マニュアル キャンセル

カラー補正エフェクト

ビデオクリップのカラー補正を行い、過度に暗いまたは明るいビデオの補正や、放送要件に合わせたレベル調整を行う方法を学習します。

ビデオの所要時間:4 分 50 秒

Premiere Pro でカラー補正と Lumetri プリセットを使用する方法

カラー補正エフェクトについて

Premiere Pro には、タイムライン上でフッテージを直接編集できるプロ品質のカラー補正ツールが用意されています。色とルミナンスを調整するエフェクトは、ビデオエフェクトビン内のカラー補正ビンにあります。

カラー補正の調整はいくつかの理由で使用されます。

  • クリップが同じ条件下で撮影されたかのようにフッテージを修正します。
  • クリップが日中ではなく夜間に撮影されたかのようにクリップのカラーを調整します。
  • 画像の露光量を調整することで、露出過度なハイライトの細部を回復できます。
  • グラフィック要素を追加するには、クリップのカラーを強調します。
  • クリップのカラーを特定の範囲(ブロードキャストセーフの範囲など)に制限します。
露光量の補正:波形が IRE スケールの上限になっている露出過度の画像(左)、波形が 7.5 ~ 100 IRE の範囲内になっている補正後の画像(右)

カラー補正エフェクトは標準のエフェクトと同じように適用されます。色とルミナンスを調整するエフェクトはほかにもありますが、カラー補正エフェクトは、色とルミナンスを高い精度で補正するために設計されたものです。

  • 色とルミナンスを調整するエフェクトは、ビデオエフェクトビン内のカラー補正ビンにあります。
  • エフェクトのプロパティは、エフェクトコントロールパネルで調整します。
  • カラー補正エフェクトとその他のカラーエフェクトはクリップベースです。ただし、シーケンスのネストを使用すれば、複数のクリップに適用することもできます。シーケンスのネストについて詳しくは、複数シーケンスの使用を参照してください。
  • カラーを補正する場合は、Lumetri スコープを使用すると、クリップ内のクロマとルミナンスを解析するのに役立ちます。別の Lumetri パネルでスコープを表示できるので、調整する際にビデオレベルを確認できます。スコープについて詳しくは、Lumetri スコープを参照してください。
Adobe Premiere Pro logo

まずは無料で試してみる
AI を使用したワークフローの強化を試してみましょう

カラー補正エフェクト

ASC CDL

ASC CDL(全米撮影監督協会が定めたカラーディシジョンリスト)は、原色情報の交換を標準化するための 1 つの形式です。

CDL には、スロープ、オフセット、パワーの各パラメーターを指定できます。各関数は、赤、緑、青の各カラーチャンネルの数値を、単色の決定を構成する 9 個の数値に使用します。彩度を示す 10 番目の数値は、R、G、B カラーチャンネルの組み合わせに対して適用されます。

輝度&コントラストエフェクト

輝度&コントラストエフェクトは、クリップ全体の明度とコントラストを調整します。初期設定値の 0.0 のままにすると、何も変わりません。輝度&コントラストエフェクトは、画像の色調範囲を調整する最も簡単な方法であり、画像内のすべてのピクセル値(ハイライト、シャドウ、ミッドトーン)を一度に調整します。

オリジナル(左)、輝度&コントラストエフェクトを適用(右)

色を変更エフェクト

色相、明度、および彩度を調整します。

色を変更エフェクトには、次のオプションがあります。

  • 表示 - レイヤー補正では、色を変更エフェクトの結果が表示されます。カラー補正マスクでは、変更される領域が表示されます。白い部分は補正量が大きいことを、黒い部分は小さいことを表します。
  • 色相の変更 - 色相の変更量(度単位)。
  • 明度の変更 - 正の値にすると、対応する領域が明るくなり、負の値にすると暗くなります。
  • 彩度の変更 - 正の値にすると、対応するピクセルの彩度が上がり(純粋な色に近づきます)、負の値にすると下がります(グレーに近づきます)。
  • 変更するカラー - 変更される範囲の中央のカラー。
  • マッチングの許容度 - 変更するカラーとどれだけ差があるカラーを変更対象と見なすかを指定します。
  • マッチングの柔軟度 - 変更するカラーと一致しないピクセルが、このエフェクトでどの程度影響を受けるかを、変更するカラーとの類似性の割合で指定します。
  • マッチングの適用 - カラー類似性を調べるために比較するカラースペースを指定します。「RGB 使用」は、RGB カラースペースを使用します。「色相使用」は、彩度と明るさを無視して、色相だけを比較します。そのため、例えば、明るい赤とピンクは一致すると見なされます。「クロマ使用」は、輝度(明度)を無視して、2 つのクロミナンスを比較します。
  • カラー補正マスク反転 - 影響を受けるカラーを決定するマスクを反転します。

他のカラーへ変更エフェクト

他のカラーへ変更エフェクトでは、画像内で選択した色だけを、色相、明度および彩度(HLS)の値に基づいて、ほかの色に変更されます。

他のカラーへ変更エフェクトには、色を変更エフェクトにはない柔軟性とオプションがあります。オプションには、色を厳密に一致させるための色相、明度および彩度の許容量スライダー、および変更後の色のカラー値を選択できる機能があります。

オリジナル(左)、惑星の彩度を除去した例(中央)、惑星の明るい緑を黄色に変更した例(右)

他のカラーへ変更エフェクトには、次のオプションがあります。

  • 変更するカラー - 変更する範囲の中央に相当するカラー。
  • 変更後のカラー - 一致したピクセルの変更先のカラー。カラーの変更をアニメートするには、変更後のカラーの色にキーフレームを設定します。
  • 変更するチャンネル - エフェクトを適用するチャンネル。
  • 変更オプション - カラーを変更する方法。「カラーに設定」では、対象ピクセルを直接「変更後のカラー」に変更します。「カラーに変換」は、HLS の値を補間して、ピクセルを目的のカラーに近づけます。各ピクセルがどの程度変わるかは、そのピクセルの色が「変更するカラー」とどれだけ似ているかによって異なります。
  • 許容量 - 変更するカラーとどれだけ差があるカラーを変更対象と見なすかを指定します。このコントロールを開くと、色相、明度および彩度に別個のスライダーが表示されます。変更対象のピクセルを詳しく確認するには、「補正マットを表示」オプションを使用してください。
  • 柔らかさ - 補正マットのエッジをぼかす度合い。値が大きいほど、カラーを変更する領域と変更しない領域の間の変化が滑らかになります。
  • 補正マットの表示 - 各ピクセルの変化量を示すグレースケールマットを表示します。白い部分は変化が大きいことを、暗い部分は少ないことを示します。

チャンネルミキサーエフェクト

チャンネルミキサーエフェクトは、現在のカラーチャンネルの配合を使用し、カラーチャンネルを変更します。このエフェクトは、ほかのカラー調整ツールでは難しい、独創的なカラー調整を行うときに使用します。例えば、各カラーチャンネルの配合率を指定して高画質のグレースケールイメージを作成したり、高画質のセピア調や薄い色のイメージを作成したり、チャンネルの入れ替えや複製を行ったりできます。

チャンネルミキサーエフェクトには、次のオプションがあります。

  • [出力チャンネル] - [入力チャンネル] - 出力チャンネルに追加する入力チャンネルの割合(%)。例えば、「赤 - 緑」の 10 という設定は、ピクセルの赤チャンネルの値を、そのピクセルの緑チャンネルの値の 10%だけ増やします。「青 - 緑」の 100 と「青 - 青」の 0 という設定は、青チャンネルの値を緑チャンネルの値に置き換えます。
  • [出力チャンネル] - 定数 - 出力チャンネルの値に追加する一定の値(%)。例えば、「赤 - 定数」の 100 という設定は、各ピクセルに赤を 100%加えます。
  • モノクロ - 赤、緑、青の出力チャンネルに赤の出力チャンネルの値を使用して、グレースケールイメージを作成します。
赤チャンネルから赤の入力をすべて削除し、緑チャンネル 50%と青チャンネル 50%を赤のチャンネルに追加します。

カラーバランスエフェクト

イメージのハイライト、ミッドトーン、シャドウの赤、緑、青の量を変更します。

輝度を保持

輝度の平均値を維持したままイメージの色を変更します。このコントロールで、イメージの色調バランスを保持します。

カラーバランス(HLS)エフェクト

カラーバランス(HLS)エフェクトは、画像の色相、輝度および彩度を変更します。

「カラーバランス」(HLS)エフェクトには、次のオプションがあります。

  • 色相 - 画像全体の色合いを指定します。
  • 明るさ - 画像全体の明るさを指定します。
  • 彩度 - 画像の彩度を調整します。初期設定値の 0 では、色は変わりません。負の値を指定すると彩度は下がり、-100 ではクリップをグレースケールに変換します。0 を超える値に設定すると、彩度が高くなります。
注意:

カラーバランスの彩度を調整しても目的の結果が得られない場合は、クイックカラー補正エフェクトの彩度コントロールを調整してみてください。

イコライザーエフェクト

平均化(イコライザー)エフェクトは、画像のピクセル値を変更して、輝度またはカラー成分を均一に分散します。このエフェクトは、Adobe Photoshop の「平均化(イコライズ)」コマンドと同様に機能します。アルファの値が 0(透明)のピクセルは認識されません。

イコライザーエフェクトには、次のオプションがあります。

  • イコライザー - 「RGB」では、赤、緑および青の成分を基準にしてイメージが平均化されます。「明るさ」では、各ピクセルの明るさを基準にして平均化されます。「Photoshop スタイル」は、イメージのピクセルの明るさの値を分散し直して平均化し、イメージが輝度レベルの範囲全体で均一に表現されるようにします。
  • イコライザー量 - 再分散する輝度値の量。100%にすると、ピクセルの値ができるだけ均一に拡散され、低い値にすると、再分散される値が少なくなります。

色抜きエフェクト

色抜きエフェクトは、保持するカラーで指定した色以外のすべての色をクリップから削除します。例えば、バスケットボールゲームのショットで、ボールのオレンジ色以外のすべての色を抜くことができます。

色抜きエフェクトには、次のオプションがあります。

  • 色抜き量 - 削除するカラーの量。100%にすると、指定したカラーと似ていない部分がグレーになります。
  • 保持するカラー - カラースポイトツールまたはカラーピッカーを使用して保持するカラーを指定します。
  • 許容量 - 削除するカラーをどの程度厳密に照合するかを指定します。0%にすると、保持するカラーと正確に同じカラーのピクセル以外がすべて色抜きされます。100%にすると、何も変わりません。
  • エッジの柔らかさ - カラー境界の柔らかさを設定します。値を大きくすると、色からグレーへの変換がなだらかになります。
  • マッチングの適用 - カラーの RGB 値と色相値のどちらを比較するかを指定します。厳密に比較する場合は、「RGB を使用」を選択します。通常、色抜きされる部分が多くなります。例えば、濃い青、淡い青、その中間の青もすべて残す場合は「色相を使用」を選択し、保持するカラーでどれか 1 つの青を指定します。

Lumetri カラー

Lumetri カラーには、プロ品質のカラーグレーディングツールやカラー補正ツールがあるので、編集タイムラインで直接フッテージをグレーディングできます。これらのツールを使用すると、新しい革新的な方法でシーケンス内のカラー、コントラストおよびハイライトを調整できます。

Lumetri カラーエフェクトには、次のオプションがあります。

  • 基本補正:「基本補正」セクションのコントロールを使用すると、暗すぎるビデオや明るすぎるビデオを補正し、クリップの色相(カラーまたはクロマ)とルミナンス(露出とコントラスト)の両方を調整できます。詳しくは、基本カラー補正の適用を参照してください。
  • クリエイティブ:Lumetri カラーパネルの「クリエイティブ」セクションには、既存のプリセットを使用してクリップにすばやくカラー調整を適用できる様々な Look が含まれています。詳しくは、Lumetri Look を使用したカラーでのクリエイティブ管理を参照してください。
  • カーブ:カーブ機能を使用すると、自然な結果が得られるように、すばやく正確なカラー調整を行うことができます。詳しくは、RBG および色相/彩度カーブを使用したカラーの調整を参照してください。
  • カラーホイールとカラーマッチ:カラーホイールを使用すると、ショットの暗い領域または明るい領域に対してのみカラー調整を行うことができます。詳しくは、ショット間でのカラーの補正を参照してください。
  • HSL セカンダリ:HSL セカンダリを既存のツールと組み合わせることによって、ショットをより細かく制御できます。通常、最初のカラー補正が完了した後に使用されます。詳しくは、Lumetri カラーパネルでの HSL セカンダリコントロールの使用を参照してください。
  • ビネット:ビネットは、人物や風景のように、視聴者の目をフレーム内の特定の被写体に向ける微妙な方法です。詳しくは、ビネットの作成を参照してください。

色合いエフェクト

色合いエフェクトは、画像のカラー情報を変更します。各ピクセルのルミナンスの値が「ブラックをマップ」と「ホワイトをマップ」で指定した 2 色間の合成値となります。「ブラックをマップ」と「ホワイトをマップ」では、暗いピクセルと明るいピクセルに対してマッピングする色を指定します。中間のピクセルにはマップする 2 色の中間の合成値が割り当てられます。「色合いの量」にエフェクトの強さを指定します。

ビデオリミッターエフェクト

新しいビデオリミッターエフェクトを使用すると、RGB 値を制限して HDTV のデジタル放送仕様を満たすことができます。これをショットエフェクトのように使用したり、出力エフェクトとして追加して、書き出すときにシーケンス全体を制限したりすることができます。タイムライン上で有効のビデオリミッターは、編集中または書き出し時の両方に適用されます。ビデオリミッターには、従来のアナログ NTSC 伝送に必要な追加のクロミナンス制限は含まれていません。

 

ビデオリミッターのオプション
ビデオリミッターのオプション

ビデオリミッターエフェクトには、次のオプションがあります。

  • クリップレベル:最大出力値を IRE 単位で指定します。デフォルトでは、103 IRE に設定されています。指定できる範囲は、IRE、8ビット RGB および Y です。
    • 100 = IRE 0~100、RGB 0~255、Y 16~235。SMPTE 範囲に制限。
    • 103 = IRE -3~103、RGB -8~263、Y 9~242
    • 105 = IRE -5~105、RGB -13~268、Y 5~246。EBU R103「推奨」。
    • 109 = IRE -7~109、RGB -17~277、Y 1~254。SDI 制限
  • クリッピング前の圧縮:クリップレベルより 3%、5%、10%、20%を開始点として適用し、ハードクリップ前にカラーを範囲に移動します。
  • 色域外警告:色域外警告が有効になっていると、圧縮されているまたはカラー範囲外のカラーがそれぞれハイライト表示されます。「色域外警告」オプションは、書き出しエフェクト設定では使用できません。タイムラインで有効の色域外警告は、書き出し時でも有効です。
  • 色域外警告カラー:色域外警告カラーを指定します。

ヘルプをすばやく簡単に入手

新規ユーザーの場合