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クリップの結合によるオーディオとビデオの同期

Premiere Pro では、「クリップを結合」というオーディオとビデオの同期方法を提供しています。この機能によって、別々に記録したオーディオとビデオの同期作業(ダブルシステム記録と呼ばれることもあるプロセス)を合理的に進めることができます。「クリップを統合」コマンドを使用すると、ビデオクリップを選択して、最大 16 個のチャンネルと同期させることができます。合成クリップを構成するクリップは、「コンポーネントクリップ」と呼ばれます。

クリップは、プロジェクトパネルやタイムラインのいずれかで選択してグループで合成できます。「クリップを統合」コマンドは、クリップメニューまたはコンテキストメニューから呼び出します。コンテキストコマンドであるため、複数のクリップを選択する必要があります。

1 つまたは複数のオーディオクリップを単一のビデオまたは AV クリップに統合できます。統合クリップ内に許容されるオーディオトラックの総数は、モノラル、ステレオ、5.1 サラウンドのいずれのクリップの組み合わせでも、16 個までです。単一のモノラルクリップは 1 トラック、単一のステレオクリップは 2 トラック、5.1 クリップは 6 トラックとして計算されます。

注意:

統合クリップを作成しても、ソースクリップの置換や変更は行われません。

プロジェクトパネルでのクリップの統合

プロジェクトパネルでクリップを統合するには、次の操作を行います。

  1. オーディオクリップを統合するビデオクリップを選択します。合成クリップに含めることができるビデオクリップは 1 つだけです。
  2. Shift キーまたは Control キーを押しながらクリック(Mac OS の場合は Command キーを押しながらクリック)して、ビデオクリップと統合するオーディオのみのクリップを選択します。
  3. 次のいずれかの操作を行います。
  • クリップ/クリップを統合を選択します。
  • 右クリック(Mac OS の場合は Control キーを押しながらクリック)して、ショートカットメニューから「クリップを統合」を選択します。

クリップを統合ダイアログボックスが起動します。次のいずれかのオプションを選択して、同期ポイントを指定します。

  • インポイント:インポイントを基準として同期ポイントを指定します(カチンコの音など)。
  • アウトポイント:アウトポイントを基準として同期ポイントを指定します(最後のカチンコの音など)。
  • タイムコード:クリップ間の共通のタイムコードを基準として同期ポイントを指定します。
  • クリップマーカー:ショットの間の番号付きクリップマーカーを基準として同期ポイントを指定します。この機能は、すべてのコンポーネントクリップに少なくとも 1 つの番号付きマーカーがないと無効になります。

「OK」をクリックします。統合したクリップは、プロジェクトパネルにビデオクリップと同じ名前で表示されます。ビデオがない場合は、(ビンの現在の配置順に基づく)一番選択回数が多いオーディオクリップの名前で表示されます。新しい統合クリップの名前の末尾には、「- 統合」が追加されます。この名前は必要に応じて変更できます。

注意:

オーディオのみのクリップを他のオーディオのみのクリップに結合することができます。合成クリップにはビデオクリップは必要ありません。ビデオを含むクリップは 1 つだけ使用できます。 

タイムラインパネルでのクリップの統合

タイムラインパネルでクリップを統合するには、次の操作を行います。

  1. クリップを選択して(選択されていない場合)、次のいずれかの操作を行います。
  • コンポーネントクリップをプロジェクトパネルにドラッグします。
  • クリップ/クリップを統合を選択します。

クリップを統合ダイアログボックスが起動します。

  1. 「OK」をクリックします。統合クリップがプロジェクトパネルに表示されます。
注意:

タイムラインで統合したクリップは、コンポーネントクリップごとにクリップ開始位置から同期されます。クリップ終了位置、タイムコードまたは番号付きマーカーに基づいてクリップを統合するには、クリップを統合する前に同期機能を使用します。

タイムラインパネルでのクリップの同期

クリップの同期とは、タイムラインパネルで複数のクリップを整列させることです。クリップを同期させた後で、統合クリップを作成します。

タイムラインパネルでクリップを同期させるには、クリップをタイムラインパネルで編集してから、次のいずれかの操作を行います。

  • クリップを手動でドラッグして適切な位置に配置し、同期させます。
  • 同期機能を使用してクリップを整列させます。これには、次の手順を行います。
  1. 同期するクリップを選択します。
  2. クリップ/同期を選択します。

「同期」ダイアログボックスが起動します。次のいずれかのオプションを選択して、同期ポイントを指定します。

  • クリップ開始位置
  • クリップ終了位置
  • タイムコード
  • クリップマーカー

「OK」をクリックします。クリップが同期されます。

リニアタイムコードでクリップを同期する

ネイティブのリニアタイムコード(LTC)サポートにより、オーディオ信号にタイムコードをエンコードするデバイスからの複数のビデオソースとオーディオソースを迅速かつ正確に同期できます。

  1. プロジェクトパネルで同期したいクリップを選択し、クリップ修正タイムコードを選択します。リニアタイムコード(LTC)を選択します。

    「クリップを変更」ダイアログボックスが開き、オプション「リニアタイムコード(LTC)」が選択されます。
    リニアタイムコードを使用して、複数のビデオソースとオーディオソースをすばやく同期します。

  2. クリップをシーケンスに追加します。

  3. シーケンス内で同期するクリップを選択します。

  4. クリップ同期を選択します。

統合クリップの編集

一般に、統合クリップの操作方法はほかのクリップの操作方法と同様です。ただし、注目すべきワークフローの違いがいくつかあります。

ギャップが含まれる合成クリップのタイムラインでの編集

クリップをマージすると、タイムラインに編集するときの動作に影響します。具体的には、クリップのコンポーネント構造に「ギャップ」が含まれている場合です。

別のコンポーネントクリップを利用できる場合:オーディオまたはビデオのギャップにインポイントまたはアウトポイントがマークされていて、そのギャップの上または下に別のコンポーネントクリップがある場合、Premiere Pro は、合成クリップをタイムラインに追加する際に、ギャップのトラックを使用します。

利用可能なコンポーネントクリップがない場合:オーディオとビデオを結合でき、合成クリップ内に、ほかのコンポーネントが存在しないギャップが存在する可能性があります。ギャップにインポイントまたはアウトポイントをマークした場合は、「編集が無効」という内容の警告が表示されます。合成クリップをタイムラインに追加しようとすると、「ソースクリップでマークされたイン/アウト範囲にメディアが存在しません」と表示されます。統合クリップをソースモニターパネルからタイムラインにドラッグ&ドロップしようとすると、「ドロップ不可」アイコンが表示されます。

注意:

ビデオでのギャップは黒い画像として再生されます。別のトラックで利用可能な別のコンポーネントオーディオクリップがない限り、オーディオのギャップには無音が再生されます。 

合成クリップのトリミング

合成クリップのトリミングは、次の例外を除いて、他のクリップのトリミングと同様です。

  • トリミング中、トリミングはコンポーネントクリップに同じように適用され、オフセットは保持されます。
  • 単一のコンポーネントクリップの端部をトリミングするには、Alt キーまたは Option 補助キーを押しながらドラッグして、同期を一時的に解除します。
  • 個々のコンポーネントクリップをトリミングする際に、スナップがオンになっていると、ほかのコンポーネントの端でスナップが発生します。
  • 通常のトリミングルールが適用されます。統合クリップは、コンポーネントクリップのいずれかに 1 フレーム以上残っている状態までトリミングできます。

統合クリップとメタデータパネル

統合クリップを作成すると、各コンポーネントクリップのメタデータがメタデータパネルにコピーされます。統合クリップのメタデータの表示には、次のような違いがあります。

メタデータの表示:単一のコンポーネントクリップのメタデータを表示できます。任意のコンポーネントクリップのメタデータを表示するには、ファイルポップアップメニューでクリップ名を選択します。メタデータがメタデータパネルに表示されます。

メタデータの入力:メタデータは、コンポーネントクリップまたは合成クリップ全体に対して入力できます。

  • ファイルポップアップメニューを任意のコンポーネントクリップに設定し、そのクリップのメタデータを入力します。
  • ファイルポップアップメニューを「すべてのファイル」に設定し、統合クリップのメタデータを入力します。プロパティに入力したデータは、統合クリップを構成する各コンポーネントファイルの XMP に入力されます。
注意:

「すべてのファイル」表示は、クリップの複数選択のように動作します。選択範囲全体でプロパティの値が一致しない場合に表示されます。複数選択の場合と同様に、表示モードを「すべてのファイル」に設定すると、プロパティに入力したデータはすべて、合成クリップを構成する各コンポーネントファイルの XMP に入力されます。 

オーディオマスタークリップのタイムコードを使用して合成クリップを作成

合成クリップの作成時にオーディオマスタークリップからのタイムコードを使用できます。さらに、統合クリップの作成時に、ソースカメラオーディオを省略するように選択することもできます。

次の操作を実行します。

  1. ビデオクリップ、およびタイムコードを含むオーディオクリップを選択します。
  2. クリップ/クリップを統合を選択します。
  3. クリップを統合ダイアログボックスで、次のいずれかの操作を行います。
  • オーディオマスタークリップからのタイムコードを使用して合成クリップを作成するには、「クリップからオーディオタイムコードを使用」チェックボックスをクリックします。チェックボックスが選択されたら、ポップアップメニューからビデオに同期するオーディオトラックを選択します。
  • クリップからソースカメラオーディオを削除するには、「ビデオに含まれるオーディオを削除」チェックボックスをクリックします。

4. 「OK」をクリックします。

合成クリップの制限

合成クリップを操作するときには、いくつかの制限が適用されます。
  • 「フッテージを置き換え」コマンドは機能しません。
  • Adobe Story スクリプトの追加やスピーチのテキストへの書き起こし機能はサポートされていません。

    注意:
    統合の前に Adobe Story スクリプトをオーディオクリップに追加した場合は、統合後にスピーチをテキストに書き起こすことができます。メタデータパネルのファイルポップアップメニューから「すべてのファイル」を選択するか、スクリプトが含まれるオーディオクリップを選択して、「分析」ボタンをクリックします。

  • 合成クリップでのオーディオチャンネル割り当てのフルコントロールはサポートされていません。
  • 合成クリップオーディオは、モノラルトラックオーディオのみになります。Final Cut Pro XML および AAF 相互交換形式はサポートされていません。
  • オーディオ波形、フリーランタイムコード、Time-of-Day タイムコード、AUX タイムコード、または個別のオーディオタイムコードを使用した自動同期はサポートされていません。
  • 「Bridge で表示」機能はサポートされていません。
  • 作成後、統合クリップを再同期または調整することはできません。クリップを再同期または調整するには、新しい統合クリップを作成します。
  • 統合クリップのコンテンツ調整はサポートされていません。ただし、特定のコンポーネントクリップを削除すると、その統合クリップは再リンクできます。
  • 統合クリップまたは作成済みの統合クリップの一部を再統合に使用したり、新規の統合クリップの作成に使用することはできません。統合クリップの作成に使用できるのは、コンポーネントクリップだけです。

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