画像のモードを元のモード(ソースモード)から別のモード(ターゲットモード)に変換できます。画像に異なるカラーモードを選択すると、画像内のカラー値が変更されます。例えば、RGB 画像を CMYK モードに変換すると、CMYK 色域外の RGB カラー値は、色域内に収まるように補正されます。CMYK 色域は、カラー設定ダイアログボックスの CMYK 作業用スペースで定義されるものです。そのため、画像を CMYK から RGB に戻すと、一部の画像データが失われ、復元されない場合があります。
画像を変換する前に次の操作を行うことをお勧めします。
できる限り画像の元のモードで編集します(通常は、スキャナーまたはデジタルカメラで取り込んだ画像は RGB モード、従来のドラムスキャナーまたは Scitex システムから読み込んだ画像は CMYK モードです)。
変換する前にバックアップコピーを取ります。変換後も元の画像を編集できるように、すべてのレイヤーを含む画像のコピーを必ず保存しておきます。
変換する前にファイルを統合します。カラーモードの変更に応じて、レイヤーの描画モードによるカラーの再現方法が変わります。
注意:
多くの場合では、変換する前にファイルを統合します。しかし、ファイルの統合は必須ではなく、場合によってはしないほうが良い場合もあります(例えばファイルにベクトルテキストレイヤーがある場合など)。
画像をモノクロ 2 階調モードに変換すると画像のカラーは 2 色に減るので、画像のカラー情報は著しく少なくなり、ファイルサイズが小さくなります。
カラー画像をモノクロ 2 階調モードに変換するには、まずグレースケールモードに変換します。この変換により、ピクセルの色相と彩度に関する情報が削除され、明るさの値だけが残ります。ただし、モノクロ 2 階調モードの画像で可能な編集作業は限られているので、グレースケールモードで編集してからモノクロ 2 階調モードに変換することをお勧めします。
注意:
モノクロ 2 階調モードの画像は、チャンネルあたり 1 ビットを使用します。16 bit/チャンネル画像または 32 bit/チャンネル画像は、モノクロ 2 階調モードに変換する前に 8 ビットのグレースケールモードに変換する必要があります。
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誤差拡散法(ディザ)
誤差拡散処理を行って画像を変換します。処理は画像の左上のピクセルから開始されます。値がグレーの中間値(128)より大きいピクセルはホワイトに、小さいピクセルはブラックになります。通常はピクセルが純粋なホワイトやブラックである場合は少ないので、誤差が生じます。この誤差は周辺のピクセルにも転移し、画像全体に拡散するので、粒子の粗い映画の画面のようなテクスチャが得られます。
ハーフトーンスクリーン
変換後の画像でハーフトーンの網点の外観をシミュレーションします。ハーフトーンスクリーンダイアログボックスに値を入力します。
「線数」にスクリーン線数を入力し、単位を選択します。「line/inch」の場合は 1.000 ~ 999.999 の数値を入力し、「line/cm」の場合は 0.400 ~ 400.00 の数値を入力します。小数値も入力できます。スクリーン線数により、ハーフトーンスクリーンの線数(lpi)が決まります。スクリーン線数は、使用する紙質や印刷機の種類によって異なります。新聞では、通常 85 のスクリーン線数を使用します。雑誌のスクリーン解像度はこれより高く、133lpi や 150lpi が使用されます。適切なスクリーン線数については、印刷業者に問い合わせてください。
「角度」に -180 ~ +180 度の範囲でスクリーン角度を入力します。スクリーン角度は、ハーフトーンスクリーンの方向を示します。通常、連続階調とモノクロのハーフトーンスクリーンには、45 度を使用します。
「網点形状」で、使用する形状を選択します。
注意:
ハーフトーンスクリーンは画像の一部となります。この画像をハーフトーンプリンターでプリントすると、画像の一部となったハーフトーンスクリーンとプリンター自体のハーフトーンスクリーンが両方ともプリントされます。一部のプリンターでは、画像にモアレパターンが生成されます。
カスタムパターン
変換後の画像でカスタムハーフトーン画面の外観をシミュレーションします。多様な濃度を持つパターン(通常、グレーの濃淡が多様なパターン)を選択します。
このオプションを使用するには、最初にパターンを定義し、グレースケール画像のスクリーンとして使用してテクスチャに変換します。画像全体をテクスチャで覆うには、画像と同じサイズのパターンが必要です。画像よりも小さいサイズのパターンはタイル表示されます。Photoshop には、ハーフトーンスクリーンのパターンとして使用できるタイルパターンが数種類用意されています。
注意:
変換に使用するモノクロのパターンを作成するには、画像をグレースケールに変換してからぼかし(強)フィルターを数回適用します。この方法で、濃いグレーから徐々にホワイトに変化していく太い描線が作成されます。
元のグレースケール画像および 50%を基準に 2 階調に分ける方式
パターンディザ変換方式および誤差拡散法(ディザ)変換方式
編集するために、画像をモノクロ 2 階調モードからグレースケールモードに変換することができます。モノクロ 2 階調モードの画像をグレースケールモードで編集し、再度モノクロ 2 階調モードに変換すると、見た目が変わる場合があります。例えば、モノクロ 2 階調モードではブラックであるピクセルを、グレースケールモードで一定の濃さのグレーに編集したとします。この画像をモノクロ 2 階調モードに再変換した場合、このピクセルのグレー値が中間値(128)を超えていると、ホワイトになります。
インデックスカラーに変換すると、画像のカラー数は最大 256 色までに削減されます。これは、GIF や PNG-8 形式、および多くのマルチメディアアプリケーションが対応している標準的なカラー数です。この変換は画像のカラー情報を削除することで、ファイルサイズを小さくします。
インデックスカラーに変換するには、8 bit/チャンネルのグレースケールまたは RGB の画像から作業を開始します。
パレットの種類
画像をインデックスカラーへ変換する場合は、様々なカラーパレットを利用できます。「知覚的」、「特定」、「割り付け」などのオプションを選択している場合は、現在の画像のカラーに基づいてローカルパレットを使用できます。使用できるパレットの種類は次のとおりです。
表示色
RGB カラーを均等に割り付ける、知覚的、特定、または使用中の色を全て割り付けるパレットでは、表示される正確なカラーの数を「表示色」に数値(256 まで)で指定できます。「表示色」テキストボックスは、インデックスカラーテーブルの作成方法だけを制御します。その場合も、Adobe Photoshop は画像を 8 ビットの 256 色イメージとして扱います。
ディザ
使用中のカラーをすべて割り付けるカラーテーブルを選択している場合を除き、画像で使用されるカラーがすべてカラーテーブルにあるとは限りません。カラーテーブルにない色をシミュレートするには、カラーをディザします。ディザは、使用可能な色のピクセルを複数混合し、ない色をシミュレートします。メニューからディザオプションを選択し、ディザの量をパーセント値で指定します。高い数値ほどディザする色は増えますが、ファイルサイズも増大します。以下のディザオプションから選択できます。