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高度なオーディオ - サブミックス、ダウンミキシング、およびルーティング

サブミックスの操作

サブミックスとは、同じシーケンス内の特定のオーディオトラックまたはトラックのセンドからルーティングされたオーディオ信号を組み合わせたトラックです。サブミックスは、オーディオトラックとミックストラック(以前の名称はマスタートラック)との間にある中間的なステップです。複数のオーディオトラックに対して同じ操作を行う場合に便利です。例えば、5 トラックあるシーケンスのうちの 3 トラックにまったく同じオーディオおよびエフェクトの設定をする場合などに使用できます。また、サブミックスを使用することで、エフェクトに適用されるインスタンスが複数から 1 つに減少するので、コンピューターの処理能力効率の向上につながります。

通常のクリップを含むオーディオトラックと同様、サブミックスもモノラル、ステレオまたは 5.1 サラウンドに分けられます。サブミックスは、オーディオトラックミキサーでもタイムラインパネルでもフル機能トラックとして表示されます。サブミックストラックのプロパティは、オーディオクリップを含むトラックの場合と同様に編集することができます。ただし、サブミックスとオーディオトラックでは以下のような違いがあります。

  • サブミックストラックにはクリップを含めることができません。したがって、サブミックストラックへの録音もできません。このため、サブミックストラックには録音、デバイス入力、そしてクリップの編集に関する機能、プロパティはありません。

  • オーディオトラックミキサーでは、サブミックストラックは判別し易いように、ほかのトラックより若干暗い背景で表示されます。

  • タイムラインパネルでは、サブミックスに対してトラック出力の切り替えアイコン または表示形式を設定アイコン は表示されません。

タイムラインパネルでのサブミックスの作成

  1. シーケンス/トラックの追加を選択します。
  2. 「オーディオサブミックストラック」セクションでオプションを指定して、「OK」をクリックします。

サブミックスの作成およびセンドへの割り当ての同時実行

  1. 必要に応じて、「オートメーション」オプションのメニューの左側にある右向きの三角形をクリックして、オーディオトラックミキサーにエフェクトとセンドの設定領域を表示します。
  2. オーディオトラックミキサーの 5 つの送り先の選択リストメニューのいずれかをクリックして、「モノラルサブミックスを作成」、「ステレオサブミックスを作成」または「5.1 サブミックスを作成」を選択します。

トラックの出力のサブミックスへのルーティング

  1. オーディオトラックミキサーで、トラックの最下部にあるトラック出力メニューからサブミックス名を選択します。

センドを使用したトラックのルーティング

各トラックは 5 つまでセンド先を指定することが可能で、オーディオトラックミキサーのエフェクトとセンドの設定領域に表示されています。センドは、トラックの信号をサブミックストラックへルーティングしてエフェクト処理する場合によく使用します。サブミックスからは、処理済みの信号をミックストラックへルーティングしてミックスに返したり、別のサブミックスへルーティングしたりできます。センドには、センドトラックのボリュームとサブミックスのボリュームとの比率を制御するレベルつまみが用意されています。この値はウェット/ドライ比と呼ばれます。「ウェット」はエフェクト処理済みのサブミックスからの信号、「ドライ」はセンドトラックからの信号のことです。ウェット/ドライ比が 100% の場合、ウェット信号がセンドトラック信号すべてにエフェクトが適用された結果であることを示します。サブミックスのボリュームの対象はウェット信号で、センドトラックのボリュームの対象はドライ信号です。

センドは、プリフェーダーまたはポストフェーダーに指定することができます。これにより、トラックのオーディオがセンドされるのをトラックのボリュームフェーダーが適用される前と後のどちらにするかを指定することができます。プリフェーダーセンドを使用すると、トラックのフェーダーを調整しても、センドからの出力レベルは変わりません。ポストフェーダーセンドでは、ウェット/ドライ比が維持されます。センドトラックのボリュームを調整するとウェット信号とドライ信号が同時にフェードします。

注意:

トラックセンドを 16 チャンネルシーケンスのミックストラックに割り当てることはできません。

トラックのサブミックスへのセンド

  1. (オプション)オーディオトラックミキサーでエフェクトとセンドの設定領域を表示するには、オーディオトラックミキサーの左側にあるエフェクトとセンドの表示/非表示の横の三角形をクリックします。
  2. エフェクトとセンドの設定領域で、次のいずれかの操作を行います。
    • 既存のサブミックスへセンドするには、送り先の選択の三角形をクリックし、メニューからサブミックス名を選択します。

    • 新しいサブミックスを作成してセンドするには、送り先の選択の三角形をクリックし、「モノラルサブミックスを作成」、「ステレオサブミックスを作成」または「5.1 サブミックスを作成」のいずれかを選択します。

    オーディオトラックミキサーセクションが開き、新しいサブミックスを作成して送信するオプションが表示されます。
    トラックをサブミックスに送信して効果を処理することで、オーディオをルーティングします。

センドの設定の編集

  1. (オプション)オーディオトラックミキサーでエフェクトとセンドの設定領域を表示するには、オーディオトラックミキサーの左側にあるエフェクトとセンドの表示/非表示の横の三角形をクリックします。
  2. エフェクトとセンドの設定領域で、送り先の選択の三角形をクリックし、メニューから送り先を選択します。
  3. (オプション)選択したセンドプロパティコントロールの下に表示される選択したパラメーターポップアップメニューから、編集するセンドプロパティを選択します。
  4. 最下段のセンド割り当てプロパティメニューのすぐ下に表示される制御つまみを使用して、プロパティの値を変更します。

センドの操作

  1. (オプション)オーディオトラックミキサーでエフェクトとセンドの設定領域を表示するには、オーディオトラックミキサーの左側にあるエフェクトとセンドの表示/非表示の横の三角形をクリックします。
  2. 次のいずれかの操作を行います。
    • センドをプリフェーダーまたはポストフェーダーに指定するには、センドを右クリック(Windows)、または Control キーを押しながらクリック(Mac OS)して、コンテキストメニューから「プリフェーダー」または「ポストフェーダー」を選択します。

    • センドをミュートするには、選択したセンドプロパティのセンド制御つまみの隣に表示されるセンドをミュートボタンをクリックします。

    • センドを削除するには、送り先の選択メニューから「なし」を選択します。

出力先のほうがチャンネル数が少ない場合のミックスダウン

トラック出力をチャンネル数の少ないトラックまたはデバイスへルーティングすると、ルーティング先のトラックのチャンネル数に合わせてオーディオがミックスダウンされます。シーケンスのオーディオはマスターオーディオトラックのチャンネル数より少ないチャンネル数しかサポートしていないオーディオ機器で再生される可能性があるので、多くの場合はミックスダウンが必要になります。例えば、5.1 サラウンドオーディオを使用する DVD を作成したとしても、視聴者が使用するスピーカーシステムまたはテレビがステレオ(2 チャンネル)またはモノラル(1 チャンネル)しかサポートしていない場合があります。このほか、出力元よりもチャンネル数の少ないトラックへトラック出力を割り当てた場合は、プロジェクト内部でもミックスダウンが行われます。Premiere Pro には「5.1 ミックスダウンタイプ」オプションが用意されており、5.1 サラウンドオーディオをステレオまたはモノラルに変換する方法を指定することができます。変換方法は、前方チャンネル、後方またはサラウンドチャンネルおよび LFE(低域補強エフェクトまたはサブウーファー)の組み合わせから選択することができます。

5.1 サラウンドオーディオのステレオまたはモノラルへの変換

  1. 編集/環境設定/オーディオ(Windows)または Premiere Pro/環境設定/オーディオ(Mac OS)を選択します。
  2. メニューから「5.1 ミックスダウンタイプ」を選択して、「OK」をクリックします。
    注意:

    左右チャンネルの割り当ての整合性を維持する場合は、LFE チャンネルを含むミックスダウンオプションを使用しないでください。

トラック出力のルーティング

初期設定では、トラック出力はミックストラックへルーティングされます。オーディオトラックミキサーの各トラックの下に表示されるトラック出力設定メニューを使用すると、トラック信号全体をサブミックストラックまたはミックストラックへルーティングすることもできます。出力信号には、オートメーション、エフェクト、パン/バランス、ソロ/ミュート、フェーダーなど、そのトラックに指定されたすべてのプロパティ設定が含まれています。オーディオトラックミキサーでは、サブミックストラックはすべてオーディオトラックの右にまとめて表示されます。トラックは任意のサブミックスへ出力することができますが、フィードバックループを避けるため、Premiere Pro ではサブミックスのルーティング先として指定することができるのは、そのサブミックスの右側にあるサブミックスまたはミックストラックに限定されています。出力メニューには、以上のルールを満たすトラックのみが表示されます。

注意:

エフェクトサブミックスを使用してセンド/リターンを作成することができます。

トラック出力のルーティングまたはオフ

  1. 次のいずれかの操作を行います。
    • トラック出力を別のトラックへルーティングするには、オーディオトラックミキサーの各トラックの下に表示されるトラック出力設定メニューから、サブミックスまたはミックストラックを選択します。

    • トラック出力を完全にオフにするには、トラック出力の切り替えアイコン をクリックして、タイムラインウィンドウでトラックのスピーカーアイコンを非表示にします。この設定により、トラックから信号が出力されなくなります。ただし、信号のルーティングは変更されません。

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