Premiere Pro のマスクツールを使用して、ビデオのフレームの特定の部分にエフェクトを適用します。マスクを適用し、フレーム間での移動をトラッキングする方法を学習します。

Premiere Pro でのマスク

Premiere Pro 内で After Effects で行うような強力なマスクとトラッキングのワークフローを利用できます。

マスクでは、ブラー、塗りつぶし、ハイライトを適用したり、エフェクトやカラー補正を適用したりするクリップ内の特定の領域を定義できます。

楕円や長方形など、さまざまな多角形マスクを作成したり変更したりできます。または、ペンツールを使用して、自由なベジエ形状を描画することもできます。

Premiere Pro でのマスク
Premiere Pro でのマスク

A. 楕円シェイプツール B. 長方形シェイプツール C. ペンツール 

マスクされた領域内または領域外にエフェクトを適用できます。マスクの一般的な用途の 1 つは、人の顔をぼかして個人情報を保護することです。例えば、ブラーエフェクトまたはモザイクエフェクトを適用することによって、人の顔をマスクすることができます。

また、マスクを適用して特定の色を補正するなど、よりクリエイティブな方法でマスクを使用することもできます。反転マスク選択を使用して、マスクされた領域をクリップの残りの部分に適用されたカラー補正から除外することもできます。さらに、複数のエフェクトをクリップの複数の領域に適用して、複数のシェイプマスクを追加できます。

描画ツールを使用してマスクを作成

Premiere Pro には 2 つの描画ツールがあります。楕円シェイプツール では円形または楕円形のマスクを作成し、長方形シェイプツール では 4 面の長方形を作成します。

 

  1. タイムラインで、マスクする領域が含まれているクリップを選択します。

  2. エフェクトパネルから、マスクされた領域に適用するエフェクトを選択します。

    例えば、モザイクエフェクトを適用する場合、ビデオエフェクトスタイライズモザイクを選択します。

  3. エフェクトパネルからエフェクトアイコンをタイムラインパネル内のクリップにドラッグして、選択したエフェクトをクリップに適用します。または、クリップを選択し、エフェクトパネルでエフェクトをダブルクリックして適用します。

    注意:

    同じエフェクトを複数回適用して、その都度設定を変えることもできます。

    エフェクトの適用について詳しくは、エフェクトのクリップへの適用を参照してください。

  4. 楕円シェイプツール をクリックして、楕円形のマスクを作成するか、または長方形シェイプツール をクリックして、長方形のマスクを作成します。

    シェイプマスクはプログラムモニターに表示されるクリップに表示され、エフェクトはマスクされた領域内に制約されます。

重要事項

  • Premiere Pro はマスクをエフェクトのプリセットとして保存しません。
  • ワープスタビライザーエフェクトに対してマスクが無効になっています。マスクの形状コントロールがエフェクトコントロールパネルでワープスタビライザーエフェクトに対して表示されません。

ペンツールを使用して、自由な形状を描画することもできます。

ペンツール では、オブジェクトの周囲に複雑なマスクを自由に描画できます。

マスクの描画を開始するには、ペンツールをクリックします。直線や曲線セグメントを描画して、さまざまな形状を作成できます。スムーズカーブを描画するには、ベジェパスセグメントを描画します。これによって、マスクの形状を詳細にコントロールできます。  

ペンツールによる直線パスセグメントの描画

ペンツールで描画できる最も単純なパスは、2 つの頂点がある直線です。クリックを続けると、複数の直線セグメントが頂点で結ばれたパスができます。

ペンツールの使用
直線セグメントを開始するには、ペンツールをクリックします。

  1. ペンツールを選択します。

  2. ペンツールのポインターを直線セグメントの描画を開始する地点に移動し、クリックして最初の頂点を定義します(ドラッグはしません)。

    注意:

    描画する最初のセグメントは、次の頂点をクリックするまで表示されません。

  3. 次に、書き始めのセグメントを終了させる地点でクリックします(セグメントの角度を 45°単位に固定するには、Shift キーを押しながらクリックします)。

  4. ペンツールのクリックを続けて、残りの直線セグメントの頂点を設定します。

  5. クローズパスにする場合は、最初に作成した頂点の上にペンツールを置きます。ペンツールを正しい位置に置くと、ペンツールポインターの横に小さい円 が表示されます。クリックまたはドラッグしてパスを閉じます。

ペンツールを使用して曲線ベジェパスセグメントを描画する

ペンツールを使用して、方向線をドラッグして、曲線パスセグメントを作成します。曲線の形状は、方向線の長さと方向によって決まります。

ベジェシェイプを作成するには、Alt キーを押しながら、カーソルを頂点に置き、マスク上の頂点をベジエポイントに変換できます。カーソルが、反転された「V」形状に変わります。次に、クリックして、ポインターを離します。

ベジェハンドルは 2 方向のコントロールで、ハンドルとその前または後ろにある次のポイントを結ぶ線分の曲がり具合を制御できます。

ベジェハンドル
ベジェハンドル

A. 曲線の形状を制御する 2 方向のベジェハンドル B. ベジェのマスクの点 
  1. ペンツールを曲線の始点に置き、マウスボタンを押したままにします。頂点が表示され、ペンツールのポインターが矢印に変わります。

  2. 頂点の両方の方向線の長さと方向をドラッグして変更し、マウスボタンを放します。

    曲線パスの最初の頂点を指定
    曲線パスの最初の頂点を指定

    A. ペンツールを配置 B. マウスボタンを押したままドラッグを開始 C. ドラッグして方向線を伸ばす 
  3. 曲線セグメントの終点にペンツールを置いてから、次のいずれかの操作を行います。

    • C 字曲線を作成するには、前の方向線とは逆の方向にドラッグし、マウスボタンを放します。
    曲線パスの 2 番目の頂点を指定
    曲線パスの 2 番目の頂点を指定

    A. ドラッグを開始 B. 前の方向線とは逆の方向にドラッグして C 字曲線を作成 C. マウスボタンを放した後の曲線 
    • S 字曲線を作成するには、前の方向線と同じ方向にドラッグし、マウスボタンを放します。
    S 字曲線の作成
    S 字曲線の作成

    A. ドラッグを開始 B. 前の方向線と同じ方向にドラッグして S 字曲線を作成 C. マウスボタンを放した後の曲線 
  4. 引き続き、別の場所からペンツールをドラッグして、一連の滑らかな曲線を作成します。

マスクの変更と移動

マスクの頂点では、マスクの形状、サイズ、および回転を簡単に管理できます。

マスクの形状を調整
A、B、C、D:マスクの形状、サイズ、および回転を調整する頂点。

 マスクの形状、サイズ、および回転を変更

  • マスクの形状を変更するには、マスクハンドルをドラッグします。
  • 楕円形マスクの形状を長方形に変更するには、Alt キーを押して、楕円形の頂点のいずれかをクリックします。
  • マスクのサイズを変更するには、カーソルを頂点の少し外側に置いて Shift キーを押し(カーソルが曲線の双方向矢印 に変わる)、その後で Shift キーを押しながらカーソルをドラッグします。
  • マスクを回転させるには、カーソルを頂点の少し外側に置き(カーソルが曲線の双方向矢印 に変わる)、その後でドラッグします。カーソルをドラッグしながら Shift キーを押すと、回転角度を 22.5 度単位に制限することができます。

頂点を移動、追加、削除する

  • 頂点を移動するには、選択ツールで頂点をドラッグします。楕円形のマスクをドラッグしている間は、楕円形の形状が維持されません。
  • 頂点を追加するには、Ctrl キー(Windows)または Command キー(Mac)を押しながら、カーソル をマスクエッジの上に置きます。カーソルが「+」記号の付いたペンの形 に変わります。クリックして、頂点をマスクの形状に追加します。
  • マスクの頂点を削除するには、Ctrl キー(Windows)または Cmd キー(Mac)を押しながら、カーソル を削除する点の上に置きます。カーソルがマイナス記号の付いたペンの形 に変わります。クリックして、マスクの形状から選択した頂点を削除します。

その他の重要なコマンドとキーボードショートカット

  • キーボードの矢印キーを使用して、選択したコントロールポイントを 1 ユニット単位で移動します。
  • Shift キーを押し、矢印キーを使用して、選択したコントロールポイントを 5 ユニット単位で移動します。
  • 選択したすべてのコントロールポイントを選択解除して、現在アクティブなマスクの外側をクリックします。
  • マスクの直接操作を無効にするには、マスクの外側をクリックします。あるいは、シーケンス内のクリップを選択解除します。
  • マスクを削除するには、エフェクトコントロールパネルでマスクを選択し、キーボードの Delete キーを押します。

マスクエッジをぼかすか、マスクの拡張を調整

Premiere Pro では、プログラムモニターで直接マスクのぼかしや拡張を調整できるコントロールがあります。

マスク位置のハンドルでは、マスクのアウトラインに沿ってぼかしハンドルと拡張ハンドルを一緒に移動できます。マスク位置のハンドルを使用して、マスク上の便利な場所にぼかしと拡張のコントロールを配置できます。

マスクのぼかし
マスクのぼかし

A. ぼかしをコントロールするぼかしハンドル B. マスクを拡張および縮小する拡張ハンドル C. コントロールを移動するマスク位置のハンドル D. 拡張ガイド E. ぼかしガイド 

マスクのぼかしを適用

マスクの境界のぼかし
マスクの境界のぼかし

A. ぼかしなし B. ぼかしを適用 

ぼかしを適用して、マスクの形状のエッジを滑らかにするぼかしによってマスク選択の境界線を滑らかにして選択された領域の外側となじませ、美しい外観を実現できます。

マスクのぼかしハンドルでは、プログラムモニター内のマスクのアウトラインで直接ぼかしの分量を制御できます。Premiere Pro では、マスクのアウトラインの周囲にぼかしガイドが表示されます。ぼかしガイドは破線で表示されます。

また、エフェクトコントロールパネルで「マスクの境界のぼかし」値を指定することもできます。

ぼかしを大きくするにはぼかしガイドから離すようにハンドルをドラッグし、ぼかしを小さくするにはぼかしガイドに近づけるようにハンドルをドラッグします。

マスクの拡張を調整

マスクの拡張では、マスクの領域を拡張または収縮できます。プログラムモニターで青の実線で表示されるマスクの拡張ガイドは、マスク領域を正確に拡張または縮小するために役立ちます。

マスク領域を拡張するには拡張ガイドから離すようにハンドルをドラッグし、マスク領域を収縮するには拡張ガイドに近づけるようにハンドルをドラッグします。   

また、エフェクトコントロールパネルで「マスクの拡張」の値を指定して、マスクの境界を内側または外側に移動します。正の値を指定すると境界が外側に移動し、負の値を指定すると境界が内側に移動します。

エフェクトコントロールパネルを使用してマスク設定を調整

エフェクトコントロールパネルを使用して、値を指定してマスクを調整できます。マスクのトラッキング、マスクの不透明度の変更、マスクの拡張、マスクの反転、またはマスクの境界のぼかしが可能です。

マスク設定を調整
マスク設定を調整

A. マスクのトラッキング方法 B. マスクされている領域とマスクされていない領域を反転 C. マスクの拡張を変更 D. マスクの不透明度を調整 E. マスクの境界のぼかし 

マスクの不透明度を調整

マスクの不透明度を調整するには、マスクの不透明度値を指定します。このスライダーでマスクの不透明度を調整します。値が 100 の場合、マスクは不透明で、レイヤーの下の領域をブロックします。不透明度が低いほど、マスクの下のより多くの領域が見えるようになります。

マスクの選択を反転

反転」チェックボックスをオンにすると、マスクされた領域とマスクされていない領域が反転します。「反転」チェックボックスをオンにすると、マスクされていない領域にエフェクトが適用され、マスクした領域を保護できます。

マスクの選択を反転を使用してマスクされていない領域に適用された Lumetri Look エフェクト
マスクの選択を反転を使用してマスクされていない領域に適用された Lumetri Look エフェクト

マスクのコピーおよびペースト

クリップ間またはエフェクト間でマスクを簡単にコピーおよびペーストできます。

クリップ間でのマスクが適用されたエフェクトのコピーおよびペースト

マスクが含まれるエフェクトをコピーおよびペーストする場合、ペーストされたエフェクトに同じマスクが適用されます。

  1. タイムラインパネルで、マスクが適用されたエフェクトが含まれているクリップを選択します。
  2. エフェクトコントロールパネルで、コピーするエフェクトを選択します。
  3. 編集コピーを選択します。あるいは、キーボードショートカットの Ctrl + C(Windows)または Command + C(Mac OS)を使用します。
  4. タイムラインで、マスクをペーストする別のクリップを選択します。
  5. 編集ペーストを選択します。あるいは、キーボードショートカットの Ctrl + V(Windows)または Command + V(Mac OS)を使用します。

 

エフェクト間でのマスクのコピーおよびペースト

  1. エフェクトコントロールパネルで、適用されたマスクを表示するエフェクトの横にあるねじり矢印をクリックして展開します。
  2. コピーするマスクを選択します。
  3. 編集/コピーを選択します。あるいは、キーボードショートカットの Ctrl + C(Windows)または Command + C(Mac OS)を使用します。
  4. エフェクトコントロールパネルで、マスクをペーストする別のエフェクトを選択します。
  5. 編集ペーストを選択します。あるいは、キーボードショートカットの Ctrl + V(Windows)または Command + V(Mac OS)を使用します。

注意:

一度にコピーおよびペーストできるマスクは 1 つだけです。

Premiere Pro のマスクトラッキング

マスクをオブジェクトに適用する場合、Premiere Pro ではオブジェクトが 1 つのフレームから別のフレームに移動すると、それに従ってマスクが自動的に移動します。例えば、シェイプマスクを使用して顔をぼかした後、その人物がフレーム間を移動すると、マスクされた顔の移動が自動的にトラッキングされます。

マスクが選択されている場合、エフェクトコントロールパネルにマスクの前後の移動をトラッキングするためのコントロールが表示されます。一度に 1 フレームずつマスクをトラッキングするか、またはシーケンスの最後までマスクをトラッキングするかを選択できます。

マスクのトラッキング方法を変更するには、レンチのアイコン をクリックします。最も効果的なトラッキングを実現するために、いくつかの選択肢から選択できます:

位置

フレームからフレームまでのマスクの位置のみをトラッキング

位置と回転

フレームごとに必要に応じて回転を変更しながらマスク位置をトラッキング

位置、スケール、回転

フレームの移動に合わせて自動的にスケールおよび回転しながら、マスク位置をトラッキング

注意:

試しに実行してみることで、クリップの最適なオプションを見つけることができます。これらのオプションのいずれかを選択し、うまく行かない場合は、取り消して、別のオプションを試してみてください。

After Effects で使用可能な高度なトラッキング機能を使用するには、Dynamic Link 機能を使用してシーケンスを After Effects に送信します。詳しくは、After Effects ヘルプ / マスクのトラッキングを参照してください。

ライブプレビューの無効化によるマスクのトラッキングの高速化

Premiere Pro でのマスクのトラッキングは、ライブプレビューを無効にした場合(デフォルトのオプション)に処理速度が上がります。何らかの理由でライブプレビューが有効になっている場合は、次の手順で無効にすることができます。

  1. タイムラインパネルで、マスクが適用されたエフェクトが含まれているクリップを選択します。

  2. トラックでの変更をプレビューするには、マスクのレンチアイコン をクリックし、ドロップダウンリストからプレビューを選択します。

    マスクプレビュー
    マスクプレビュー
  3. ライブプレビューを無効にするには、マスクのレンチアイコン をクリックし、ドロップダウンリストからプレビューの選択を解除します。

    ライブプレビューの無効化
    ライブプレビューの無効化

Premiere Pro には、マスクのトラッキングを最適化する機能も組み込まれています。

高さが 1080 を超えるクリップの場合は、フレームを 1080 に縮小してからトラックを計算します。また、低画質レンダリングも使用して、マスクのトラッキングプロセスを高速化します。

ビデオチュートリアル

マスクとトラッキングでフェイスの移動をぼかす方法

この 5 分間のビデオチュートリアルでは、ぼかしたマスクを適用して人物の ID を保護し、シーン内でフレームをまたいで移動するマスクを追跡する方法を学習します。

このチュートリアルでは、自分自身で機能を試すサンプルファイルが含まれています。  


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