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データ駆動型グラフィックの作成

Photoshop で作成したテンプレートをもとに、データ駆動型グラフィックを使用して作業する

次のようなシナリオを想定しましょう。

あなたは働き始めて 1 週間目で、1 つのテンプレートデザインを使用して、異なるテキストや画像を含む 5 つのバージョンの web バナーを作成する必要があります。

データ駆動型グラフィックが、作業を行う最も効果的な方法であることをご存じでしたか?

データセットを使用して、異なるテキストや画像を含む一貫したデザインを作成するには、次の一般的な手順に従います。

  1. テンプレートとして使用する基のグラフィックを作成します。 

    レイヤーを使用して、グラフィック内で変更するエレメントを分離します。

  2. グラフィックの変数を定義します。変数を使用して、画像の中で変更が必要な部分を指定します。

  3. データセットを作成するか、読み込みます。テンプレートでデータセットを作成するか、テキストファイルからデータセットを読み込みます。

  4. データセットごとにドキュメントをプレビューします。ファイルを書き出す前に、プレビューを参照して、最終画像がどうなるかを確認します。

  5. データと共に書き出してグラフィックを生成します。Photoshop(PSD)形式を使用することをおすすめします。

    Photoshop で変数を使用して異なるバージョンの画像を作成する
    変数を使用して異なるバージョンの画像を作成する

変数

変数を使用して、テンプレート内で変更する要素を定義します。3 種類の変数を定義できます。

表示 / 非表示変数」では、レイヤーの内容を表示または非表示にします。

テキストを置き換え」変数では、あるタイプのレイヤーのテキスト文字列を置き換えます。

画像を置き換え」変数では、レイヤーのピクセルを別の画像ファイルのピクセルに置き換えます。

注意:

背景レイヤーの作業中は、変数を定義することはできません。

変数の操作

  1. イメージ変数定義に移動します。

  2. 変数として定義する内容を含むレイヤーポップアップメニューから、目的のレイヤーを選択します。

  3. 表示 / 非表示画像を置き換えテキストを置き換えから、1 つ以上の種類の変数を選択します。

    表示 / 非表示」では、レイヤーまたはレイヤーグループの内容の表示と非表示を切り替えます。

    画像を置き換え」では、レイヤーのピクセルを別の画像ファイルのピクセルに置き換えます。

    テキストを置き換え」では、テキストレイヤーのテキスト文字列を置き換えます。

  4. 次のいずれかの操作を行います。

    • 名前」フィールドに、変数の名前を入力します。変数名は、文字、アンダースコアまたはコロンのいずれかで始めることができます。ピリオド、ハイフン、アンダースコア、コロン以外の特殊文字およびスペースを含めることはできません。

      または、

    • 名前ドロップダウンメニューから、レイヤーをリンクする既存の変数を選択します。同じ変数にリンクされたレイヤーは、リンクアイコンと共に名前メニューの横に表示されます。

  5. 画像を置き換え」変数を使用する場合は、次の手順に従います。

    1. 置き換える画像の拡大・縮小方法を選択します。
      • 画面に合わせる」の方法では、縦横比を維持しながら、バウンディングボックスに合わせて画像のサイズを変更します。
      • 全画面表示」の方法では、縦横比を維持しながら、バウンディングボックスに合わせて画像のサイズを変更します。片方のディメンジョンでエッジが重なる場合があります。
      • 変更なし」の方法では、置き換える画像のサイズを維持します。片方または両方のディメンジョンでエッジが重なる場合があります。
      • 合致」の方法では、バウンディングボックスに合わせて画像のサイズを変更します。元の縦横比が維持されない場合があります。
    2. 整列アイコンのハンドルを選択して、バウンディングボックス内に配置される画像の整列方法を選択します。(このオプションは、「合致」では使用できません。)
    3. バウンディングボックス内に収まりきらない画像領域を切り取るには、「バウンディングボックスで切り抜く」をオンにします。このオプションは、画像の置き換え方法として「全画面表示」または「変更なし」が選択されている場合にのみ使用できます。(このオプションは、「合致」では使用できません。)
    「画面に合わせる」の方法では、縦横比を維持しながら、バウンディングボックスに合わせて画像のサイズを変更します。
    「画面に合わせる」の方法では、縦横比を維持しながら、バウンディングボックスに合わせて画像のサイズを変更します。

  6. 別のレイヤーの変数も定義するには、レイヤーポップアップメニューからレイヤーを選択して、「OK」を選択します。

    変数を含むレイヤーの名前の横にはアスタリスク(*)が表示されます。矢印アイコンを使用してレイヤー間を移動できます。

変数名の変更

  1. イメージ変数定義に移動します。

  2. レイヤーポップアップメニューから、変数を含むレイヤーを選択します。

  3. 変数名を変更するには、「名前」テキストボックスに名前を入力します。

    変数名は、文字、アンダースコアまたはコロンのいずれかで始める必要があります。また、ピリオド、ハイフン、アンダースコア、コロン以外の特殊文字およびスペースを含むことはできません。

  4. 変数の選択を解除して削除します。

データセット

データセットは、変数と、関連するデータを集めたものです。データセットは、生成するグラフィックのバージョンごとに定義できます。

  1. 次のいずれかの操作を行います。

    • イメージ変数データセットに移動します。

    または、

    • 変数ダイアログボックスが開いている場合は、ドロップダウンメニューから「データセット」を選択するか、「次へ」を選択します。
    注意:

    少なくとも 1 つの変数を定義しないと、デフォルトのデータセットを編集できません。 

  2. 新しいデータセットボタン()をオンにして、現在のデータセットに基づいた新しいデータセットを作成します。

  3. 名前ドロップダウンリストから変数を選択します。

  4. 変数データを編集します。

    • 表示 / 非表示」変数では、「表示」を選択してレイヤーの内容が表示されるようにするか、または「非表示」を選択してレイヤーの内容が表示されないようにします。

    • 画像を置き換え」変数では、「ファイルを選択」を選択してから、置き換える画像ファイルを選択します。レイヤーを置換せずに現在の状態のままにする場合は、データセットを適用する前に「置換しない」を選択します。

    注意:

    置換しない」ボタンを適用しても、以前に別の置換が適用されていると、ファイルは元の状態には戻りません。

    • テキストを置き換え」変数では、「」テキストボックスにテキスト文字列を入力します。
  5. 生成するグラフィックのバージョンごとに別のデータセットを定義します。

データセットを編集、名前変更、または削除するには、データセットメニューから選択して、オプションを編集します。データセット間を移動するには、矢印アイコンを使用します。データセットを削除するには、削除アイコンを選択します。

データセットのプレビューまたは適用

変数とデータセットを変更せずに、基の画像にデータセットの内容を適用します。

これにより、データセットの値を含む画像の表示が変更されます。「プレビュー」オプションを使用して、それぞれのデータセットを含む各バージョンの体裁を確認します。

イメージデータセットを適用に移動して、リストからデータセットを選択し、ドキュメントウィンドウで画像をプレビューします。

適用」を選択して、データセットを適用します。プレビューのみを行い、基の画像を変更しない場合は、「キャンセル」を選択します。

イメージ変数データセットに移動して、「プレビュー」をオンにし、データセットを適用してプレビューすることもできます。

注意:

データセットを適用すると、元のドキュメントが上書きされます。

データセットを使用したグラフィックの生成

変数と 1 つ以上のデータセットを定義したら、これらのデータセット値を使用してバッチモードの出力画像を生成できます。生成される出力画像は、PSD ファイルの形式になります。

  1. ファイル書き出しファイルとしてのデータセットに移動します。

  2. 生成されたすべてのファイルのベース名を入力します。必要に応じて、独自のファイル命名規則を作成することもできます。
  3. ファイルの保存先のディレクトリを選択するには、「フォルダーを選択」ボタンを使用します。

  4. 書き出すデータセットを選択して、「OK」を選択します。

外部ファイルでのデータセットの作成

すべての変数情報を含む外部テキストファイルを使用して、変数が含まれている PSD ドキュメントにそのファイルを読み込むと、多数のデータセットを素早く作成できます。

そのためには、テキストファイルまたは Microsoft Excel スプレッドシートにデータを入力し、そのファイルをタブ区切りファイルまたはコンマ区切りファイルに書き出します。

外部テキストファイルの所定の構文に従います(実際にファイルに記載するときは、Variable または Value で始まる行全体を 1 行とします)。

VariableName1<sep>VariableName2<sep> <sep>VariableNameN <nl>
Value1-1<sep>Value2-1<sep><sep>ValueN-1<nl>
Value1-2<sep>Value2-2<sep><sep>ValueN-2<nl>
Value1-M<sep>Value2-M<sep><sep>ValueN-M<nl>
VariableName1<sep>VariableName2<sep> <sep>VariableNameN <nl> Value1-1<sep>Value2-1<sep><sep>ValueN-1<nl> Value1-2<sep>Value2-2<sep><sep>ValueN-2<nl> Value1-M<sep>Value2-M<sep><sep>ValueN-M<nl>
VariableName1<sep>VariableName2<sep> <sep>VariableNameN <nl> 
Value1-1<sep>Value2-1<sep><sep>ValueN-1<nl> 
Value1-2<sep>Value2-2<sep><sep>ValueN-2<nl> 
Value1-M<sep>Value2-M<sep><sep>ValueN-M<nl>

先頭行にすべての変数名を記載し、後続の行に値を記載します。後続の各行が 1 つのデータセットとなり、それぞれの値が各変数に付与されることになります。

注意:

データセット内の単一行で複数行のテキストを作成するには、タブ区切りファイルまたはコンマ区切りファイルでテキストを二重引用符で囲み、改行したい場所にハードリターンを挿入します。 

外部テキストファイル 構文要素

<sep>

コンマ区切り(CSV)ファイルまたはタブ(タブ区切り)ファイルで、変数名または値が区切られています。

<nl>

各データセットの末尾に置かれる改行文字です。ラインフィード、キャリッジリターンまたはその両方になります。

“true” および “false”

表示 / 非表示変数の有効な値

空白

ファイルの解析時に、区切り文字の周りにある空白は削除されます。値に含まれる単語間の空白(two of a kind など)は削除されません。先頭と末尾の空白は、二重引用符で囲めば(“one kind” など)削除されません。

二重引用符

別の二重引用符で囲めば値の一部と見なされます(““B”” は、データセットでは “B” になります)

<sep> または <nl> が変数値の一部である場合は、値全体を二重引用符で囲む必要があります。

PSD ファイルで定義されたすべての変数をテキストファイルで定義する必要があります。そうしないと、テキストファイルと文書の変数の数が一致しない場合、エラーが表示されます。

データセットの例

チューリップとヒマワリの変数を含む花のテンプレートを使用して、テキストファイルを作成します。次に例を示します。

{contents of FlowerShow.txt}
Variable 1, Variable 2, Variable 3
true, TULIP, c:\My Documents\tulip.jpg
false, SUNFLOWER, c:\My Documents\sunflower.jpg
false, CALLA LILY, c:\My Documents\calla.jpg
true, VIOLET, c:\My Documents\violet.jpg
{contents of FlowerShow.txt} Variable 1, Variable 2, Variable 3 true, TULIP, c:\My Documents\tulip.jpg false, SUNFLOWER, c:\My Documents\sunflower.jpg false, CALLA LILY, c:\My Documents\calla.jpg true, VIOLET, c:\My Documents\violet.jpg
{contents of FlowerShow.txt} 
Variable 1, Variable 2, Variable 3 
true, TULIP, c:\My Documents\tulip.jpg 
false, SUNFLOWER, c:\My Documents\sunflower.jpg 
false, CALLA LILY, c:\My Documents\calla.jpg 
true, VIOLET, c:\My Documents\violet.jpg
注意:

テキストファイルが画像ファイルと同じフォルダー内にある場合は、画像の場所を相対パスで指定できます。例えば、上の例で最後の項目は、true, VIOLET, violet.jpg とすることができます。

データセットの読み込み

  1. 次のいずれかの操作を行います。

    • ファイル/読み込み/変数データセットに移動します。

    または、

    • イメージ/変数/データセットに移動して、「読み込み」ボタンを使用し、読み込むテキストファイルに移動します。
  2. 読み込みオプションを設定します。

    • データセット名に最初の列を使用:テキストファイルの最初の列の値(表示される最初の変数の値)を各データセット名として使用します。このチェックボックスを選択しない場合には、データセット名は「データセット 1」、「データセット 2」などとなります。
    • 既存のデータセットを置き換え:読み込む前に、既存のデータセットを削除します。
  3. テキストファイルのエンコード方式を設定するか、「自動」のままにして、「OK」を選択します。

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