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Adobe Premiere Pro でのインジェストとプロキシワークフロー

Premiere Pro でのインジェストとプロキシワークフローのしくみ、およびインジェストとプロキシ用のカスタムプリセットを作成する方法について説明します。

注意:

2023 年 12 月 11 日以降、新しい組織は Creative Cloud 同期済みファイルを利用できなくなります。2024 年 2 月 1 日以降、2023 年 12 月 11 日より前に登録された個人アカウントへの Creative Cloud 同期済みファイルの提供は終了します(詳細はこちら)。2024 年 10 月 1 日以降、2023 年 12 月 11 日より前に登録された、組織に紐づくビジネスアカウントへの Creative Cloud 同期済みファイルの提供は終了します(詳細はこちら)。

Premiere Pro と Adobe Media Encoder の両方の新しいメディア管理機能により、インジェストプロセス中のファイルの処理をより詳細に制御でき、大きなメディアファイルを扱う際の柔軟性が向上します。

Premiere Pro では、メディアを読み込む際にマシン上の特定の場所にコピーするように設定したり、バックグラウンドでメディアをコピーしながらすぐに編集を開始することもできます。ワークフローがトランスコードを必要とする場合は、Premiere Pro または Adobe Media Encoder でこのステップを処理するよう設定できます。

また、Premiere Pro では、RED Weapon カメラの 6K および 8K ファイルなど、これまで以上に多くのネイティブ形式もサポートしています。これは、操作するメディアが、ご使用のコンピューターシステムで管理できる範囲を超えている場合に役立ちます。例えば、軽量のポータブルデバイスで作業したい場合、インジェスト時にプロキシを生成して、ネイティブの最大解像度のメディアに自動的に関連付けることが可能になりました。1 クリックで最大解像度とプロキシクリップを切り替えることができます。

インジェスト設定とメディアブラウザー

Premiere Pro のメディアブラウザーパネルで、編集を開始しながら、バックグラウンドでメディアを自動的にインジェストできます。 

メディアブラウザーパネルのインジェストチェックボックスで、自動インジェスト動作のオン/オフを切り替えます。このチェックボックスの横にある設定ボタンをクリックすると、プロジェクト設定ダイアログボックスが開き、インジェスト設定を調整できます。プロジェクト設定ダイアログボックスの同様のインジェストチェックボックスは、メディアブラウザーパネルの設定と同期しています。自動インジェスト動作をオンにすると、ファイルがプロジェクトに読み込まれた際に自動的に開始する 4 つの操作のいずれかを選択できます。バックグラウンドでインジェストプロセスが完了する間に編集を続行できます。

コピー 

メディアをそのまま新しい場所にコピーできます。例えば、このオプションは通常、リムーバブルメディアからローカルのハードドライブにカメラのフッテージを転送するのに使用します。インジェスト設定の「プライマリ保存先」オプションでは、転送パスが指定されます。メディアをコピーした後、プロジェクトのクリップはこれらのファイルのコピーを指します。

トランスコード 

メディアを新しい形式で、新しい場所にトランスコードできます。例えば、このオプションを使用すると、通常元のカメラのフッテージをポストプロダクション施設内で使用されている特定の形式にトランスコードできます。ファイルパスは「設定」の「プライマリ保存先」オプションで指定され、形式は選択したプリセットとフレームサイズで指定されます。メディアをトランスコードした後、プロジェクトのクリップはこれらのトランスコードされたファイルのコピーを指します。 

プロキシの作成 

このオプションを使用すると、プロキシを作成してメディアに追加できます。例えば、このオプションは通常、編集中のパフォーマンス向上のための低解像度クリップを作成するのに使用します。最終出力用には、元の最大解像度ファイルに再び切り替えることができます。プロキシが生成されるファイルパスは設定の「プロキシ保存先」オプションで指定され、形式は選択したプリセットとフレームサイズで指定されます。プロキシが作成されると、プロジェクトのクリップに自動的に追加されます。

プロキシをコピーして作成 

このオプションは、メディアをコピーして、上で指定したようにプロキシを作成します。 

プリセットサポートの読み込み

4 つすべてのオプションに、ファイルの宛先が「プロジェクトファイルと同じ」に設定されたデフォルトのプリセットが用意されています。その代わりに、ユーザー定義の宛先や、ファイルがクラウドと自動的に同期される Creative Cloud ファイルフォルダーを選択することもできます。また、Adobe Media Encoder を使用して、独自の「インジェスト」プリセットを作成することもできます。

概要情報

この概要では、宛先パス、使用済みプリセット、プリセットの詳細に関する詳細情報を提供します。

具体的なヒントとワークフロー

Premiere Pro 24.2 には、低解像度、中解像度および高解像度のプロキシプリセットが含まれなくなりました。

これらのプリセットから解像度にプロキシを作成する場合は、次のカスタムプロキシ寸法を指定します。

  • 低:1024 x 540
  • 中:1280 x 720
  • 高:1536 x 790
  • Adobe Media Encoder でインジェストプリセットを作成する際、フレームサイズとフレームレートをソースの一致としてマークすると、トランスコードプリセットとして分類されます。フレームサイズまたはフレームレートをソースの一致としてマークしていない場合、プリセットはプロキシを生成するプロキシプリセットとして分類されます。Premiere Pro では、プロキシインジェストプリセットの指定したフレームサイズを、Premiere Pro で指定した分数解像度で上書きします。特定のフレームサイズでプロキシを作成する場合は、Premiere Pro ダイアログでカスタムの幅フィールドと高さフィールドに値を入力できます。
  • インジェスト設定を使用してこれらのソースをコピーする際は、ソースカメラのフォルダー構造が、一意の名前が付けられた親フォルダー内に配置されていることを確認します。一意の名前が付けられた親フォルダーを持つ権限がないカメラカードから直接インジェストする(コピーする)場合は、各カメラカードに一意の保存先フォルダーを指定します。これらのガイドラインに従わない場合、カメラのフォルダー構造メディアを保存先にコピーする間に競合が発生し、インジェストエラーやファイルの上書き(データ損失)が発生します。
  • プロキシのコピーと作成の操作中に、プロキシファイルはソースの高解像度メディア(コピーされたメディアではない)から生成されます。そのため、ソースメディアをシステムから切り離す前に、進行状況パネルでコピージョブとプロキシジョブの両方が完了していることを監視します。すべてのインジェスト操作は再生中は一時停止されます。
  • 選択した解像度で選択した形式に対して不正な寸法のプロキシファイルが作成された場合、AME はその値を最も近い正当な値に変更します。例えば、10 進数以外の寸法または(一部の形式の場合)奇数や 16 で割り切れない寸法などです。
  • HDR メディアのみの場合:選択した解像度で高さ 576 以下のプロキシファイルを作成する場合、プロキシは高さ 720 で作成され、幅はソースの縦横比に基づいて計算されます。これにより、プロキシと Premiere Pro のカラーマネジメントワークフローとの互換性が維持されます。

インジェストプリセットの作成

インジェストおよびプロキシワークフローのカスタムプリセットを作成して使用できます。インジェストとプロキシは、Adobe Media Encoder で作成されたインジェストプリセットでのみ動作します。

新しいインジェストプリセットの作成方法

1. Adobe Media Encoder を起動し、ビデオコーデックやフレームサイズなど希望する出力設定で、新しい Adobe Media Encoder のプリセットを作成します。この手順はオプションで、Adobe Media Encoder の使用可能なプリセットの対象ではない特定の形式と出力設定がある場合に使用します。インジェストを介してトランスコードまたはプロキシを作成する場合は、Adobe Media Encoder のプリセットのオーディオ設定は無視されます。

2. Adobe Media Encoder のプリセットブラウザーで、プラス記号(+)をクリックして「インジェストプリセットの作成」を選択するか、プリセット/インジェストプリセットの作成の順に選択します。この手順で、「インジェストプリセット設定」ダイアログボックスが開きます。

3. 「プリセット名」で、プリセットに名前を付けます。「コメント」で、必要なその他の情報を追加します。

4. インジェストしたフッテージをディスクの新規の場所にコピーする(または外部メディアからローカルハードディスクにファイルを移動する)には、「転送」オプションを有効にします。次に、「宛先」ドロップダウンメニューで新規ファイルの配置場所を選択します。「確認」を有効にして、「確認」ドロップダウンメニューで検証の種類を選択することで、コピーしたファイルを確認できます。

注: インジェストプリセットでコピーが有効になっている場合、プリセットは Premiere Pro の「インジェスト設定」ダイアログの「コピーとプロキシをコピーして作成」オプションで利用可能になり、「トランスコード」および「プロキシの作成」オプションでは利用できません。

5. Premiere Pro のプロジェクトにフッテージをインジェストする際にプロキシをトランスコードまたは作成するには、「ファイルを宛先にトランスコード」オプションを有効にします。次に、「宛先」ドロップダウンメニューで新規ファイルの配置場所を選択します。その後、「形式」ドロップダウンメニューで出力タイプを選択できます。使用可能なエンコードプリセットのリストが「プリセット」ドロップダウンメニューの下に表示されます(作成したカスタムエンコーダープリセットを含む)。

注: インジェストプリセットで「ファイルを宛先にトランスコード」が有効になっている場合、プリセットは「トランスコード」オプションと「プロキシの作成」オプションにある「Premiere Pro のインジェスト設定」ダイアログボックスで使用できるようになります。

6. 「インジェストプリセット」ダイアログボックスのすべてのセクションが終了したら、「OK」を押して Adobe Media Encoder に保存します。

7. Premiere Pro の「インジェスト設定」または「プロキシの作成」ダイアログボックスで新規に作成したインジェストプリセットを使用するには、Adobe Media Encoder からディスクにプリセットを書き出します。これを行うには、Adobe Media Encoder のプリセットブラウザーで目的のプリセットを右クリック(WIN)または Ctrl キーを押しながらクリック(Mac OS)し、「プリセットの書き出し」を選択します。.epr ファイル用にディスクの場所を選択します。Adobe Media Encoder のプリセットブラウザーでプリセットを選択し、プリセット/書き出しの順に選択することもできます。

ファイルメタデータとファイルの名前変更を使用するには

トランスコードされたファイルや新規プロキシにファイルメタデータを追加できます。また、コピーまたはトランスコードを行う際にファイル名を変更できます(プロキシのファイル名は常にソースファイルから継承されます)。名前変更はカメラ形式のファイル(例えば P2 フォルダー構造)では機能しません。

ファイルメタデータの追加

1. インジェストプリセットを作成する場合は、チェックボックスをクリックして「ファイルメタデータの追加」を有効にします。右側のドロップダウンメニューで、「新規プリセット」を選択します。 

2. + 記号をクリックすると、メタデータキーと値がペアになります。プラス記号(+)をクリックして、他のキーと値のペアを追加できます。

3. ペアを追加し終えたら、「保存」ボタンを押してメタデータプリセットを保存します。プリセット名を入力するダイアログボックスが表示されます。名前を入力して保存します。

ファイルの名前変更の追加アクション

1. インジェストプリセットを作成する場合は、チェックボックスをクリックして「ファイルの名前変更の追加」を有効にします。右側のドロップダウンメニューで、「新規プリセット」を選択します。 

2. + 記号をクリックし、追加したい名前変更アクションのタイプを選択します。プラス記号(+)をクリックすると、他の名前変更アクションを追加できます。

3. 名前変更アクションを追加したら、「保存」ボタンを押して「名前変更」プリセットを保存します。プリセット名を入力するダイアログボックスが表示されたら、名前を入力して保存します。

注:ファイルメタデータとファイルの名前変更は、プリセットとしてディスクに保存されます。インジェストプリセットを新しいコンピューターに移動する場合、メタデータおよび名前変更プリセットも移動する必要があります。ファイルメタデータとファイルの名前変更プリセットが新しいコンピューターに移動されない場合は、インジェストプリセットは正しく機能しません。これを行うには、次の手順を実行します。

a. 目的のメタデータまたは名前変更プリセットをドロップダウンから選択し、選択ドロップダウンの右側にある 2 番目のドロップダウンを選択します。

b. 「名前を付けて保存」コマンドを選択し、「ファイルメタデータ」または「ファイルの名前変更」プリセットをディスクの新規場所に保存します。

c. 新しいセカンダリコンピューターで、「インジェストプリセット設定」ダイアログを開き、「ファイルメタデータ」または「ファイルの名前変更」ドロップダウンメニューを選択して、「プリセットの読み込み」を選択します。

プロキシの作成

プロキシはプロジェクトパネルの項目から直接作成できます。 

  1. プロジェクトパネルのコンテキストメニューから「プロキシを作成」を選択し、プロキシを作成ダイアログを開きます。

    このメニュー項目は、パネルでプロキシを作成できる 1 つ以上の項目が選択されている場合に有効になります。Premiere Pro では、キャプションがないビデオがあり、ファイルが増大していない場合に、マスタークリッププロジェクト項目にプロキシを作成できます。メディアもオンラインである必要があります。

  2. プロキシを作成ダイアログで、デフォルトのフレームサイズである 1/2 を使用し、プリセットをデフォルトの ProRes QuickTime プロキシに設定するか、他のフレームサイズとプリセットを選択します。

    インジェストのプリセットを追加」ボタンをクリックすれば、Adobe Media Encoder で作成したプリセットを追加することもできます。また、元のメディアの横にあるプロキシディレクトリまたはカスタムの場所にプロキシを作成することもできます。

  3. プログラムモニターでプロキシファイルを簡単に特定できるようにするには、「透かしを追加」を選択します。

  4. 透かしドロップダウンから「ファイルを選択」オプションを選択して、プロキシをカスタム透かしでカスタマイズすることもできます。

    選択した画像をアップロードすると、Adobe Media Encoder によってレンダリングされた後、ソースパネルのメディアに表示できます。

    UI には、ファイルを選択するためのオプションが強調表示された、プロキシを作成ダイアログボックスが表示されます。
    プロキシ対応メディアを明確に識別するためにカスタム透かしを選択し、編集プロセス中の混乱を最小限に抑えます。

  5. OK」を選択します。

    Premiere Pro では、Adobe Media Encoder に送信するプロキシ作成ジョブを作成している間、進行状況を示すダイアログボックスが表示されます。

    その後、プロキシジョブが、プロキシ対象として選択された各プロジェクト項目に対して Adobe Media Encoder で作成され、オフラインプロキシが各プロジェクト項目に関連付けられます。これらのジョブの進行状況は、Premiere Pro の進行状況パネルまたは Adobe Media Encoder で監視できます。

  6. ジョブが処理されている間、Premiere Pro で対応する高解像度プロジェクト項目の操作を続行できます。メディア環境設定パネルで「プロキシを有効化」が有効になっている場合は、プロキシジョブが完了したら、Premiere Pro は自動的にタイムラインでのプロキシビデオの表示に切り替わります。

注意:

Adobe Media Encoder でプロキシジョブが処理されている間、Premiere Pro を開いたままにしておく必要はありません。すべてのジョブが完了する前に Premiere Pro を終了すると、Premiere Pro が実行されていないときに作成されたプロキシは、Premiere Pro が起動されドキュメントが再度開かれたときに接続されます。

プロジェクトでプロキシファイルを識別する方法

様々な方法で、作業しているのがプロキシファイルなのかオリジナルファイルなのかを区別することができます。

プログラムモニターの「プロキシの切り替え」ボタンを使用すると、プロキシを切り替えることができます。そのうえ、プロキシを使用しているかどうかを判断することもできます。このボタンが青の場合はプロキシが有効になっており、グレーの場合は無効になっています。

タイムラインとプロジェクトパネルのシーケンスには、ステータスを示すバッジもあります。 

このアイコンが赤く表示されている場合は、プロキシファイルがオフラインになっていることを示しています。これらのファイルは移動または削除されているため、Premiere Pro で見つけることはできません。

プロキシ作成中に透かしを追加すると、Premiere Pro はプログラムモニターの左下に透かしを表示します。

進行状況パネルとダイアログ

プロキシをインジェストして作成

プロキシのトランスコードまたは作成時には、Adobe Media Encoder のレンダリングが進行状況パネルに表示されます。ダイアログを表示するには、ウィンドウ/進行状況...の順に選択します。プロキシジョブおよびインジェクトジョブのステータスに対して個別のエントリが表示されます。ステータスには、「待機中...」、「完了」、「処理中」(または進行状況バー)、「キャンセル」があり、ジョブが失敗した場合にはエラーメッセージが表示されます。

プロジェクトパネルで既存のファイルからプロキシを作成する場合、「プロキシジョブの作成中」ダイアログが開いている間は、操作全体をキャンセルできます。

注: Adobe Media Encoder でプロキシをトランスコードまたは作成する際は、Premiere Pro への接続をキャンセルすることなくレンダーキューを一時停止したり再開したりでき、Premiere Pro と Adobe Media Encoder の間でプロキシの自動追加を続行できます。Adobe Media Encoder でレンダーキューを停止すると、プロキシと元のファイルとの接続が失われ、自動プロキシの追加はおこなわれません。Adobe Media Encoder のキューが停止すると、トランスコードまたはプロキシジョブをすべて作り直す必要があります。

プロキシの追加、最大解像度メディアの再接続およびプロキシの切り替え/有効化

これらの 2 つのオプションは、プロキシメディアまたは最大解像度メディアの手動による追加で使用されます。これらのオプションは、「プロキシの作成」ワークフローの外部(サードパーティのソフトウェア、ハードウェア、またはその両方を使用して作成されたメディアなど)でプロキシメディアを作成する場合に役立ちます。または、プロキシまたは最大解像度メディアをオフラインクリップに再接続する場合に便利です。サポート対象のワークフローでは、最大解像度のクリップ(例:1920x1080 1.0 の最大解像度と、960x540 1.0. の PAR プロキシまたは 1440x1080 1.33 の PAR プロキシ)で割り切れる他のフレームサイズおよび PAR(ピクセル縦横比)の組み合わせのプロキシ接続をおこなえます。ただし、フィールド、フレームレート、デュレーション、オーディオチャンネルなど他のパラメーターが一致している必要があります。オーディオチャンネルが一致していないと警告ダイアログが表示され、許可されませんが、他の不一致のビデオパラメータはブロックされず、問題が発生します。

メディアのサポート:「プロキシの追加」および「最大解像度メディア」オプションは、プロジェクトパネルのビデオのみ、A/V、オフラインのクリップで使用できます。その他のファイルタイプ(オーディオのみ、静止画、イメージシーケンスなど)はサポートされていません。プロジェクトパネルでクリップを右クリック(WIN)または Ctrl キーを押しながらクリック(Mac OS)し、プロキシ/プロキシの追加または最大解像度メディアの再接続を選択します。「キーボードショートカット」ダイアログボックスで、各オプションにショートカットを割り当てることもできます。

  • 「プロキシの追加」をクリックすると、「メディアのリンク」ダイアログボックスと同様の「プロキシの追加」ダイアログボックスが表示されます。メディアブラウザーまたは OS のダイアログボックスのいずれかを選択すると、プロキシクリップをプロジェクトパネルの最大解像度クリップに追加できます。「プロキシの追加」には「取り消し」コマンドもあります。
  • 「最大解像度メディアの再接続」をクリックすると、「最大解像度メディアの再接続」ダイアログボックスが起動します。「プロキシの追加」ダイアログと同様ですが、最大解像度クリップは追加されません。このオプションを使用すると、選択したクリップがプロキシの位置に移動し、「最大解像度の再接続」ダイアログで選択したクリップが新しい最大解像度クリップになります。プロキシがクリップに既に追加されている場合は、プロキシクリップが維持され、最大解像度の部分のみが置き換えられます。「最大解像度の再接続」を元に戻すことはできませんが、「最大解像度メディアの再接続」を使用して別のクリップを追加することはできます。

注: 対象のクリップでは、「プロキシの追加」オプションと「最大解像度メディアの再接続」オプションが常に有効です。クリップの最大解像度またはプロキシを変更する場合は、もう一度オプションを選択して別のクリップを追加することができます。

プロキシの有効化/切り替え:プロキシまたは最大解像度を表示するには、ソースモニターまたはプログラムモニターの「プロキシの切り替え」ボタンを使用します。このボタンは、ボタンエディター(いずれかのモニターの右下にあるプラス記号(+))で利用でき、トランスポートコントロール領域に追加できます。この設定はグローバルマシン環境設定であるため、環境設定/メディア/プロキシを有効にして設定することもできます。これらのボタンと「環境設定」はリンクされているため、1 つの場所で設定すると、他の場所にも設定されます。「プロキシの切り替え/有効化」環境設定は、そのシステムで作成されたすべてのプロジェクトに適用されます。プロジェクトを別のシステムに移動した場合、環境設定は、プロジェクトではなく、そのシステムに設定されている内容によって決定されます。設定されると、ボタンが青色に変わり、ソースモニターとプログラムモニターでプロキシを表示していることが示されます。キーボードショートカットでプロキシの切り替えのショートカットを設定することもできます。

注:他のパネルでは、「プロキシの切り替え/有効化」の状態に基づきサムネールが自動アップデートされることはありません。その結果、サムネールが「プロキシの切り替え/有効化」の設定に従っていないことがありますが、これによって特定のパフォーマンスに関する問題が軽減されます。

プロキシ列:プロジェクトパネルとメタデータパネルには、メタデータ表示/プロキシ列用の Premiere Pro プロジェクトメタデータのオプションがあります。チェックボックスをクリックすると、プロキシ列がリスト表示のパネルに追加されます。プロキシが接続されていない場合、列は空白になります。プロキシがクリップに追加されている場合は、「追加済み」と表示され、追加されていないプロキシまたはオフラインの場合は「オフライン」として表示されます。

注:メタデータパネルとプロジェクトパネルの列は、最大解像度クリップの情報のみをレポートします。プロキシクリップの情報を表示できる場所は、「プロパティ」と「情報パネル」の 2 つがあります。

プロパティ:プロキシが追加されたクリップのプロパティを表示すると、上部には最大解像度クリップの情報が表示され、その下にプロキシクリップの情報が表示されます。

情報パネル:プロキシがオーディオビデオクリップに接続されている場合、情報パネルには高解像度クリップ情報の下に基本的なビデオとオーディオ情報が表示されます。ただし、情報パネルはビデオのみのクリップのプロキシ情報はレポートしません。

注: Premiere Pro のその他の領域はすべて、高解像度の情報のみをレポートします。

オフラインおよび再リンク/再接続:「メディアのリンク」ダイアログは、プロキシの機能を制限するようにはアップデートされていません。「メディアのリンク」ダイアログボックスでは、同じファイルにのみ再リンクし、サポートされていない形式は避けるようにします(「追加」ダイアログボックスでは、サポートされている形式のみに制限されます)。最大解像度またはプロキシがオフラインかどうかに応じて、再リンクまたは再接続するオプションが若干異なります。

  • 最大解像度:(プロジェクトが閉じているときにクリップがオフラインになった場合)プロジェクトを開く過程で、最大解像度への再リンクに使用する「メディアのリンク」ダイアログが自動的に表示されます。「最大解像度メディアの再接続」ダイアログを使用したい場合、または「最大解像度のオフライン」を維持したい場合は、「すべてオフライン」または「キャンセル」をクリックします。プロジェクトが開いたら、コンテキストメニューに「メディアのリンク」および「最大解像度メディアの再接続」オプションが表示されます。プロジェクトで作業中に最大解像度クリップがオフラインになると、「メディアのリンク」ダイアログボックスが表示されます。
  • プロキシ:(プロジェクトが閉じているときにクリップがオフラインになった場合)プロジェクトを開く過程で、プロキシクリップの再リンクに使用できる「メディアのリンク」ダイアログが自動的に表示されます。「プロキシの追加」ダイアログを使用するか、または「プロキシをオフラインのままにする」を使用する場合は、「すべてオフライン」または「キャンセル」をクリックします。プロジェクトを再度開いたときに「メディアのリンク」オプションを使用したい場合は、「キャンセル」ボタンを使用します。「オフライン」または「すべてオフライン」を選択してプロジェクトを保存する場合、プロジェクトを閉じて再び開くときに「メディアのリンク」ダイアログボックスが表示されないため、この操作は重要です。プロジェクトが開いたら、「プロキシの追加」オプションはコンテキストメニューでのみ表示されます(「オフラインのプロキシ」のみのクリップでは「メディアのリンク」が淡色表示されます)。プロジェクトで作業中にプロキシクリップがオフラインになった場合は、「メディアのリンク」ダイアログボックスは開きません。プロジェクトを閉じてから再度開くと、「メディアのリンク」ダイアログ ボックスが表示されます。「メディアのリンク」ダイアログボックスには、プロキシの「ファイル名」および「ファイルのパス」列情報のみが表示されます。

注: プロキシと高解像度が両方ともオフラインの場合、プロジェクトを開くプロセスで自動「メディアのリンク」ダイアログボックスが表示され、特定のクリップのみを再リンクしたい場合は、「メディアのリンク」ダイアログで Shift またはコマンド/コントロールキーを押しながら目的のクリップをクリックします。

1) 「プロキシの切り替え」ボタン

2) 選択したクリップのプロキシビデオとオーディオ情報を持つ情報パネル

3) 最大解像度のステータス列

4) プロキシステータスのプロキシ列

注意:

変換されたフレームレートでクリップにプロキシを使用する場合は、プロキシを作成する前にフレームレートを変換します。

プロキシを切り離す

新しいプロキシを再作成する場合や、プロキシが不要になった場合は、プロキシを切り離すことができます。

プロキシをクリップから切り離すには、プロジェクトパネルでクリップを右クリックし、「プロキシ」/「プロキシを切り離す」を選択します。

注意:

プロキシを切り離しても、別のプロジェクトで参照できるファイルやプロキシを削除せず、ディスク上のプロキシファイルは削除されません。プロキシファイルを保持するか削除するかを決定できます。

プロキシを切り離す
プロキシを切り離す

 プロキシをすばやく切り離すには、キーボードショートカットを割り当てます。「編集」/「キーボードショートカット」(Win)または「Premiere Pro」/「キーボードショートカット」(macOS)に移動し、「プロキシを切り離す」を検索し、ショートカットを割り当てます。

プロキシを使用した書き出し

Premiere Pro は、環境設定メディア環境設定でプロキシを有効にした場合や、プログラムモニターの「プロキシの切り替え」ボタンを使用して、書き出すときにフル解像度のメディアを使用します。

書き出すときにフル解像度のメディアが必要ない場合、またはすばやく書き出すには、書き出し設定ダイアログボックスで「プロキシを使用」チェックボックスを選択します。

書き出しモードでのプロキシの有効化
書き出しモードでのプロキシの有効化

書き出しモードで「プレビューを使用」と「プロキシを使用」を選択すると、タイムラインの一部にレンダリングされたプレビューとプロキシメディアの両方がある場合に、レンダリングされたプレビューが使用されます。これにより、書き出し処理がさらに高速化されます。

ソースフッテージとプロキシ寸法の関係

ソースフッテージの寸法と予期されるプロキシ寸法

ソース寸法

フル画質

1/2

1/4

1920 x 1080(HD)

1920 x 1080

960 x 540*

480 x 270*

3840 x 2160(4K UHD)

3840 x 2160

1920 x 1080

960 x 540*

4096 x 2160(4K)

4096 x 2160

2048 x 1080

1024 x 540*

6144 x 3456(6K)

6144 x 3456

3072 x 1728

1536 x 864

7680 x 4320(8K UHD)

7680 x 4320

3840 x 2160

1920 x 1080

8192 x 4608(8K)

8192 x 4608

4096 x 2304

2048 x 1152

2160 x 3840(縦型 4K UHD)

2160 x 3840

1080 x 1920

540 x 960

1080 x 1920(縦型 HD)

1080 x 1920

540 x 960

270 x 480*

* これらのサイズに設定された HDR フッテージのプロキシは、高さ 720 で作成され、幅はソース縦横比に基づいて計算されます。

ヒントとコツ

クリップのオフライン/オンラインステータスを簡単に監視するには、プロジェクトパネルをリスト表示に設定して、プロキシ列を有効にし、それを既存のステータス列(最大解像度のステータスをレポート)の横に移動します。下記のスクリーンショットで例をご覧ください。

• プレビューのレンダリング、メディアの書き出し、特定の分析エフェクトの使用(ワープスタビライザー、ローリングシャッターの修復、モーフカット)を使用する場合、Premiere Pro は常に「プロキシの切り替え/有効化」設定に関係なく最大解像度を使用して表示します。唯一の例外は、最大解像度のクリップがオフラインで、プロキシがオンラインの場合は、プロキシが使用されます。書き出すときにプロキシを使用するには、書き出しモードで「プロキシを使用」チェックボックスをオンにします。

メモ:解像度とコーデックの組み合わせによっては、十分な画質が得られるため、プロキシクリップと最大解像度クリップの視覚的な違いを識別するのが困難な場合があります。この問題を回避するには、プロキシの作成時に「ウォーターマークを追加」を選択します。

• プロキシの切り替え/有効化が機能しない、またはツールヒントが機能しない問題が発生した場合は、 Premiere Pro を終了して環境設定を削除します。Premiere Pro の起動時に Shift+オプション/Alt キーを押して、環境設定を削除することもできます。

推奨されるプロキシワークフローでは、プロキシクリップの名前に「_Proxy」を追加し(例えば、scene01_Proxy.mxf)、最大解像度クリップのすぐ横にある「Proxies」という名前のフォルダにプロキシクリップ(ディスク上)を配置します。これは、クリップの再接続に役立ちます。「プロキシの作成」ダイアログの既定の宛先設定は、これらの両方の条件に対応します。カスタムの宛先を設定した場合は、プロキシフォルダーを宛先に追加する必要があります。デフォルトでは「プロキシを作成」アクションを実行すると、自動的に _Proxy がクリップ名に追加されます。 

• 同じ名前の最大解像度またはプロキシクリップ(例えば、C0001.mxf、C0001.mxf、C0001.mxf)または同じ名前に番号が追加された複数のバージョン(例えば、MyClip_Proxy.mxf、MyClip_1_Proxy.mxf、MyClip_2_Proxy.mxf)を使用すると、接続や「メディアのリンク」ダイアログで他と自動的に再リンクするよう設定されている場合に、混乱が生じます。その結果、間違ったクリップに対して自動的に接続されたり、再リンクする可能性があります。この問題を回避するには、このオプションを選択解除し、影響するクリップを 1 つずつ接続または再リンクします。

サポートされない機能

  • プロキシワークフローは、プロジェクトマネージャ、レンダリングと置換、AAF、Final Cut Pro XML、EDL、OMF などのインターチェンジオプションではサポートされていません。これらの機能ではプロキシの接続はありません。また、現在のところ、プロキシワークフローは、After Effects および Audition の相互運用機能もサポートされていません。
  • 変更オーディオチャンネルおよび変更タイムコードも、プロキシワークフローではサポートされていません。
  • ソースクリップエフェクトソース設定(R3D、ARRI、DPX など)を使用した形式は、最大解像度クリップでサポートされています。ソースクリップエフェクトソース設定形式は、プロキシクリップとして使用することはできません。例:R3D 最大解像度と H.264 プロキシはサポートされています。R3D 最大解像度と DPX プロキシはサポートされていません。

お問い合わせ

プロキシに関するご質問については、Premiere Pro コミュニティまでお問い合わせください。お客様からのご連絡をお待ちしています。

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