テキストレイヤーを使用して、テキストをコンポジションに追加できます。テキストレイヤーは、アニメートされたタイトル、ロアサード、クレジットロール、ダイナミックタイポグラフィーなど、様々な目的で便利です。
テキストレイヤー全体のプロパティまたはカラー、サイズ、位置などの個々の文字のプロパティをアニメートできます。テキストをアニメートするには、テキストアニメータープロパティとセレクターを使用します。3D テキストレイヤーの中には、さらに別の 3D レイヤーを 1 文字につき 1 つ含めることができます(テキストアニメーターを使ってテキストをアニメートするおよび文字単位の 3D テキストプロパティを参照)。
テキストレイヤーは生成レイヤーであるため、フッテージアイテムをソースとしては使用しませんが、一部のフッテージアイテムの情報をテキストレイヤーに変換できます。テキストレイヤーはベクトルレイヤーでもあります。シェイプレイヤーや他のベクトルレイヤーと同様に、テキストレイヤーは必ず連続ラスタライズされています。そのため、レイヤーのスケールを設定したりテキストのサイズを変更しても、解像度に関係なく鮮明なエッジが維持されます。テキストレイヤーをレイヤーパネルで開くことはできませんが、コンポジションパネルでは使用できます。
After Effects で使用するテキストには、ポイントテキストと段落テキストの 2 種類あります。ポイントテキストは、単一の単語や行を入力するのに便利です。段落テキストは、テキストを 1 つまたは複数の段落として入力したり書式設定したりするのに便利です。

Adobe Photoshop、Adobe Illustrator、Adobe InDesign 、テキストエディターなどの他のアプリケーションから、After Effects のテキストレイヤーにテキストをコピー&ペーストできます。また、After Effects は Unicode 文字もサポートしているため、Unicode をサポートする他のアプリケーション(Adobe アプリケーションはすべて該当します)との間で Unicode 文字をコピー&ペーストできます。
テキストの書式設定は、「ソーステキスト」プロパティに含まれています。書式設定をアニメートしたり、文字そのものを変更する(b を c に変更するなど)には、「ソーステキスト」プロパティを使用します。
After Effects は自動的に、使用可能なフォントを使用して、環境にないフォントを同期します。インストールされていないフォルトを使用しているプロジェクトを開くと、フォントを解決するダイアログが表示されます。フォントが Adobe から入手できる場合は、フォントを自動的に Creative Cloud アカウントに同期させてインストールすることを選択できます。After Effects は、オンラインで利用できないフォントをデフォルトのフォントに置き換えます。
注意:
After Effects CC の 2017 年 4 月リリースでは、After Effects をインストールしても一連のフォントはインストールされません。以前のバージョンの After Effects でインストールされていた同じフォント(Adobe Myriad Pro など)は、Creative Cloud サブスクリプションの一部として、Adobe Fonts を通じて使用できます。

コンピューターの画面では鮮明に見えるテキストでも、最終的にムービーに出力するときれいに表示されないことがあります。この問題は、ムービーを再生するデバイスや、ムービーをエンコードするときに使用した圧縮方式が原因です。これは、シェイプレイヤー内に配置したシェイプなど、他のベクトルグラフィックでも同じです。実際には同じような問題がラスター画像でも発生しますが、一般的にはサイズが小さく、細部がシャープなベクトルグラフィックで多く発生します。
ビデオ用のテキストおよびベクトルグラフィックを作成してアニメートする場合は、次の点を考慮してください。
ムービーをプレビューする際に、NTSC ビデオモニターなどの最終的に使用する再生デバイスと同じ種類のデバイスで再生する必要があります(外部ビデオモニターでプレビューするを参照)。
彩度の高い色をその補色に変換するなどの、急激な色の変換は避けてください。MPEG や JPEG 形式などのほとんどの圧縮方式では、急激な色の変換を正確にエンコードできません。これらの圧縮方式では、急激に色が変化する付近でビジュアルノイズが発生する場合があります。アナログテレビでは、信号の許容範囲外でスパイクノイズが発生します。
テキストが動画の上にかかる場合は、同じ色で塗られたオブジェクトがテキストの背後を通過するときにテキストが判読できるよう、テキストにコントラスト境界(グローやストロークなど)が設定されていることを確認してください。
横線が非常に細いと、奇数フィールドのときに偶数走査線と重なり、フレーム上で見えなくなることがあります(偶数フィールドのときに奇数走査線と重なる場合も同様です)。例えば、H という文字を使用する場合は、横線部分を 3 ピクセル以上の太さにする必要があります。横線を太くするには、フォントのサイズを大きくするか、太字にするか、またはアウトラインを適用します(文字の書式設定と文字パネルを参照)。
縦にスクロールするクレジットなど、テキストが縦方向に動くようにアニメートする場合は、テキストの縦方向の移動速度(ピクセル/秒)を、インターレースビデオ方式のフィールドレートの偶数倍に設定します。このようなレートの設定で、走査線とテキストの動きが同調し、画面ぶれを防ぐことができます。通常、NTSC の場合は 0、119.88、および 239.76 ピクセル/秒、PAL の場合は 0、100、200 ピクセル/秒に設定すると、最適な画質が得られます。
注意:
テキストを垂直方向にスクロールするには(クレジットロールなど)、動作カテゴリの「自動スクロール(垂直方向)」アニメーションプリセットを適用すると簡単です。
ビデオ内のテキストやムービーの圧縮方式に関連する問題の多くは、テキストレイヤーにブラーエフェクトを適用するだけで解決できます。わずかなブラー(ぼかし)を適用することで色調の変化が滑らかになり、細い横線もやや太くなります。「インターレースのちらつき削減」エフェクトは、ちらつきを低減するのに最適です。垂直方向のぼかしのみを適用し、水平方向のぼかしは適用しないため、他のブラーよりも画質の低下が少なくなります。
Philip Hodgetts が、Creative COW の Web サイトで、ビデオのテキストまたはベクトルグラフィックを作成する場合に最良の結果を得るためのヒントを公開しています。
Christopher Green が、自身の Web サイトで、すべてのテキストから 1 つのテキストレイヤーを作成したり、テキストファイルの行ごとに 1 つのレイヤーを作成できるスクリプト(crg_Text_from_File.jsx)を公開しています。このスクリプトには、行送りやその他の間隔調整用のオプションも付いています。
After Effects CC 2015(13.6)アップデートでスクリプトを使用すると、テキストレイヤーのベースライン(x,y)ロケーションを読み取ることができます。TextDocument の新しい sourceText.value.baselineLocs 属性は、テキストのベースラインの各行の開始位置の x と y の値を示す浮動小数点の配列を返します。
段落テキストボックスの行の折り返しは、複数行として扱われます。
この配列は、次の形式で浮動小数点の値を返します。
line0.start_x, line0.start_y, line0.end_x, line0.end_y, line1.start_x, line1.start_y, line1.end_x, line1.end_y ~ lineN-1.start_x, lineN-1.start_y, lineN-1.end_x, lineN-1.end_y
注意:
行に文字がない場合は、開始と終了の x と y の値は、最大の浮動小数値(3.402823466e+38F)です。
スクリプティングによって、ディスク上のフォントの場所も含めて、テキストレイヤーで使用されるフォントやスタイルなどの追加情報を読み取ることができます。
次に、textDocument オブジェクトの読み取り専用属性を示します。
- fontLocation:ディスク上の場所を示すフォントファイルのパスとともに文字列が返されます(すべてのフォントの種類について返されることは保証されず、ある種のフォントの場合、戻り値は空の文字列のことがあります)
- fontStyle: 太字や斜体などのスタイルの情報とともに文字列が返されます
- fontFamily:フォントファミリー名とともに文字列が返されます
現在のテキストレイヤーの最初の文字に対して値が返されます。
このスクリプトは、スタイル未設定の状態で、テキストレイヤーのテキストを編集するパレットを表示します。テキストレイヤーが複雑なアニメーションを使用している場合、またはアクセスが困難な場合や現時点で非表示の場合、アニメートまたはスタイル設定されていないテキストの編集が便利です。
Jeff Almasol の redefinery の Web サイトから、このスクリプトをダウンロードしてください。
このスクリプトは、テキストファイルからの行を選択したテキストレイヤーのソーステキストのキーフレームとしてレイヤー上の連続するマーカーにマッピングします。マーカーのコメントとして行番号を入力することで、使用するテキスト行を制御できます。
Jeff Almasol の redefinery の Web サイトから、このスクリプトをダウンロードしてください。
このスクリプトは、様々な「プレーンテキスト」の各種記号を「スマート」な印刷記号に修正する(例えば、(c) を著作権記号 © に変換する)パレットを表示します。
Jeff Almasol の redefinery の Web サイトから、このスクリプトをダウンロードしてください。
Todd Kopriva が、アドビ システムズ社の Web サイトで、スクリプトインターフェイスを使用してテキストの書式を設定するサンプルスクリプトを公開しています。
Salahuddin Taha が、After Effects Scripts の Web サイトで、(右から左に標記される)アラビア語のテキストを入力できるスクリプトを公開しています。
Michael Cardeiro が、After Effects Scripts の Web サイトで、スプレッドシートまたはデータベースの情報を使用して様々なバージョンのコンポジションを作成するスクリプトを公開しています。このスクリプトは、スプレッドシートを行単位で処理し、スプレッドシートからテキストを自動的に受け取るコンポジションの中にテキストレイヤーを含む新しいコンポジションを作成します。
After Effects Scripts の Web サイトに、テキスト処理用のスクリプトが多数公開されています。Paul Tuersley が、After Effects Scripts の Web サイトで、After Effects プロジェクト内でテキストレイヤーを検索および編集したり、独自のテキストスタイルプリセットを作成したり、そのプリセットを複数のレイヤーに適用したりできるスクリプトを公開しています。
Paul Tuersley が、AE Enhancers フォーラムで、Substation Alpha(SSA)カラオケファイルを読み込み、それを基にアニメーションテキストレイヤーを自動的に作成するスクリプトを公開しています。
「ソーステキスト」プロパティ用のエクスプレッションのサンプルについては、ソーステキスト用のエクスプレッションを記述するおよび MarkerKey の属性(エクスプレッションのリファレンス)を参照してください。
ポイントテキストを入力すると、テキストの各行は独立して扱われます。行の長さは編集するテキストに応じて変化しますが、ボックスに合わせて折り返しはされません。
文字ツールのポインター に表示される小さい線は、テキストのベースラインの位置を示します。横書きテキストの場合は、ベースライン上でテキストが整列し、縦書きテキストの場合は、ベースラインを中心にテキストが整列します。
ポイントテキストを入力するときは、文字パネルで現在設定されているプロパティに基づいてテキストが作成されます。入力後にプロパティを変更する場合は、テキストを選択してから文字パネルで編集します。
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注意:
文字ツールのポインターは、コンポジションパネルのテキストレイヤーの上にあるかどうかによって変化します。ポインターの位置がテキストレイヤーの上にない場合は新規テキストポインター
になり、クリックすると新しいテキストレイヤーが作成されます。Shift キーを押しながらクリックすると、常に新しいテキストレイヤーが作成されます。
段落テキストを入力すると、テキスト行はバウンディングボックスのサイズに合うように折り返されます。複数の段落を入力して、段落の書式設定を適用することもできます。
バウンディングボックスのサイズはいつでも変更できます。サイズを変更すると、そのサイズに従ってボックス内にテキストが再表示されます。
段落テキストを入力すると、そのプロパティのセットが文字パネルと段落パネルに保存されます。プロパティを変更する場合は、テキストを選択してから文字パネルまたは段落パネルで編集します。
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注意:
文字ツールのポインターは、コンポジションパネルのテキストレイヤーの上にあるかどうかによって変化します。ポインターの位置がテキストレイヤーの上にない場合は新規テキストポインター
になり、ドラッグすると新しいテキストレイヤーが作成されます。Shift キーを押しながらドラッグすると、常に新しいテキストレイヤーが作成されます。
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テキストを入力します。新しい段落に移動するには、キーボードの Enter キー(Windows)または Return キー(Mac OS)を押します。新しい段落を作成せずに現在の段落内で強制改行するには、Shift + Enter キー(Windows)または Shift + Return キー(Mac OS)を押します。入力したテキストがバウンディングボックスに収まりきらない場合は、オーバーフローアイコン
がバウンディングボックスに表示されます。
注意:
Unicode 文字を使用するアプリケーションからコピーしたテキストは、編集/ペーストを選択してペーストすることもできます。ペーストしたテキストには、ペースト先のテキストレイヤーに含まれる最初の文字の書式設定が適用されます。
テキストレイヤー内のテキストはいつでも編集できます。テキストをパス上に設定したり、3D レイヤーとして指定したり、トランスフォームまたはアニメートをした場合でも、引き続き編集できます。テキストを編集する前に、編集するテキストを選択する必要があります。
注意:
テキストレイヤーの「パスのオプション」プロパティグループを無効にするには、「パスのオプション」プロパティグループの表示 スイッチ(目玉)をクリックします。「パスのオプション」プロパティグループを一時的に無効にすると、テキストの編集や書式設定が容易になります。
文字ツールのポインターは、コンポジションパネルのテキストレイヤーの上にあるかどうかによって変化します。文字ツールのポインターがテキストレイヤーに直接かかる場合は、編集テキストポインター として表示され、クリックすると、既存のテキストに挿入ポイントが表れます。
注意:
テキストレイヤー内のすべてのテキストを選択して、最後に使用した文字ツールをアクティブにするには、タイムラインパネルでテキストレイヤーをダブルクリックします。
Jeff Almasol が、redefinery の Web サイトで、テキストレイヤーのソーステキストを編集するスクリプトを公開しています。
Jeff Almasol が、redefinery Web サイトで、プレーンテキストの各種記号を「スマート」な印刷記号に変換する(例えば (c) を著作権記号 © に変換する)スクリプトを公開しています。
Jeff Almasol が、redefinery の Web サイトで、テキストレイヤーの「ソーステキスト」プロパティにキーフレームを設定し、テキストファイルからのテキストを値として設定することで、キーフレームをテキストレイヤー上のレイヤーマーカーで指定された時間に配置するスクリプトを公開しています。
コンポジションパネルで、移動ポインター でテキストレイヤーをドラッグして移動できます。テキスト編集モードを終了せずに移動ポインターをアクティブにするには、文字ツールのポインターをコンポジションパネル内のテキストから離し、移動ポインター
が表示されたらテキストをドラッグします。また、Ctrl キー(Windows)または Command キー(Mac OS)を押すと、一時的に移動ポインターをアクティブにできます。
注意:
段落テキストをポイントテキストに変換すると、バウンディングボックスに収まりきらない文字はすべて削除されます。テキストが削除されないようにするには、すべてのテキストが表示されるようにバウンディングボックスの大きさを調整してから変換してください。


合字は、特定の Open Type フォントで使用可能な特定の文字のペアを置き換えるための文字組版の文字です。文字パネルの「合字」オプションを有効にすると、フォントの合字を使用できます。After Effects では、様々な言語の文字の組み合わせに対して、多くのフォントの合字が用意されています。文字パネルの下部にあるフォントの合字チェックボックスを使用して、このオプションを有効にすることもできます。

Adobe Photoshop で作成したテキストレイヤーは、After Effects で開いても元のスタイルが維持され、編集することができます。
Photoshop ドキュメントを統合されたレイヤーとして読み込んだ場合は、まずそのレイヤーを選択し、レイヤー/レイヤーのあるコンポジションに変換を選択して、読み込んだドキュメントを元のレイヤーに分解する必要があります。
レイヤーが After Effects のテキストレイヤーに変換され、Photoshop のテキストレイヤーはソースフッテージアイテムとして使用されなくなります。
レイヤーにレイヤースタイルがある場合は、そのレイヤースタイルは、テキストが編集可能なテキストに変換される前にそのレイヤーにレイヤー/レイヤースタイル/編集可能なスタイルに変換コマンドが使われていた場合と同様に、編集可能なスタイルに変換されます。
Adobe After Effects を使用して、驚異的なモーショングラフィックス、テキストアニメーションおよび視覚効果を作成します。フィルム、TV、ビデオおよび web をデザインすることができます。