズのアニメーションの速度を加減します。
グレイン(除去)エフェクト
粒子やビジュアルノイズを削除するには、グレイン(除去) エフェクトを使用します。このエフェクトは、高度な信号処理と統計的な推定手法を使用して、 ノイズがない状態の画像への復元を試みます。 ブラー(ガウス) エフェクトやミディアンエフェクトなどを緩やかに適用して 画像のノイズを抑制すると、結果的にシャープネスやハイライトが失われます。 これに対して「グレイン(除去)エフェクト」は、 粒子やノイズと画像のディテールを区別して、ディテールができるだけ 維持されるようにします。
グレイン(除去)エフェクトには、ノイズの抑制と画像に 保持するシャープネスの量のバランスを正確に調整するためのオプションが 用意されています。また、ノイズリダクションとシャープネスのバランスを さらに改善するために、フレーム間の差異が分析されます。 この処理は時間の経過に伴って作用するので、時間フィルタリングと呼ばれます。
グレイン(除去)エフェクトで有効な効果を得るには、ノイズサンプリングが適切に行われる必要があります。自動 サンプリングの結果は、画像の内容とノイズの種類によって異なります。 特定の画像に応じた最良の結果を得るために、サンプルの数、 サイズおよび位置を変更することもできます。
「グレイン(除去)」エフェクトの「時間フィルタリング」コントロールは、統計的なアルゴリズムを使用して、現在のフレームを前および次のフレームとブレンド(合成)します。これらのコントロールは、DV やビデオフッテージから圧縮処理による不具合を削除する場合に特に効果的です。
このフィルターの処理結果を正しく評価するには、プレビューを使用するかファイルにレンダリングして、結果をリアルタイムで確認する必要があります。
グレイン(除去)エフェクトのプレビュー速度を 上げるには、エフェクトコントロールパネルでグレイン(除去) コントロールを適切に調整します。特に、最も効率的なワークフローは、粒子の削減量が 最大になる設定を最初に見つけてから、残りの 3 つのコントロールを 調整することです。
このエフェクトは、8 bpc および 16 bpc カラーで使用できます。
イメージのノイズや粒子の除去
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レイヤーを選択してから、エフェクト /ノイズ&グレイン/グレイン(除去)を選択します。
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「ノイズリダクション設定」コントロールグループで、次のいずれかを 調整します。
画像内のノイズの総量を調整するには、「ノイズリダクション」の値を調整します。
各チャンネルのノイズの量を個別に調整するには、「チャンネルのノイズリダクション」コントロールの「赤のノイズ」、「緑のノイズ」および「青のノイズ」の値を調整します。
注意:「展開」サイクルの「ランダムシード」値を変更するだけで、新しいフラクタルノイズアニメーションを簡単に作成できます。「ランダムシード」に別の値を入力すると、展開のアニメーションが乱れることなくノイズのパターンが変わります。
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「パス」の値を調整し、検出可能なノイズ半径の最大値を 設定します。
粒子が大きい塊状である場合、パスの値を増やします。パスの値を大きくすると、サイズの大きいノイズが抑制されます。
ファイルサイズが大きく、レンダリング時間が必要以上に長い場合、パスの数を減らして、メモリ使用量とレンダリング時間を削減します。
注意:最適なパス数を適用したら、以降はパスを追加しても効果は得られません。
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モードポップアップメニューから、次のいずれかのオプションを選択します。
マルチチャンネル
カラー画像のすべてのチャンネルで粒子を抑制します。 通常、最も良い結果が得られます。このモードでは、 チャンネル間の相関性を利用して、ノイズ削除処理の精度を上げます。
シングルチャンネル
個々のチャンネルごとに粒子を抑制します。このモードは、 マルチチャンネルで好ましくない結果が得られた場合やモノクロ画像 に対して使用します。
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「微調整」コントロールグループで次のいずれかを調整し、 ノイズリダクションとシャープネス保持のバランスを改善します。
クロマ抑制
ノイズのクロマ要素を抑制し、画像をクリーンアップします。 ノイズがカラフルな場合、この設定の値を増やすと 削除されやすくなります。設定した値が大きすぎると、画像自体からクロマ要素が抜け落ちる 可能性があります(クロマ抑制はグレースケール画像には効果が なく、ノイズリダクション設定モードが「シングルチャンネル」の場合は 使用できません)。
テクスチャ
出力される低レベルのノイズの量を設定します。 この設定は、好ましくない処理結果を低減したり、木目やレンガなど 細かいテクスチャの領域を保持したりする場合に特に便利です。 値を小さくすると滑らかになりますが、不自然な結果になることもあります。 値を大きくすると、入力から変更されずにそのまま出力されます。
ノイズサイズバイアス
同じ画像の様々なサイズのノイズを処理する方法を 制御します。初期設定値は 0 で、 すべてのサイズを同様に処理します。負の値を指定すると大きなノイズは 対象にならず、小さなサイズの粒子が重点的に削除されます。正の 値を指定すると小さなノイズは対象にならず、大きなサイズのノイズが重点的に 削除されます。
クリーンな単色エリア
差異が小さい隣接ピクセルをどの程度まで滑らかにするか を制御します。 この設定は、単色の大きな領域を可能な限りクリーンアップする 必要がある場合に便利です。値を高くしすぎると、 画像の単色エリアのほとんどが滑らかになり、不自然な外観になります。
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ノイズ削除によって抑制されたエッジの細かいディテールを 返すように「アンシャープマスク」コントロールを調整します。
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時間フィルタリングコントロールを使用して、フレーム間の ノイズリダクションを行います。
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エフェクトの表示内容を変更するには、表示モードポップアップメニューから、 次のいずれかのオプションを選択します。
ノイズサンプル
現在のノイズモデルを抽出するためにサンプリングされている領域を 表示します。
プレビュー
現在の設定でエフェクトを適用した状態を 200 x 200 pixel の 範囲で表示します。
描画マット
「元の画像とブレンド」コントロールグループの現在の設定に従って、 現在のカラーマットかマスク、または両方の組み合わせを表示します。
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「表示モード」コントロールから「最終出力」を選択します。
レイヤーへの時間フィルタリングの追加
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グレイン(除去)エフェクトを画像に 適用します。
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グレイン(除去)エフェクトのプレビュー範囲を、画像で フレーム間の変化が最も微妙な領域またはディテールの動きが最も多い領域上に 配置します。
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「時間フィルタリング」コントロールの「使用」を選択します。
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「量」の値を 100%に設定します。
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コンポジションをレンダリングして書き出します。
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動きのあるオブジェクトの周辺に不要な縞やにじみが表示 されている場合は、「モーション感度」の値を小さくしてから、プレビューするか レンダリングし直します。
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より適切な処理結果を得るには、次の方法を試してください。
バズノイズが目立つムービーのノイズをすばやく 減らすには、「ノイズリダクション」の値を 0 に、「時間フィルタリング」 の値を 100%に設定して、ムービーをレンダリングします。
プレビューの処理速度を上げるには、フレームの すべての設定を調整してから、「時間フィルタリング」をレイヤーに適用します。
レイヤーのエフェクトを維持した状態で「時間フィルタリング」 も適用するには、選択したレイヤーをプリコンポーズ(レイヤー/ プリコンポーズを選択)してから、グレイン(除去)エフェクトをそのレイヤーに適用します。
アンシャープマスクコントロールを使用して画像 を鮮明にする
グレイン(除去)エフェクトには、「アンシャープ マスク」コントロールが含まれています。「アンシャープマスク」 コントロールはエッジおよび細部のコントラストを強めて、粒子を抑制する処理中に 失われた可能性のあるシャープネスを、ある程度復元します。
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次のいずれかの操作を行います。
「アンシャープマスク」コントロールの「量」の値を 大きくすると、望ましくない処理結果が生成されたり、粒子が多い状態に 戻ったりすることなく、好ましいシャープ効果を生成できます。
「しきい値」を大きくして、シャープ効果によって発生した 望ましくない処理結果を削除します。
「半径」を調整して、アンシャープマスクによって 検出されるディテールの領域を変更します。
画像のシャープネスがなくなり始めるまで、 「ノイズリダクション」の値を調整します。次に、値を少し小さくし、 「アンシャープマスク」コントロールを適用して、画像をシャープにします。
タービュレントノイズエフェクト
タービュレントノイズエフェクトは、パーリンノイズを使用して、 背景やディスプレイスメントマップ、テクスチャを自然の材質のように 見せるグレースケールノイズを作成したり、雲、炎、溶岩、水蒸気、水の流れ、 蒸気などをシミュレートしたりします。
タービュレントノイズエフェクトは、フラクタルノイズエフェクトの パフォーマンスを向上した、改良版です。タービュレントノイズ エフェクトでは、短いレンダリング時間で、スムーズなアニメーションを 簡単に作成できます。また、タービュレントノイズエフェクトでは、 タービュレントシステムがより正確にモデル化され、小さなノイズオブジェクトが 大きなノイズオブジェクトよりもすばやく動きます。ただし、タービュレントノイズ エフェクトにはサイクル設定がないため、ループアニメーションを作成する場合は、 タービュレントノイズエフェクトの代わりにフラクタルノイズエフェクト を使用します
これら 2 つのエフェクトのコントロールはほぼ同じであるため、 フラクタルノイズエフェクトに関するほとんどの説明とチュートリアルは、 タービュレントノイズエフェクトにも該当します (フラクタルノイズ エフェクトを参照)。
「展開」コントロールでは、ノイズの形の微妙な変化を生み出します。 これらの設定をアニメートすることにより、ノイズが時間の 経過とともに滑らかに変化し、流れる雲や水などのエフェクトを作成 できます。
このエフェクトは、8 bpc、16 bpc および 32 bpc カラーで使用できます。
コントロール
フラクタルの種類
フラクタルノイズは、ノイズレイヤーごとに、乱数のグリッドを生成 することにより作成されます。ノイズレイヤーの数は「複雑度」で指定します。 この設定で、このグリッドの種類を決めます。
ノイズの種類
ノイズのグリッドの乱数を補間する方法。
反転
ノイズを反転します。黒い領域は白に、白い領域は黒になります。
コントラスト
初期設定値は 100%です。値を大きくすると、ノイズ中で白黒の はっきりした領域が増し、ディテールが荒くなります。 値を小さくすると、グレー領域が増し、 ノイズが軽減されます。
オーバーフロー
次のオプションのいずれかを使用して、0 ~ 1.0 の範囲外の カラー値を再マッピングします。
クリップ
1.0 を超える値を純粋な白、 0 未満の値を純粋な黒に再マッピングします。コントラスト の値で、範囲外になる広さが決まります。 値を大きくすると、白と黒の部分が多くなり、グレーの部分が 少なくなります。そのため、より強いコントラスト設定では、細部が粗く見えます。 ルミナンスマットとして使用すると、レイヤーの透明部分が よりシャープになります。
ソフトクランプ
値を無制限のカーブにリマップするので、すべての値が範囲内に入ります。 コントラストが下がるので、グレーの部分が多くなり、白と黒の 部分が少なくなります。ルミナンスマット として使用すると、レイヤーの透明部分は不明瞭になります。
ラップバック
1.0 を超える値と 0 未満の値を両端で折り返して再マッピングし、 範囲内に収めます。このオプションの値を 100 より大きい値に 設定すると、より微細なディテールを表示します。ルミナンスマットとして使用すると、レイヤーの 透明部分のテクスチャが微細になります。
HDR 効果を使用
再マッピングは行われません。0 ~ 1.0 の範囲外の値が そのまま残ります。
トランスフォーム
ノイズレイヤーを回転、伸縮、配置するための設定。 「遠近オフセット」を選択すると、レイヤーに遠近感が付きます。
複雑度
ノイズを作成するために、「サブ設定」に従って合成するノイズレイヤーの数。この数を大きくすると、奥行きが深く見え、微細な部分まではっきり描かれます。
「複雑度」の値を大きくすると、レンダリングにかかる時間が長くなります。場合によっては、「複雑度」を増す代わりにサイズを小さくし、短いレンダリング時間で同様の結果を得ることもできます。レンダリングに時間をかけずに、複雑なノイズに見えるようにするには、コントラストか明るさを負の値か非常に高い値に設定し、「オーバーフロー」で「ラップバック」を選択します。
サブ設定
ノイズは、ノイズのレイヤーを合成することによって生成されます。「サブ 設定」で、レイヤーをどのように合成するかと、レイヤーごとにプロパティを どのようにずらせていくかを決めます。レイヤーを順々に スケールダウンしていくと、細部がきれいに見えます。
サブ影響
各連続レイヤーが、結合されたノイズにどの程度影響するかを指定します。 100%に設定すると、すべての反復が同じ影響を持ちます。50% にすると、各反復の影響が前の反復の半分になります。 0%は、「複雑度」を 1 にするのとまったく同じです。
サブスケール
1 つのノイズレイヤーの前のレイヤーに対するスケーリングの比率。
展開
一回ごとに画像が変化し続けるプログレッシブな循環。 これは、360°ごとに ダイアル上の同じ設定が繰り返される通常の循環とは異なります。 展開の場合、 0°におけるアピアランスは 1 周目の表示とは異なり、2 周目の循環の表示は さらにまた異なるといったように変化します。
「展開」をアニメートした場合に、一定の時間にノイズをどの程度 変化させるかを指定できます。一定時間内の循環が多いほど、 ノイズが急速に変化します。短時間内に 展開値を大きく変更すると、フラッシュが発生する場合があります。
展開のオプション
タービュランスの強さ
大きいノイズオブジェクトの速度と小さいノイズオブジェクトの速度の違い。 0 を指定すると、 ノイズの動きはフラクタルノイズエフェクトの場合と同じになり、 小さいノイズオブジェクトが大きなノイズオブジェクトと同じ速度で 動くようになります。大きい値を指定すると、液体の自然な 乱流のようにノイズの複数のレイヤーがかき回されるようになります。
ランダムシード
ノイズを生成するためのランダム値を設定します。ランダムシードプロパティを アニメートすると、同じフラクタルタイプ内で 1 つのノイズのセットから 他のノイズのセットへと点滅するように切り替わります。これは通常、 目的とする結果ではありません。ノイズをスムーズにアニメートさせるには、 「展開」プロパティをアニメートします。
「展開」サイクルの「ランダムシード」値を変更するだけで、新しいノイズアニメーションを簡単に作成できます。「ランダムシード」に別の値を入力すると、展開のアニメーションが乱れることなくノイズのパターンが変わります。
不透明度
ノイズの不透明度。
描画モード
ノイズと元のイメージの合成操作。 これらの描画モードは、タイムラインパネルのモード列にあるものと ほぼ同じですが、次の点が異なります。
各 描画モードの説明については、描画モードの使用方法を 参照してください。
なし
フラクタルノイズだけをレンダリングし、元のレイヤーと合成しません。
色相
フラクタルノイズをグレースケールではなく色相の値としてレンダリングします。 元のレイヤーの「彩度」と「明度」は保持されます。 元のレイヤーがグレースケールの場合、何も起こりません。
彩度
フラクタルノイズを、グレースケールではなく彩度の値として レンダリングします。元のレイヤーの「色相」と「明度」は保持されます。 元のレイヤーがグレースケールの場合、何も起こりません。